テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.10.16

既婚者に聞く「結婚相手に求める条件」は?

 結婚前は誰でも多かれ少なかれ、結婚の理想像や結婚相手への条件を持っているものだと思います。年齢を重ねるにつれ条件が多くなる人もいれば、「誠実だったら、もうそれでいい」と理想ばかり追うのを諦め始めたという人もいるようです。

 約10年前の2015年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した独身者を対象にした調査によると、結婚相手に求める条件は、男女ともに第1位は「人柄」、そして2位は「家事・育児の能力」、3位は「自分の仕事への理解」という結果に。3位までは男女で全く同じ順番の条件が並んだのも驚きですが、結婚後も仕事を続けたいと考えている女性が増えたことが、男女差のない結果が見られる要因のひとつかもしれません。

 しかし、結婚前の条件はある意味理想に過ぎず、実際結婚してみたら違ったということもあるのではないでしょうか。そこで今回は、既婚者男女に、その理想と現実のギャップとも言うべき「結婚後に実感した結婚相手に求めるべき条件」をアンケートしてみました。

結婚後に実感、本当に重要な「結婚相手に求める条件」とは?

 既婚男女各20人に聞いた「結婚後に感じる、結婚相手に求めるべき条件」の上位4つをご紹介していきます。

1:体力や健康
 意外と多かったのが、この「体力や健康」。結婚相手の健康度は家庭の経済力にも関わってきますし、パートナーが病弱だと常に心配や不安が絶えず、自分の家事や労働、子育てへの負担が重くなることも。「夫が10歳年上ですが、とにかく健康でいてくれるので歳の差も不安要素になりにくい」、「妻が身体が弱いので、何かあると親にサポートしてもらったり自分が仕事を休んで子どもの世話をしたりで大変」など、パートナーの健康面は家庭や家族への影響が大きいようです。

2:経済観念の一致
 先ほどの独身調査の結果でも、女性は男性の経済力を結婚の条件として重要視する人も多い割合でいましたが、結婚後は経済力そのものよりも「経済観念」が大事という意見が多く集まりました。「夫が見栄っ張りで、ブランド物が大好きで奢り癖もありお金が貯まらない」、「私への小遣いは必要最低限なのに、妻は贅沢三昧」というように、お金の使い方への不満は結婚後に噴出するよう。経済観念が似ている同士かどうかは家庭生活に重要だという声が多く聞かれました。

3:コミュニケーション量
 一緒に生活をしていく中で「ありがとう」や「ごめんなさい」が素直に伝えられたり、きちんと夫婦で話し合いができるかどうかは結婚生活を上手くいかせるために必要な条件という意見が集まりました。「言わなくても察してほしいとか、夫婦なんだからいちいち口に出さなくても分かるだろうというような口下手なタイプは、誤解を招いたり没コミュニケーションに陥りがち」という声も。結婚前から口数が少ない人は、結婚後はさらに口数が減るので要注意というアドバイスも。

4:思いやり
 結婚前は相手にいい顔をできても、家族になるとそこが雑になる人も多いそう。「結婚後も変わらず優しく思いやりのある夫は、稼ぎはイマイチですが精神的な支えになってくれる」、「夫の私へはもちろん、私の両親や親戚にも思いやりのある態度で接してくれるのは大きかった」という声もあるように、思いやりのある相手との結婚満足度は高いようです。長い結婚生活、様々な困難の時もありますから、そんな時に思いやりがある相手となら乗り越えられるのかもしれません。

独身者と既婚者の「条件」の違いは、どこにある?

 既婚者の実感から出た4つの条件を読んで、これから結婚するかもしれないシングルの皆さんはどう感じましたか?

 ちなみに、上位3つの独身者の求める条件の調査結果をどう思うかと既婚者のみなさんにも聞いてみたところ、「人柄はもちろん大切」という声が多かったものの、「家事・育児の能力はあると思っていても実際のところは当然分かっていないので、勘違いだった」とか「自分の仕事への理解があっても、出産や育児、介護となったらそんなことを言っていられない状況になった」と厳しい声も。

 独身者の求める条件と、既婚者の条件を比較してみると、結婚前は「相手がどんな人で、どんな付帯条件を持っているか」と自分にとってのプラス条件であることに注視していますが、結婚後では「結婚生活の中で、相手が家庭に及ぼす影響」で条件が語られています。「こんな人と結婚したら幸せになれそう」という理想が膨らむのがシングルの特権でもありますが、結婚生活という長く続く暮らしの中では、夫婦や家族の関係を共に構築する上で必要な条件を見極めなくてはならない、という既婚者の貴重な意見も参考になるのではないでしょうか。

<参考サイト>
国立社会保障・人口問題研究所│第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/gaiyou15html/NFS15G_html04.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係

世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係

数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家

数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28
中島さち子
ジャズピアニスト 数学研究者 STEAM 教育者 メディアアーティスト
2

動画講義だからこそ音楽と数学の深い関係がよくわかる!

動画講義だからこそ音楽と数学の深い関係がよくわかる!

編集部ラジオ2025(18)音楽って実は数学でできている?

「音楽」は、実は「数学」でできている――そのような話を聞いたことがあるかもしれません。数学と音楽といえば、ピタゴラスです。ピタゴラスは「音楽が美しく調和しているとき、きれいな数字が見えてくる」ということを発見した...
収録日:2025/06/25
追加日:2025/08/28
3

日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは

日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは

「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念

今も明治政府による国家モデルが生きている現代社会では、日本は中央集権の国と捉えられがちだが、歴史を振り返ればどうだったのかを「集権と分権」という切り口から考えてみるのが本講義の趣旨である。7世紀に起こった「大化の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/18
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
4

アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型

アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型

「アカデメイア」から考える学びの意義(3)受け継がれる学園の理念

プラトンが創設した学問アカデメイア。そこでは性別や身分を問わず多種多様な人々が議論を展開し、学問に励んだ。では創設者のプラトンは、その学園でどのように振る舞っていたのか。実は、アカデメイアにおいて、プラトンは自...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/27
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授
5

不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント

不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント

定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」

「人生100年時代」といわれている現代において、定年後の人生に不安を抱く人は少なくないだろう。雇用延長で定年を延ばす人は多いが、その後の生活上の中心になるものを探しておくことが重要になってくる。時間的にも精神的にも...
収録日:2021/08/25
追加日:2021/09/28
楠木新
人事・キャリアコンサルタント