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DATE/ 2019.03.28

仕事でよくある「無駄な」情報共有の方法

インターネットの浸透によって、ビジネスにおいてもメールやチャットなどの情報共有ツールが当たり前となりました。電話やFAXだけの時代にくらべてやりとりが高速化した一方、情報量が一挙に増加しました。便利になったとはいえ、かなり無駄も多くなっているという指摘もあります。

 みなさんも仕事中、「無駄な情報共有」を見かけたことはありませんか。自分自身が「無駄な情報共有」をする人にならないようにいくつか事例を見ていきましょう。

話題沸騰の「ざんねんな情報共有ずかん」

 サイボウズのグループウェア「ガルーン」のプロモーションの一環として公開されている「ざんねんな情報共有ずかん」をご存知ですか。ビジネスにおける、あるあるな「ざんねんな情報共有」の例をイラストで紹介する広告です。

 クスッと笑えるイラストと、「いるだけCC」「片思い送信」「全社メール返信砲」など技ありなコピーが話題となりました。「あるある」とうなずける全12例をウェブページで見ることができます。

メールでよく起こること

 たとえば、「いるだけCC」。ここには「CCだからって、スルーしていいわけじゃないからね」というキャプションが入っています。これはみなさんも経験があるのではないのでしょうか。このキャプションとは異なりますが、あまり共有の必要がないのにCCに入れられて、無駄にメールがたくさん届くこともありませんか。CC、BCCは鬼門ですね。

 もうひとつ例を紹介します。「片思い送信」には「あのメール、見てくれたのか、見てないのか」。これもよくわかるのではないでしょうか。とくに急ぎの用件や重要な用件のとき、何のレスポンスもないと不安になります。チャットなどには開封を知らせる機能がありますが、これはこれで受信者の立場になって考えるとプレッシャーになります。

古くて残念な情報共有

 「ざんねんな情報共有ずかん」とは別の視点で調べてみると、新しい情報技術のせいではなく、むしろ企業の古い体質から生まれる残念な情報共有に悩まされている方もたくさんいるようです。たとえば、いまだにFAXをメインの伝達ツールにしている企業もあるのだとか。メールでちょろっと知らせるだけで済むことを、わざわざFAXしなくてはいけないなんて残念すぎますね。

 FAXは若い世代には使い方がわからないという人もいるくらいで、いずれは消えゆくツールだと言っていいでしょう。決してなくならないツールと言えば、電話。チャットツールにもインターネットを介した通話機能がついています。情報共有で難しいのは電話とメールの使い分けです。

 「そんなこと電話しないで」ということと、「いや、それは電話しないと」ということの境界はわりと曖昧です。そのわりに一歩間違えると「残念」というレッテルを貼られてしまう可能性が高いと言えます。

「コミュニケーション」として捉え直す

 残念な情報共有はインターネットが発達したから生まれたわけではありません。その原初までさかのぼれば、人間がコミュニケーションを開始した時、残念な情報共有の歴史も始まりました。「情報共有」ではなく「コミュニケーション」というフレームで捉え直すといいのかもしれません。

 過度に無駄を省くことばかり考えずに、受け手がどう思うかを意識していれば、残念や失敗はかなり防ぐことができるのではないでしょうか。

<参考サイト>
・ざんねんな情報共有ずかん
https://garoon.cybozu.co.jp/lp/zannen/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授