テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2019.04.05

ナンパから始まる恋愛はあり?なし?

ナンパの印象はあまりよくないですが…

 春から夏にかけては、外出の機会が増える季節です。お花見や花火大会、海辺のリゾート地などの賑わいには心が躍りますよね。だけど人が多く行き交う場所に出かけると、ナンパに遭遇する機会が増えるのも事実。やはりナンパには「チャラい」とか「軽薄」などのイメージがあるので、特に女性は煩わしく感じる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 ナンパはお互いのことをまったく知らないのに、いきなり恋愛関係めいたことを求める行為なので、誠実さや真剣さが感じられないものです。だからこそ「ナンパから始まる恋愛は長続きしない」と考える人は多いですが、ナンパから恋愛を始めたカップルでも長く交際していたり、結婚まで至ったりした例はあります。必ずしも悲劇的な結果で終わるとは言い切れません。

 実は、「ナンパから始まる恋愛はあり」とポジティブに捉える人は意外と多いのです。恋活婚活サイト・ラブサーチのアンケート(オープンサイト調べ)によれば、「出会いのきっかけとしてナンパはあり」と回答した人は男性で82.1%、女性で63.3%と、いずれも過半数を大きく上回りました。「あり」と答えた人はナンパに対してどんな意識を持っているのでしょうか。

「出会いのひとつ」と捉える人が多い

 わかりやすいところでは、「出会いの形のひとつとしてはあり」(40代男性)という意見や、「ナンパでも出会い系サイトでもお見合いでも出会いは出会い」(30代男性)という意見があります。ナンパだからと特別視せず、あくまでたくさんある出会いのパターンのひとつにすぎないと捉えているのですね。また、「長続きしないかもしれないけど出会いとしてはOK」(20代女性)というように、長続きしなくてもしかたないと割り切ったうえで「あり」と考える人もいます。

 ただし、一般的なイメージである「路上で不特定多数に声をかける」タイプのナンパはお断りの人が多いようです。それは裏を返せば、お気に入りの場所に同じように入り浸っている人なら、初対面でもある程度は好みが同じとわかるのでナンパされてもよいということ。ラブサーチのアンケートに「その他」と回答した人の中には「同じ飲み屋の常連とかならOK」(30代女性)という意見もあり、お気に入りのお店やスポーツ観戦のような趣味の場でのナンパには好意的なことがわかります。

 この一方で、「ナンパをしたことはある」と回答した人は男性で41.7%、女性で6.9%と低い割合にとどまっています。実は、ナンパはするよりされることを望む人のほうが多い様子。女性の回答には「自分からはしないけど声をかけられたら悪い気はしない」という意見が散見されており、男性からも「自分がするのは無理だけどされたら嬉しいと思う」(20代男性)という意見があります。場所やタイミングを見誤らなければ、ナンパは意外と成功するのかもしれません。

もちろんメリットもデメリットもある

 ナンパから始まった恋愛は、好みのタイプと恋愛できるというメリットがあります。どんなに内面がすばらしい人でも、外見が生理的に無理ならやはり恋愛は難しいもの。そもそも人間は五感から得るファーストインプレッションで、結婚の成否まで判断しているといわれます。その点では、第一印象で声をかけるナンパは理にかなっているともいえますね。

 また、長続きしなかったとしても後腐れなく別れられるのもメリットといえます。職場や学校が同じ人と恋愛関係になると、別れたあとも顔を合わせなくてはならないので悩ましいですよね。しかしナンパから始まった恋愛なら、別れたあとのあれこれを心配する必要はないのです。

 しかし当然ながら、デメリットもあります。なんといってもナンパができるタイプの人は恋愛に積極的なうえに行動力があるので、他に好みの人を見つけたらすぐに浮気する可能性があります。また、誰でもいいから付き合いたいと考えてたくさんナンパしている可能性もあり、どれくらい本気なのかわかりづらいのもデメリットでしょう。

 ナンパから始まった恋愛で幸せになれることもありますが、傷つく可能性があることも忘れないようにしてください。言われるがままついて行ったら悪質なマルチ商法に引っかかってしまうこともあります。本当に好みや趣味が合う人なのか、深入りしすぎないで見極める冷静さが大切です。

<参考サイト>
・ラブサーチ ナンパから始まる恋
https://lvs.jp/contents/cnt_11.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?

今井むつみ先生が2024年秋に発刊された岩波新書『学力喪失――認知科学による回復への道筋』は、とても話題になった一冊です。今回、テンミニッツ・アカデミーでは、本書の内容について著者の今井先生にわかりやすくお話しいただ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/16
2

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち

たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
3

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯

ピアニスト江崎昌子氏が、ピアノ演奏を交えつつ「ショパンの音楽とポーランド」を紹介する連続シリーズ。第1話では、すべてのピアニストにとって「特別な作曲家」と言われる39年のショパンの生涯を駆け足で紹介する。1810年に生...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/03/16
江崎昌子
洗足学園音楽大学・大学院教授 日本ショパン協会理事
4

中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う

中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う

クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か

近年、アフリカで起こったクーデターは、イスラム過激派の台頭だけではその要因を説明できない。ではクーデターはなぜ起こるのか。また、台湾よりも中国のほうがクーデターが起こる可能性はないのか。クーデターは本当に「ラス...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/18
上杉勇司
早稲田大学国際教養学部・国際コミュニケーション研究科教授 沖縄平和協力センター副理事長
5

最近の話題は宇宙生命学…生命の起源に迫る可能性

最近の話題は宇宙生命学…生命の起源に迫る可能性

未来を知るための宇宙開発の歴史(13)発展する宇宙空間利用と進化する技術

技術の発達・発展により、宇宙空間を利用したさまざまなサービスが考え出されている。人間の環境を便利にするものであり、また攻撃技術にもつながるものであるが、さまざまな可能性を秘めている。さらに宇宙空間の利用は、天文...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/10/19
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士