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DATE/ 2019.04.09

「離婚しやすい」夫婦の特徴は?

 籍を入れないカップルも多いと聞きますが、人口動態統計をみても婚姻件数は年々減少傾向にあります。婚姻件数とパラレルに離婚件数も減少傾向にあるのですが、3組に1組のカップルが離婚するといわれているのが日本の現状です。そこで、今回は離婚しやすいカップルのパターンについて調べてみました。

離婚しやすい夫婦と円満夫婦の差は?

 2017年11月に公表された明治安田生命の調査によると、平日における夫婦の会話平均時間は98分。円満夫婦の平日の会話時間は平均「113分」で円満でない夫婦と約3倍の開きがあったとのこと。離婚しやすい夫婦とは喧嘩以上に、会話の少なさやすれ違いにあることが見て取れます。思いやりを持って、感謝の気持ちを伝え合ったり、休日は家族の時間を大切にするなど、夫婦円満のために気をつけていることを怠ると離婚のリスクは高まるといってよいでしょう。

 また、離婚歴のある人の8割は結婚式を挙げてないという事実が2016年アニベルセルの調査で報告されています。若い世代ほど「結婚式離れ」の傾向がありますが、「結婚式」を挙げることは離婚率の低下につながることは知っておいてよいでしょう。結婚が本人同士の関係ではあるものの、社会的に宣言しておくことで、問題が起きたときに離婚を思いとどまらせる防波堤になるようです。

離婚理由で多いのは?

 リクルートブライダル総研による「離婚に関する調査2016」によると、離婚理由の上位5項目は、

「価値観の違い」
「人生観の違い」
「性格の不一致」
「金銭感覚の違い」
「夫婦の会話がない」

予想通りでしょうか。
離婚理由で女性の方が高く、男女差が大きい上位3項目としては、

「【相手が】育児に協力的でない」
「【相手の】借金」
「【相手が】家事に協力的でない」

とあります。離婚経験者は、周囲に離婚経験者がいる割合が高く、離婚を望んでいた割合は男性よりも女性の方が高く、6割を超えることが報告されています。

妻が離婚を考える夫の職業とは?

 離婚理由で、あげられている「価値観の違い」「金銭感覚の違い」「夫婦の会話がない」、これらは、配偶者の仕事環境が大きく影響することとして推察されます。

 2018年5月に公開されたリスクモンスター株式会社の調査報告「離婚したくなる亭主の仕事」によると、夫の仕事に対する妻の不満は、年収 400 万円未満の低所得層と年収 1,500 万円以上 の高所得層の家庭において高く、中間所得層の家庭において不満が低いこと。

 業種別に「夫の仕事に対する満足度」を集計したところ、「離婚意識」においても高い回答率となったのは、「農業」、「建設業」、「食品製造業」、「不動産業」、「飲食店、宿泊業」、「医療、福祉」です。

 また、ブラック企業意識も高く、理由としては「給料 が低い」(回答率 68.7%)、次いで「残業が多い」(同 48.3%)、「休みが少ない」(同 26.5%)という構成になっています。

 仕事が原因で離婚したいと考えている妻が 10 人に1人以上いるという事実を踏まえ、夫婦の関係や家族について、あらためて見直してみるのがよいのではないでしょうか。

<参考サイト>
・明治安田生命:「いい夫婦の日」に関するアンケート調査を実施!
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2017/pdf/20171116_01.pdf
・アニベルセル:離婚率に影響も?!既婚男女600人に大調査! 「あなたは結婚式を挙げましたか?」
https://www.anniversaire.co.jp/brand/pr/soken1/report30.html
・ブライダル総研:離婚に関する調査2016
http://www.recruit-mp.co.jp/news/pdf/20160706_01.pdf
・リスクモンスター株式会社:「離婚したくなる亭主の仕事」
https://www.riskmonster.co.jp/rm-research/pdf/20180525.pdf
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