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DATE/ 2019.07.29

世の中の平均「年収400万円台」の人の貯金事情

 平成29年(2018年)の国税庁の発表資料によると、民間の事業所が支払った一人あたりの給与平均は432万円です。給与階級別分布では300万円超400万円以下の割合は17.5%と最も多く、次いで200万円超300万円以下が15.8%で2番目、400万円超500万円以下が14.8%で3番目に多い割合となっています。また比率をみるとおよそ7割が年収500万円以下となっています。ここでは、主に年収400万円台を中心に、貯蓄の状況まで含めて詳しく見てみましょう。

女性の9割は年収500万円以下

 男女別に給与階級別給与所得者数を見てみます。女性で最も多い給与階級は100万円超200万円以下で23.6%、次いで200万円超300万円以下が21.7%、300万円超400万円以下が17.1%で3番目、100万円以下が15.9%で4番目、400万円超500万円以下は10.4%で5番目という結果です。これら年収500万円以下の割合を合わせると88.7%となります。

 一方、男性で比率の最も高い階級は300万円超400万円以下の17.8%、次いで400万円超500万円以下で17.7%、500万円超600万円以下が13.3%で3番目に多く、200万円超300万円以下が11.8%で4番目です。男性の場合、年収500万円以下の割合は57.2%となっています。

 男女の格差は歴然としています。100万円以下および100万円超200万円以下となると多くの場合パートタイム労働ではないでしょうか。データを見る限り女性の場合、結婚して退職しその後パートに切り替えて働く割合が多い、ということかと思われます。

年収400万円台の平均貯蓄金額は600万円前後か

 貯蓄の状況を見てみましょう。2018年にリクナビが行った調査では、年収400万円台のボーナスの平均額は74.3万円、月収の平均額は28.2万円で、平均預貯金額は591万円です。また、知るぽると(金融広報中央委員会)の調査で、収入が300万円から500万円未満の区分けの貯蓄額を見ると、全国平均で609万円となっています。このあたりを総合すると、おおよそ年収400万円の人の貯蓄額は、600万円前後を平均と見ていいのではないでしょうか。

 また知るぽるとの調査で興味深い点は、この区分けで金融資産非保有者が22.7%いる点です。これは20代が34.8%と最も多いです。20代は独身も多いので、貯蓄に意識が向かないことも分かります。しかし、次に多いのは40代の22.8%という結果です。なぜ40代で金融資産非保有者が増えるのか、という点についてはもう少し精査が必要です。しかし、現在のこの世代が就職する際に就職氷河期だったことと関連付けた分析も出ています。

 一方、リクナビの調査では、年収400万円台で働く人の6割弱は収入に不満を感じておらず、4人に3人は「とても満足」「満足」「不満はない」と回答しています。「不満を感じていない」理由としては「残業がない」という声が多いとのこと。「お金」よりも「時間」を優先させるという考え方が一般化してきていると言えるかも知れません。

年収400万円の月給手取りは21万円。

 もう少し詳しく見てみましょう。同調査に掲載されているケース(年収416万円、42歳男性、理学療法士)では、基本給231,700円で、時間外手当や通勤手当、資格手当などを合わせた総支給額が268,236円、ここから健康保険や年金雇用保険や税金を引いた月給の手取りは209,428円となっています。手取りとしては意外と少ない印象です。しかし、ポイントはボーナスです。このケースでのボーナスは年間100万円となっています。

 このボーナスの有無が貯蓄を大きく増やす一番のポイントかも知れません。毎月の手取りだけで生活していれば、ボーナスは基本的に貯蓄にまわすことができます。平成 29 年(2018年)分の国税庁の発表資料(民間給与実態統計調査)での平均賞与は68万円(男性87万円、女性40万円)です。リクナビの調査では、年収400万円台のボーナスの平均額は74.3万円でした。ちなみに、日経新聞の調査(2019年7月1日)によると上場企業などを中心とした580社での2019年6月末のボーナス支給額の平均は83万9844円となっています。

貯金の形、二人以上世帯では積立保険が最多

 貯蓄の形を見てみましょう。知るぽるとのデータで世帯収入が300万円から500万円未満の二人以上世帯の場合、積立型保険商品(生保・損保)を保有している割合は56.2%、以下、個人年金保険24.8%、株式18.2%、投資信託12.1%、いずれも保有していない世帯は1.0%となっています。一方、単身者世帯では、世帯収入が同じく300万円から500万円未満の場合、積立型保険商品(生保・損保)を保有している割合は26.5%、以下、個人年金保険23.9%、株式23.7%、投資信託18.2%、いずれも保有していない世帯は2.3%となっています。単身世帯のほうが、積立型保険の割合が減り、株式や投資信託といったよりリスクを取る形で貯蓄をしている事がわかります。

男女、正規・非正規の格差は大きい

 一人あたりの給与平均432万円でしたが、男女別に見ると、男性532万円、女性287万円となっています。前年度比で見ると、男性は2.0%増、女性は2.6%増という結果でした。正規・非正規で見ると正規の給与平均は494万円。非正規は175万円となっています。2018年は若干増えましたが、男女の格差、正規・非正規の格差はかなり大きい状況かもしれません。

<参考サイト>
・平成29年分 民間給与実態統計調査 ―調査結果報告―(PDF)|国税庁 長官官房 企画課
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2017.htm#a-01
・家計の金融行動に関する世論調査│知るぽると
https://www.shiruporuto.jp/public/data/movie/yoron/
・年収400万円正社員の月収や手取り、貯金額は?|リクナビNEXT
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/9878/
・夏のボーナス0.37%減、7年ぶりマイナス 本社調査 |日経新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47179320Q9A710C1MM8000/
・「30~40代の4人に1人が貯金ゼロ」氷河期世代の現実に反響 「日本はもはや先進国でない」「子供部屋おじさんで貯金が正解」|キャリコネニュース
https://news.careerconnection.jp/?p=68487
(10MTV編集部)

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