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DATE/ 2019.08.26

コスプレに心霊スポット巡礼…攻めるタクシー会社とは?

 運転手がコスプレしてその役になりきる「忍者タクシー」や「黒子タクシー」、タクシーで心霊スポットをめぐる「心霊スポット巡礼ツアー」、新撰組のゆかりの地をめぐる「THE 新撰組ツアー」など、タクシー会社らしからぬ、おもしろ企画を連発する三和交通をご存知ですか。YouTubeやニコニコ動画も駆使する一風変わったタクシー会社の魅力をお伝えします。

これがオレ流の新サービス

 三和交通は神奈川・東京・埼玉をメインエリアとしています。ホームページを覗いてみるとトップには「大切にしたいのは一期一会の心」。まじめな標語が掲げられており、一見するとよくあるタクシー会社のように見えます。

 ところが、少しスクロールすると「PICK UP CONTENTS」とあり、ホラー漫画を思わせるおどろおどろしいイラストとともに「三和交通タクシーで行く心霊スポット巡礼ツアー2019」の広告。「心霊スポット巡礼ツアー」は「横浜」「多摩」「凍京」「不死身野」のエリアを選択することができ、料金は約1万円から4万円ほど。長時間のコースはオールナイトです。(2019年8月時点)

 その他、「バレンタイン占いタクシー」「これがオレ流の新サービス」「超脱臭絶対クサくないTAXI」など、冒頭で紹介したようなおもしろ企画がズラリと揃っています。

一風変わったサービスの目的は

 三和交通はきわめて珍しいメディア力のあるタクシー会社です。忍者タクシーや心霊スポット巡礼ツアーなどの話題性の高い企画づくりに加えて、YouTubeやニコニコ動画といったウェブメディアも積極的に活用し、幅広い年代層から支持を得ています。

 先ほどご案内したホームページも一目で企画の魅力が伝わるデザインになっています。良いものを「つくる」だけでなく、いかに「伝える」かに重きを置いているのでしょう。

それにしても、上記のような一風変わったサービスの目的は何か。「Business Journal」の記事によると、「もちろん、お客様に楽しんでいただきたいという思いもありますが、実はこういった取り組みは、社員採用のプロモーションという目的が一番大きいのです」と三和交通の広報・眞壁広貴さんは答えています。結果として「採用活動という面でのメリットは当初の想定以上に出ています」とのこと。

達人ドライバー・熟練ドライバー制度

 「達人ドライバー・熟練ドライバー」というサービスもあります。「達人ドライバー」は、社内で知識や接遇面において優秀と認められた者、「熟練ドライバー」は3年以上の乗務経験と知識や接遇面において一定の条件を満たした者を指します。認定されたドライバーの車両には「達人ドライバー」「熟練ドライバー」のシールが貼ってあります。

 「達人」と「熟練」のどちらかを指定することはできませんが、無線センターに電話する際に「達人・熟練ドライバー指定」と伝えると手配できます。指名料は310円です。

 この価格なら試してみようかなという気になりますね。「プロフェッショナル」など横文字ではなく、「達人」「熟練」というネーミングにしている点もグッとくるポイントではないでしょうか。タクシードライバーの職人っぽさとマッチしています。

タートルタクシーはグッドデザイン賞

 亀のアイコンが可愛い「タートルタクシー」は、2014年度グッドデザイン賞特別賞「未来づくりデザイン賞」を受賞しました。「今はそんなに急いでないよ」というお客さんのために「タクシーにゆっくり乗る」という新しい乗り方を提案しています。ゆっくり運転することは、エコドライブであり、環境にも優しく、乗り心地も快適です。

 いま、ITやAIの登場により、産業構造が大きく変化し、斜陽と言われる産業が続出しています。そんななかで、三和交通は独自の戦略で人手不足を打破し、新たな需要を獲得しました。どんな状況でもかならず突破口があることを示しています。

 大事なことは常識にとらわれない自由。そして、失敗を恐れずにトライしてみること。何事にも通じる教訓です。マインドセットを見直すはじめの一歩に、三和交通の「心霊スポット巡礼ツアー」にトライしてみるのはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・三和交通
https://www.sanwakoutsu.co.jp/
・忍者タクシーやSP風TAXIが人気急騰!乗ってみたら“クオリティの高さ”に驚愕!│Business Journal
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25447_3.html

(10MTV編集部)

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