テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.03.05

「無くなってほしい世の中の風潮」アンケート結果

 毎日の暮らしの中で、時勢の変化、世間の風潮に違和感を覚えることがあると思います。時代は変化していくものですが、「最近のこの風潮は無くなってほしい」、「定着してほしくない」と感じるものもあるはずです。

 そこで今回は20~50代の男女30人に、「無くなってほしい世の中の風潮」についてアンケート。多くの人が「無くなってほしい!」と感じながらも、最近の世の中の傾向として目に余る事象をピックアップしていきます。

もうやめよう! 最近のこんな風潮に異を唱えたい。

1・デマを鵜呑みにして拡散する人が増えている
 噂の根拠や信憑性など、リソースを確認しないでデマが拡散されるという事件が後を絶たない昨今。マスコミ発信の虚偽報道もありますが、個人間でもSNSの発達に伴いフェイクニュースをまき散らして大問題になることも増えています。「よくSNSなどで”さっきの情報はデマらしいので消しました”という書き込みを見かけますが、そろそろ気づけよと思います」(47歳男性)、「ニュースやネットの情報が全て正しいと疑いもしない感覚が蔓延している」(31歳女性)という声が集まりました。

2・イケメン〇〇、美人過ぎる〇〇という言い回し
 「新進気鋭のアスリートやアーティストが出てくると、その才能や努力よりイケメンだとか美人だとか、そんなコピーばかりつけるのはもう飽き飽き」(27歳女性)、「イケメンって言っとけば喜ぶだろう、注目するだろう、そんな女性達の感性を舐めた雰囲気は無くなってほしいです」(35歳女性)など、まずルックスの良さを協調するメディアの手法や風潮に、多くの女性達から批判が集まりました。美男美女は相変わらず人気ですが、そこを協調し過ぎると古臭いイメージになりつつあるのかも。

3・「不謹慎」「自粛しろ」という空気読めムード
 痛ましい事件や災害が起きた時、そうとは知らずタイミング悪く楽しげな様子をネット等にアップする著名人に対して、「不謹慎」「自粛するべき」とバッシングで炎上することも増えています。「人が楽しんでいるのを罰するような声が高まるのは怖い」(40歳女性)、「空気を読むのが正義みたいな風潮を感じる。悪意がないことに対しても不謹慎と騒ぎ過ぎ」(38歳男性)など、不適切に感じた他人の行動をすぐ非難する傾向も無くなってほしい風潮のひとつのようです。

4・過熱しては消えていくインスタ映えフード
 「タピオカ、タピオカ、ってタピオカ屋ばかり増えている風潮。皆が皆、同じ物を食べたいのが気持ち悪い」(29歳女性)、「インスタ映えする食べ物の行列に並んで、買ったら一口食べて写真撮って捨てる。そんな目的の食べ物やスイーツの流行は無くなってほしい」(40歳男性)、こんな声もいくつか聞かれました。ナタデココやパンケーキ、山のように積まれたローストビーフ丼など色々な流行がありましたが、皆が食べているから…というような最近の食文化の衰退を案じる年輩の方も多くいました。

5・「日本終わった」「日本死ね」自国へのネガティブ発言
 日本の政策に不満を持っている人なら、このまま日本はどうなってしまうのと思っている人も多いはず。しかし「日本はもう終わった」とか「日本死ね」という言葉が蔓延する状況に異を唱える声も。「正直未来に不安はありますが、自分も日本の一部。自国を否定して終わりじゃ、無責任」(50歳男性)、「日本はダメだ、って受け身な被害者面で言う人も多いけれど、自分だって”日本”なんだよ、と気づいてほしい」(42歳男性)、こんな厳しい声も寄せられました。

情報が「世の中の風潮」を生み出していく?

 皆さんも、同じように無くなってほしい世の中の風潮がありましたか?その他には、「不倫に対するバッシング報道が過剰になりつつある風潮」、「悪事をはたらいても、死んだら美談ばかりする風潮」、「まるで自警団のように不適切なことをした個人を特定してネットに晒す風潮」なども挙げられました。

 これらの声や上記の5つを並べてみると、SNSなどのメディア上での人々の言動に関するものや影響を受けているものが多く、最近の世の中の風潮は「ネット」という社会から育っていくという側面も否定できない事実です。情報をどう扱い、受信し、発信していくか。ひとりひとりが情報を介して世の中の流れを作っていることを、今こそ意識してみるべき時なのかもしれませんね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長

米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長

経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力

人が成長していくために重要な経験学習。その学習サイクルを適切に回していくためには、「経験から学ぶ力」が必要になる。ではそこにはどのような要素があるのか。ストレッチ、リフレクション、エンジョイメントという3要素と、...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/17
松尾睦
青山学院大学 経営学部経営学科 教授
2

日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い

日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い

続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担

国民の税負担を増やすか、政府の財政支出を増やすか。前回の講義《日本人の「所得の謎」徹底分析》に続き、見解の分かれる日本の財政に関する議論を今一度整理し、見通しを与える当講義。まずは日本の財政と国民の負担の現在地...
収録日:2025/07/10
追加日:2025/09/17
養田功一郎
元三井住友DSアセットマネジメント執行役員 YODA LAB代表 金融・経済・歴史研究者
3

地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か

地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か

海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ

海底はどうやってできるのか。なぜ火山ができるのか。プレートが動くのは地球だけなのか。またそれはどうしてか。ではプレートは海底の動きの全てを説明できるのか。地球史規模の海底の動きについて、海底調査の実態から最新の...
収録日:2020/10/22
追加日:2021/05/02
沖野郷子
東京大学大気海洋研究所教授 理学博士
4

外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか

外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか

外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い

外交とは国益を最大化しなければいけないのだが……。35年にもわたる外交官経験を持つ小原氏が8年がかりで書き上げた著書『外交とは何か 不戦不敗の要諦』(中公新書)。小原氏曰く、外交とは「つかみどころのないほど裾野が広い...
収録日:2025/04/15
追加日:2025/09/05
小原雅博
東京大学名誉教授
5

「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味

「国際月探査」とは?アルテミス合意と月探査の意味

未来を知るための宇宙開発の歴史(9)宇宙開発を継続するための国際月探査

現在の宇宙開発は「国際月探査」を合言葉に掲げている。だが月は人類の移住先にも適さず、探査にさほどメリットがない。にもかかわらずなぜ「月探査」が目標として掲げられているのか。それは冷戦後、宇宙開発の目標を失った各...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/16
川口淳一郎
宇宙工学者 工学博士