社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2019.11.11

転職の狙い目は〇月?データから見える傾向は?

 新卒入社は大多数が4月入社ですが、中途の場合は1月から12月までどの時期の入社もあります。では、転職をするならどの時期が一番良いのでしょうか?

転職市場が活発になる時期は…

 スタッフの中にはこれまで2回転職を経験している者がいます。そのスタッフの話ですが、そのうち1回は4月入社で、従業員数1万人を超える企業だったため、4月の中途入社者数は100人以上いて驚いたそうです(同時に入社した新卒社員はその数倍いたそうですが)。

 転職エージェント・アクシス株式会社の末永雄大氏は自社サイト「すべらない転職」で「転職市場が活発になるのは上半期、下半期の初月にあたる4月、10月の時期」だと説明しています。3月、9月に退職者が増えるので、その補充として4月、10月の中途入社が増えるというわけです。年度末、半期末に退職者が多く、4月、10月に中途入社が多いな、と感じている読者の方も多いのではないでしょうか。末永氏は中でも特に10月がおすすめ、と主張しています。なぜなら人事のスケジュールに空きがあるから。エージェントとしての経験があるからこそ出てくる観点ですね。

 転職サイトを手掛けているIndeed Japanは、サイトの検索数というデータから『「仕事探しの時期」に関する調査』で転職に適した時期を分析しています。代表的な5つの職種(営業・マーケティング・経理・人事・事務)が最も多く検索されているのは3月、次いで4月とのことで、この点では末永氏の分析と共通しています。それに対し、求人検索割合が最も少ないのは12月。一方で実は求人倍率は12月が最も高いというデータがあります。つまり、職を探している人は相対的に少ないものの、供給は多いという穴場になっているのです。

12月=穴場のトレンドは続く?

 リクルートやソフトバンクのように通年で新卒採用をする企業も少しずつ増えてきていますし、日系企業と違い1月から会計年度が始まる外資系企業の場合もまた上述したケースには当てはまりませんが、それでもまだ大多数の日本の企業は4月に新卒採用を行うというリズムで動いているのは事実。全体的なサイクルとしては、12月が穴場というトレンドは続きそうです。例外として、「12月が穴場」という情報が誰でも知っている常識となってしまったら、12月を狙う求職者が増えて穴場ではなくなってしまうかもしれませんね。

<参考サイト>
・転職は10月入社がベスト?転職のプロが理由やメリットを解説! | すべらない転職
https://axxis.co.jp/magazine/22146
・Indeed Japan 求職者の「仕事探しの時期」に関する調査を実施 ~求人検索をする求職者が最も多いのは3月、転職に向けた検索の”狙い目“は12月~|Indeed Japan株式会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000028842.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質

深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質

中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景

チベット、内モンゴル、新疆ウイグルなど、少数民族に対する深刻な人権侵害をめぐって欧米諸国から強い批判を浴びている中国。しかし、こうした人権問題は今に始まったことではない。中華人民共和国建国の経緯と中国共産党の思...
収録日:2021/10/15
追加日:2021/12/24
橋爪大三郎
社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授
2

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害

内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害

高度成長のために頑張った日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の評価を得たが、その後の日本企業の凋落、競争力の低下を考えると、その弊害を感じずにはおられない。読書人口が減っている現状をみると、いつのまにか「世界...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/12/01
3

プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性

プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性

プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義

プロジェクトマネジメントが世界的に普及し始めたのは1990年代。ソフトウェア産業の発展とともに拡大を続け、時代のニーズを受けて多くのシーンに定着してきた。今回は、その基本に立ち返り、国際標準をもとに、プロジェクトと...
収録日:2025/09/10
追加日:2025/12/03
大塚有希子
法政大学専門職大学院イノベーションマネジメント研究科准教授
4

質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?

質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?

歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために

歴史上の出来事の本質を知るには、その真贋を見定めなければいけない。そのためにはどうすればいいのか。記述の異なる複数の本がある場合、いかにして真実を見極めるか。また、司馬遼太郎の作品が「歴史事実」として認識されて...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/12/02
5

ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係

ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係

熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か

お酒やコーヒーなど世の中には睡眠に良くないのではないかといわれるものがある。また、現代においては特に、スマホの「ブルーライト」が睡眠には大敵だといわれているが、それらは本当に悪者なのか。一般に良い睡眠を妨げると...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/30
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授