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DATE/ 2020.01.09

「完全予約制」の客側のメリットは?

 カフェ、パン屋、ケーキ屋、焼肉屋、料亭。このほか、完全予約制の食べ物屋さんにはいろいろとバリエーションがあることを知っていましたか。

 やや敷居が高いと感じる方もいるかもしれませんが、完全予約制には、ならではの様々なメリットがあります。どんなお店やサービスがあるのかなど、完全予約制の魅力を探ります。

コストを想定できる反面、利益も想定内

 完全予約制にはどんなメリットがあるのでしょうか。お店側の立場から考えてみましょう。第一に言えるのは、無駄の削減です。販売量が予測できるために、食品ロスを削減できます。フードロスを減らすことができるので、これはお店側だけでなく、環境にも優しい方法です。

 ただし、完全予約制はコストを想定できる反面、利益も想定の範囲内におさまりやすく、なかなかビッグビジネスにはつながりません。そもそも、完全予約制は、予約してでも欲しいと思わせる商品を開発する必要があり、どのお店にでもできることではありません。

「簡単」「便利」か、「プレミア」「限定」か

 次にお客さんサイドの視点から考えてみましょう。まず、予約できれば必ず手に入るというのは大きなメリットです。ただし、完全予約制の場合、個数や席数が限定されている場合が多く、予約できるかどうかは分かりません。

 また、予約という面倒な手続きが必要で、気軽に入手できないのはお客さんにとっては不便なこと。他方、気軽に手に入らないからこそ、手に入れた時に大きな喜びが得られるのも確かです。

 「簡単」「便利」で得る喜びと、「プレミア」「限定」を得た時の喜びは質的に異なります。「簡単」「便利」はお客さんのメリットは大きいものの、それに慣れてしまうのも早く、快感を持続してもらうのが難しいものです。

 一方、「プレミア」「限定」は満足度を持続させることができます。でも、あまりお店側の都合ばかり優先していると、当然ながらお客さんは離れてしまいます。お客さんもお店側も満足できるウィンウィンの関係を構築するのはそう簡単なことではありません。

あの食べ物の完全予約制

 さて、クリスマスケーキやおせち、恵方巻きなど、こだわった行事食を完全予約制にするケースはよく見られます。皆さんも利用したことがあるのではないでしょうか。また、料亭や焼肉屋など高級料理店は完全予約制だったり、イチゲンさんお断りなんてことも多々あります。

 ちょっと意外なジャンルでは、たとえばラーメン屋。恵比寿にある「GENEI.WAGAN(ゲンエイワガン)」は完全予約制です。しかも予約制なだけではなく、会員制になっており、イチゲンさんお断り。メニューは月替わりのフルコースのみというこだわりっぷり。

 東大阪市花園にある「ら道本店」も完全予約制のラーメン屋です。1日最大3組まで。もともとは1日1組限定でした。「ら道本店」は実はラーメン屋というより、メインは「らーめんスープ通販専門店」。スープは月に1回、店頭販売も行なっています。「GENEI.WAGAN」も「ら道本店」も、もちろん予約待ちは必須です。

 本屋さんや家具屋さんなど、食べ物以外にも完全予約制のお店はあります。完全予約制のお店は何かしら強いこだわりを持っていて、それがお店の個性であり魅力になっています。インターネットでたくさん情報が得られるようになった今、買う側もトコトンこだわったショッピングができるようになりました。

 読者の皆さんも何かひとつこだわって、完全予約制のお店を訪ねてみてはいかがでしょうか。こだわり抜いて探し求めていたものに出会えた時、かけがえのない喜びを得られるはず。これがお客さんの最大のメリットでしょう。
(10MTV編集部)

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