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DATE/ 2020.01.19

「バブル世代」とは一体どんな世代だったのか?

 令和元年にはいってから、大企業と呼ばれるいくつかの会社では管理職を中心に早期退職の募集を始めています。そのターゲットになっているのが現在50代となったバブル入社世代です。

 「お気楽に好き勝手ばかりしてきた世代だから使えない」と烙印を押されてしまったバブル入社世代。

 企業としては、余力のある段階で、退職金の割増額を多くしてでも、早期・希望退職を進めておきたいと考えているようです。

 では、「バブル入社世代」とは一体どんな世代だったのでしょう?

バブル入社世代とは

 バブル景気は、期間として1986年11月から1991年2月まで。バブル入社世代とは、有効求人倍率上、売り手市場であった1987年から1992年に高卒、専卒、大卒、院卒からの求職世代とみることができます。

 この時代、空前の好景気をうけて事業を拡大・展開し業績を拡大するべく、各社しのぎを削って高卒大卒を問わず人員募集数を拡大しました。結果、企業の求職人数は就職希望者を大幅に上回り、ある程度の大学であれば上場企業にはいることも容易で、トップレベルの大学であれば、入社前から接待攻勢など囲い込みされることも少なくありませんでした。裏を返せば、個人の実力評価することなく、大量の人員の確保に走った時代といってよいでしょう。

バブル入社世代の特徴は

 2019年時点で、50代となる「バブル入社世代」は大きく二つの世代に分けることができます。幼少期が日本の高度経済成長期と重なり、テレビやマンガに影響を受けた1960年から1964年生まれで「新人類」といわれた世代。そして、バブル景気の影響下、企業の大量採用期に社会人となった、1965年から1970年生まれの世代です。

 この世代の特徴としては、対外的な人当たりが柔らかく、世渡り上手。コミュニケーション能力は高いが、自分の評価にセンシティブで、劣等感を持ちやすく、「見栄っ張り」の気質があると言われています。

 戦中世代や戦後のモノ不足を知る世代からは、「忍耐力がない」「甘えている」「常識が通じない」と評価されることも。

 消費行動に関わる価値観としては、ブランド志向が強く、遊びにもセンスを求め、貯蓄よりも消費する傾向が認められています。結果、『昭和40年男』というメディアが成立していることからも、嗜好性のあるクラスターとして知られているところです。

バブル入社世代の今後

 「モーレツ社員」として知られる団塊の世代や、それ以降の「就職氷河期」世代の狭間で、会社を去っても、再就職の目処が立たず、会社に残ってもお荷物扱いと、散々な状況ではありますが、連帯できる同期の多さと鍛え上げた遊び心で、第三の道を見出していただきたいところです。

<参考サイト>
・現代ビジネス:50代は不要…!大企業でいよいよ「バブル世代切り」が加速し始めた
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68441
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