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日本一「低い山」はどこにある?
日本一高い山は言わずと知れた富士山です。では、日本一低い山は?と訊かれればどうでしょう。すぐに答えられる人はそういないかもしれません。そもそも「山」の定義とはなんなのでしょうか。
ちなみにどちらも人工の山です。「大阪・天保山」は1831年ごろに大阪湾に注ぐ安治川の工事で出た土砂を積み上げて作られたもの。「仙台・日和山」も明治後期に作られたものです。自然の山としてのトップは「徳島・弁天山」で6.1メートル。どの山も毎年しっかり山開きが行われています。
国土地理院は明言していない
日本の地理について公的なデータを発表するのは国土地理院です。ということで早速、国土地理院のサイトを見てみると「国土の情報に関するQ&A」というところに記載がありました。ここでの「日本で一番低い山、高い山を教えてください」という質問に対する国土地理院の回答は「日本で一番低い山、高い山として公表はしていません」とのこと。数値として簡単に出せそうなものですが、これはどういうことでしょうか。地理院地図に斜体で表記されていれば「山」
他の情報にあたってみたところ、日本一低い山を名乗っている土地はいくつかあるようです。特に「大阪・天保山」「仙台・日和山」「徳島・弁天山」の3つが有力です。なかでも日本経済新聞の記事には「山」とは何かについて国土地理院が回答を述べています。これによると「具体的な山の定義はないが、地元自治体が地名として認識していることが掲載の基準。地理院地図に斜体で表記されているなら山です」とのこと。つまり、「山」の明確な定義はなく、あくまでその自治体が山として認識しているかどうかが鍵です。つまり、「山」の定義は一定の数値があるわけではなく、地域住民の意識や登録の状況に応じて変化します。このことが国土地理院としては「日本一低い山」と明言しない理由のようです。現在日本一低い山は「仙台・日和山」
こうしたことを踏まえて、現在もっとも低い山は「仙台・日和山」です。標高は3メートル。この山は平成3年にも6.05メートルの「日本一低い山」とされましたが、平成8年に「大阪・天保山」が4.53メートルと地図に記載されたことで、いったん日本一の座を奪われています。しかしその後、東日本大震災の影響で現在の高さとなり、日本一を奪還したという経緯があります。思わぬ自然の影響によって、日本一低い山となったようです。この2つの山を確認したところ、どちらもしっかり斜体字で表記されています。ちなみに「大阪・天保山」があるのは海遊館や観覧車などがある海辺の娯楽スポット。とても山という印象はありませんが、やはり山なのです。ちなみにどちらも人工の山です。「大阪・天保山」は1831年ごろに大阪湾に注ぐ安治川の工事で出た土砂を積み上げて作られたもの。「仙台・日和山」も明治後期に作られたものです。自然の山としてのトップは「徳島・弁天山」で6.1メートル。どの山も毎年しっかり山開きが行われています。
<参考サイト>
・国土の情報に関するQ&A|国土交通省 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/kohokocho/FAQ2.html#Q2.9
・大阪・天保山 vs. 仙台・日和山 日本一低い山は?|日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53415230W9A211C1AA1P00/
・国土の情報に関するQ&A|国土交通省 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/kohokocho/FAQ2.html#Q2.9
・大阪・天保山 vs. 仙台・日和山 日本一低い山は?|日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53415230W9A211C1AA1P00/
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