社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
世界で最も「友達が作りやすい」国はどこ?
世界中の主要都市をつなぐコミュニティサイト「InterNations(インターネーションズ)」では、2014年から毎年、“Expat(エクスパット;海外駐在員)”を対象とした駐在国のアンケート結果を「Expat Insider(エクスパット・インサイダー)」を発表しています。
6年目の2019年版となる「Expat Insider 2019」では、2万人を超える海外駐在員が世界64カ国・地域を評価。総合評価ならびに評価軸となる5つの大インデックス「Quality of Life(生活の質)」「Ease of Settling In(落ち着きやすさ)」「Personal Finance(個人融資)」「Working Abroad(海外勤務)」「Family Life(家庭生活)」ごとの結果が発表されました。
「友達が作りやすい国・トップ10」「Expat Insider 2019」より)
1位:メキシコ
2位:フィリピン
3位:エクアドル
4位:ベトナム
5位:バーレーン
6位:ブルガリア
7位:コスタリカ
8位:ケニア
9位:コロンビア
10位:ポルトガル
また、4つの下位インデックス中の「Friendliness(親しみやすさ)」のトップ5は、1位:オマーン、2位:メキシコ、3位:ポルトガル、4位:台湾、5位:ベトナム――。同様に「Feeling at Home(自宅でのくつろぎやすさ)」のトップ5は、1位:ポルトガル、2位:メキシコ、3位:スペイン、4位:バーレーン、5位:エクアドル――とメキシコはどちらも2位となっており、全体としてもメキシコが高く評価されていることがわかります。
メキシコでは日常的にスペイン語が多用されており、世界的な標準言語ともいえる英語圏と比較しても不利であるにもかかわらず(そのためか「Language(言語)」は9位とトップ10内ではあるものの、他と比べると相対的に評価が低い)、そのような言語的なハンデをも超えた地元の方々の友好的で親切な態度が垣間見えます。アンケートに回答した海外駐在員も「メキシコ人のあたたかい態度が大好きです」といった内容の回答をよせているようです。
友達として人間関係を築き合っていくことと、親しみやすさやフレンドリーさといったより広範囲な人間関係や社会生活に作用する心持ちの違いがあり、どちらも時や場所に応じて、同じように大切な指標であるといえます。
なお、ボトム3カ国は64位デンマーク、63位:スウェーデン、62位:クウェート。日本は54位となっており、ぎりぎりワースト10ではないものの、ワースト10の次点となっています。メキシコやトップ10国に留まらず、他国との違いを透過させつつ一考してみると、多様な価値観の一端が、より実感できるかもしれません。
6年目の2019年版となる「Expat Insider 2019」では、2万人を超える海外駐在員が世界64カ国・地域を評価。総合評価ならびに評価軸となる5つの大インデックス「Quality of Life(生活の質)」「Ease of Settling In(落ち着きやすさ)」「Personal Finance(個人融資)」「Working Abroad(海外勤務)」「Family Life(家庭生活)」ごとの結果が発表されました。
友達が作りやすい国・トップ10
今回注目する「友達が作りやすい国」は、5つの大インデックス中の「Ease of Settling In(落ち着きやすさ)」の4つの下位インデックス「Finding Friends(友達の作りやすさ)」「Friendliness(親しみやすさ)」「Feeling at Home(自宅でのくつろぎやすさ)」「Language(言語)」のうち、「Finding Friends(友達の作りやすさ)」からうかがうことができます。早速トップ10をみてみましょう。「友達が作りやすい国・トップ10」「Expat Insider 2019」より)
1位:メキシコ
2位:フィリピン
3位:エクアドル
4位:ベトナム
5位:バーレーン
6位:ブルガリア
7位:コスタリカ
8位:ケニア
9位:コロンビア
10位:ポルトガル
「友達が作りやすい」国はメキシコ!?
首位に輝いたメキシコは、トップ10常連国でした(2018年・1位、2017年・2位など)。ちなみに、大インデックスの「Ease of Settling In(落ち着きやすさ)」のトップ5は、1位:メキシコ、2位:バーレーン、3位:マレーシア、4位:ポルトガル、5位:フィリピン――となっています。また、4つの下位インデックス中の「Friendliness(親しみやすさ)」のトップ5は、1位:オマーン、2位:メキシコ、3位:ポルトガル、4位:台湾、5位:ベトナム――。同様に「Feeling at Home(自宅でのくつろぎやすさ)」のトップ5は、1位:ポルトガル、2位:メキシコ、3位:スペイン、4位:バーレーン、5位:エクアドル――とメキシコはどちらも2位となっており、全体としてもメキシコが高く評価されていることがわかります。
メキシコでは日常的にスペイン語が多用されており、世界的な標準言語ともいえる英語圏と比較しても不利であるにもかかわらず(そのためか「Language(言語)」は9位とトップ10内ではあるものの、他と比べると相対的に評価が低い)、そのような言語的なハンデをも超えた地元の方々の友好的で親切な態度が垣間見えます。アンケートに回答した海外駐在員も「メキシコ人のあたたかい態度が大好きです」といった内容の回答をよせているようです。
「友達の作りやすさ」と「フレンドリー」の違い
ところで、「Expat Insider 2019」の興味深い点に、「Finding Friends(友達の作りやすさ)」と「Friendliness(親しみやすさ)」を別の指標としている点があります。友達として人間関係を築き合っていくことと、親しみやすさやフレンドリーさといったより広範囲な人間関係や社会生活に作用する心持ちの違いがあり、どちらも時や場所に応じて、同じように大切な指標であるといえます。
なお、ボトム3カ国は64位デンマーク、63位:スウェーデン、62位:クウェート。日本は54位となっており、ぎりぎりワースト10ではないものの、ワースト10の次点となっています。メキシコやトップ10国に留まらず、他国との違いを透過させつつ一考してみると、多様な価値観の一端が、より実感できるかもしれません。
<参考文献・参考サイト>
・Expat Insider 2019: Ease of Settling In Index | InterNations
https://www.internations.org/expat-insider/2019/ease-of-settling-in-index-39832
・「メキシコ」『日本大百科全書』(丸谷吉男著、小学館)
・Expat Insider 2019: Ease of Settling In Index | InterNations
https://www.internations.org/expat-insider/2019/ease-of-settling-in-index-39832
・「メキシコ」『日本大百科全書』(丸谷吉男著、小学館)
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
「何回説明しても伝わらない」「こちらの意図とまったく違うように理解されてしまった」……。そんなことは、日常茶飯事です。しかしだからといって、相手を責めるのは大間違いでは? いやむしろ、わが身を振り返って考えないと...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/11/13
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
「ワット・ビット連携」の概念がある。これは神経と血管の関係にも似ており、両者が密接に関係するところから、それをもとに人間の本質について考察していくことになる。また、中村天風の思想から着想を得て、人間の心には霊性...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/13
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
アメリカの大転換はトランプ政権以前に起こっていた。1980~1990年代、情報機器と金融手法の発達、それに伴う法問題の煩雑化により、アメリカは「ラストベルト化」に向かう変貌を果たしていた。そこにトランプの誤解の背景があ...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/11


