テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義 ログイン 会員登録
DATE/ 2020.11.11

「罰金」と「反則金」の違いとは?

 駐車違反や一時停止無視など、ついうっかりして「キップを切られた!」とあたふたしてしまう交通違反ですが、「罰金」と「反則金」の違いはあるのでしょうか。もしや払わないと、前科にカウントされてしまう? 交通違反の金銭ペナルティについて調べてみました。

交通違反の「罰金」「反則金」「違反金」の違い

 交通違反を起こしたときに支払わなければならないのは、「反則金」「罰金」「放置違反金」の3種類があります。

 反則金は、警察官に受けた取り締まりを事実と認め、刑事手続きをパスするために支払うお金。交通違反の大部分を占める軽微な違反については、この方式が適用されます。

 罰金が科せられるのは飲酒運転、無免許運転、超加速度の大幅な違反(一般道で30キロ、高速道路や自動車専用道路で40キロ)。この場合、反則金ではなく刑事手続き+罰金刑となります。

 つまり、「反則金」は法令違反ではあっても刑事手続きの対象とはなりませんが、「罰金」には「刑」がつくように、刑法に定められた刑罰の一つということです。

 もう一つの「放置違反金」は駐車違反について問われるものです。自分の車で駐車違反をして黄色いステッカー(放置車両確認標章)を貼り付けられた場合、警察に出頭すれば、運転していた人が反則金を払うことになります。これをスルーすると、警察から郵便で放置違反金の納付書が車の持ち主に送られます。金額は反則金と同じですが、車の持ち主に対するペナルティとなります。

 タクシー会社や運送会社の社用車、レンタカーなどの場合、たいていは運転していた人に対して通告がなされ、運転者本人が支払うことになりますが、最終的には車の持ち主が払うのが原則です。

前科としてカウントされるのか?

 3種類の金銭ペナルティのうち、前科を問われるのは「罰金」の場合です。たとえば平成30年、罰則付違反(反則金対象)として取り締まりを受けた件数は598万5802件。反則の範囲を超えた「送致事件」と呼ばれる罰金適用の件数は26万3376件で、交通違反全体の約4.4%となります。

 罰金刑のうち、ほとんどのケースは略式裁判により書類チェックだけで済ますことができ、法廷に立つ必要はありません。正式の裁判で起訴されるのは人身事故を起こしたケースや飲酒運転を常習的に摘発されたなど、よほど悪質な場合です。

 といっても罰金刑が問われるということは刑法上の罪なので、「前科」となるのは免れません。また、「反則金」逃れを続けていた場合も罰金刑相当となり、軽微な交通違反で前科がつくことになります。

 交通違反の前科は、他の前科と同様に犯罪歴として各機関に保管されます。罰金の支払い後5年で前科は消えますが、その期間中に罰金以上の刑を受けないことが必須です。

 なお、反則金を支払い、「点数」を引かれた場合の処分は「前歴」と呼ばれます。前歴は3年経過すればゼロに戻り、ゴールド免許を目指すこともできます。

青キップ、赤キップ?

 さて、交通違反については検挙するのが警察、法令違反として処遇するのが法務省となっているため、「反則金・罰金」「告知・送致」という2種類の用語が若干ややこしく感じられます。それを一目で見分けるのは「青キップ・赤キップ」です。

 駐車違反などの軽微な交通違反で、「反則金」について「告知」するのが「青キップ」で、法律的には民事の扱い、悪質性や危険性の高い違反として「罰金」刑を科せられるため「送致」されるのが「赤キップ」と覚えておくといいでしょう。

 なお、赤キップで送致された人が「罰金」刑ですまずに懲役刑や禁固刑を言い渡され、執行猶予もつかなかった場合、収監されるのは一般の刑務所ではなく「交通刑務所」になります。一般の刑務所のように鉄格子や高い塀に囲まれてはいないと言いますが、やはり体験したくない施設ですね。

<参考サイト>
・警視庁:交通違反について
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/torishimari/index.html

あわせて読みたい