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懐かしの「ガチャガチャ」にハマる大人たち
カプセルトイ=ガチャガチャ(バンダイの登録商標は「ガシャポン」。以下「ガチャ」で統一)人気が再燃していると言います。「ガチャ」がアメリカから日本に上陸したのは1965(昭和40)年。以来55年も根強い人気を保っているオモチャの自動販売機の魅力と最新トレンドについて、調べてみました。
70年代に入ると木型で作られた怪獣やスーパーカーのミニチュアフィギュアが主流になります。スーパーカーのミニチュアが文具の消しゴムとしての用途はないのに「カー消し」と呼ばれたのが、80年代に「キン消し(キン肉マン消しゴム)」や「ガン消し(ガシャポン戦士)」の誕生する土台となります。この頃のガチャは1回100円となり、「当たり・外れ」を超えたコレクション・アイテムとして第1次ブームを迎えます。
キン消し・ガン消しの大ヒットを受けて力士消しゴムやプロレスラー消しゴムが作られますが、90年代後半以降、ガチャは徐々に幅広い年齢層に向け品質を向上させていきます。1998年頃からは価格帯も200円、300円、400円と選べるようになり、第二次ブームへ。
2021年現在、値段別のバラエティとしては、昔ながらのファンシーリングや缶詰消しゴム(100円)、缶バッジやオリジナル・フィギュア(200円~)、キャラクター商品(300円~)、ダイキャスト製の管楽器や戦闘機などのマスコット、クリスタルライトボールシリーズは500円で販売されています。
2020年に大人気を集めた『鬼滅の刃』フィギュアはバンダイの「プレミアムガシャポン」で1回800円、さらに「ドラゴンボール」や「仮面ライダー セイバー」商品が1回1,500円で売り出し(それぞれ2021年1月、2月、3月を予定)とされています。
新時代ガチャの代表が、2010年に「シリーズ生きる 土下座ストラップ」で250万個、2012年には「コップのフチ子」シリーズで700万個を売り上げた奇譚クラブ。ここから「大人ガチャ」ブームに火がついたと言われます。「土下座ストラップ」や「コップのフチ子」、さらにタカラトミーアーツが発売したロダンのパロディ「考えない人」シリーズはSNSを通じて評判となり、「ネタ消費」という新語も生みました。
大人ガチャでは、面白い商品をSNS上で見つけて購入するアクションと、その後自分なりに使いこなしてSNSでアピールする二段階の楽しみがあります。「キン消し」や「ガン消し」の頃のような目的追求の熱さはなく、その場のノリで見つけたら軽く回してしまう。SNSを通じて玉突き状でファンが出現するため、「玉突き消費」とも呼ばれます。知り合いから知り合いへ、あっという間に国境を越えてしまうため、今やガチャは「クール・ジャパン」の一つの象徴にもなっています。
JRの駅構内などで期間限定の「ガチャ・フェア」が開かれることも多くなりました。ちょっとした時間つぶしにガチャはぴったり。定番や復刻版、最新のトレンドを求めて、大人も子供も一緒に遊べます。
一方で、高額商品の入った射幸性狙いのガチャとして注目されているのが「ギガッチャ」。高額商品として「任天堂スイッチ」などが入ったカプセルは、なんとボウリングの球並みの大きさ。1回のプレイ代は5,000円とされていましたが、最近では3,000円や2,000円で回せる店も出てきています。当たり外れが大きいだけに、回すのに勇気がいりますが、話のネタとしては有効。ハードの台数自体が限定された存在ですが、首都圏では新宿歌舞伎町や厚木での目撃情報があり、奈良、加古川、松本、金沢と意外な地方のゲームセンターでの展開も確認されています。
基本は200円程度で遊べるガチャ。あれこれ迷いながら1,000円使ってプチ散財気分を楽しむもよし、宝くじを買うつもりでギガッチャにつぎ込むのも、おとなガチャならではの「豪遊」ですね。
最初は「10円」、駄菓子屋の前からすべてが始まった
ガチャで何を思い浮かべるか。実は、年代によって違います。65年の上陸当初、駄菓子屋の店先に設置されたガチャには幼稚園から小学校低学年向けのミニ本やコマ、バッジにシールなどが入っていました。値段は10円か20円、1回100円のものはデパートの屋上などに設置された「豪華版」です。70年代に入ると木型で作られた怪獣やスーパーカーのミニチュアフィギュアが主流になります。スーパーカーのミニチュアが文具の消しゴムとしての用途はないのに「カー消し」と呼ばれたのが、80年代に「キン消し(キン肉マン消しゴム)」や「ガン消し(ガシャポン戦士)」の誕生する土台となります。この頃のガチャは1回100円となり、「当たり・外れ」を超えたコレクション・アイテムとして第1次ブームを迎えます。
キン消し・ガン消しの大ヒットを受けて力士消しゴムやプロレスラー消しゴムが作られますが、90年代後半以降、ガチャは徐々に幅広い年齢層に向け品質を向上させていきます。1998年頃からは価格帯も200円、300円、400円と選べるようになり、第二次ブームへ。
2021年現在、値段別のバラエティとしては、昔ながらのファンシーリングや缶詰消しゴム(100円)、缶バッジやオリジナル・フィギュア(200円~)、キャラクター商品(300円~)、ダイキャスト製の管楽器や戦闘機などのマスコット、クリスタルライトボールシリーズは500円で販売されています。
2020年に大人気を集めた『鬼滅の刃』フィギュアはバンダイの「プレミアムガシャポン」で1回800円、さらに「ドラゴンボール」や「仮面ライダー セイバー」商品が1回1,500円で売り出し(それぞれ2021年1月、2月、3月を予定)とされています。
大人もトリコにするガチャの魅力とは?
第2次ブームまではどちらかというと「男の子向け」に進化してきたガチャですが、21世紀に入る頃から「大人の女性が楽しめる」グッズの開発が進んでいます。設置場所としても、2006年に秋葉原に約500台のカプセルトイマシンが並ぶ日本初の施設として「秋葉原ガチャポン会館」が開店しました。新時代ガチャの代表が、2010年に「シリーズ生きる 土下座ストラップ」で250万個、2012年には「コップのフチ子」シリーズで700万個を売り上げた奇譚クラブ。ここから「大人ガチャ」ブームに火がついたと言われます。「土下座ストラップ」や「コップのフチ子」、さらにタカラトミーアーツが発売したロダンのパロディ「考えない人」シリーズはSNSを通じて評判となり、「ネタ消費」という新語も生みました。
大人ガチャでは、面白い商品をSNS上で見つけて購入するアクションと、その後自分なりに使いこなしてSNSでアピールする二段階の楽しみがあります。「キン消し」や「ガン消し」の頃のような目的追求の熱さはなく、その場のノリで見つけたら軽く回してしまう。SNSを通じて玉突き状でファンが出現するため、「玉突き消費」とも呼ばれます。知り合いから知り合いへ、あっという間に国境を越えてしまうため、今やガチャは「クール・ジャパン」の一つの象徴にもなっています。
JRの駅構内などで期間限定の「ガチャ・フェア」が開かれることも多くなりました。ちょっとした時間つぶしにガチャはぴったり。定番や復刻版、最新のトレンドを求めて、大人も子供も一緒に遊べます。
「ガチャガチャの森」と「ギガッチャ」の世界
2020年4月、池袋に日本最大規模の「ガチャガチャの森」がオープンしました。大人の女性をターゲットに、ハイクオリティな商品と圧倒的な品揃え、ガチャを楽しむ為の空間づくりにこだわったカプセルトイの専門店です。都内では3店舗目となる出店ですが、1240台という多種多彩なカプセルトイマシンが並ぶ店内は、まさに森のよう。毎月200種類ものアイテムが生まれながら、ほとんどが短期間で消えていくガチャには、発見の喜びがいっぱいです。一方で、高額商品の入った射幸性狙いのガチャとして注目されているのが「ギガッチャ」。高額商品として「任天堂スイッチ」などが入ったカプセルは、なんとボウリングの球並みの大きさ。1回のプレイ代は5,000円とされていましたが、最近では3,000円や2,000円で回せる店も出てきています。当たり外れが大きいだけに、回すのに勇気がいりますが、話のネタとしては有効。ハードの台数自体が限定された存在ですが、首都圏では新宿歌舞伎町や厚木での目撃情報があり、奈良、加古川、松本、金沢と意外な地方のゲームセンターでの展開も確認されています。
基本は200円程度で遊べるガチャ。あれこれ迷いながら1,000円使ってプチ散財気分を楽しむもよし、宝くじを買うつもりでギガッチャにつぎ込むのも、おとなガチャならではの「豪遊」ですね。
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