テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.05.03

結婚相手に譲れない・なかった「条件」は?

 結婚相手に対して、あまりに条件が多く理想が高いと結婚の機会を逃してしまうこともあると思います。しかし「これだけは譲れない!」という条件は、誰にでも少なからずあるはず。現在独身の人、また既婚者の皆さんは結婚相手にどんなこだわりの条件を持っているのでしょうか。

一般的な調査では、結婚後のライフコースを意識した結果に。

 まずは一般的な調査結果を見ていくことにしましょう。国立社会保障・人口問題研究所が実施した第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)では、独身の男女共に結婚相手の条件として最も考慮・重視するのは「人柄」、次いで「家事・育児の能力」という結果に。

 「人柄」と大きく言ってしまうと幅が広過ぎる気もしますが、2位の「家事・育児の能力」、そして3位に「自分の仕事への理解」が来るというのを加味すると、これから結婚する世代は女性が結婚後も働き続ける前提で、夫婦で協力しながら家事や育児をしていくライフコースにふさわしい結婚相手を求めていると考えられそうです。

 女性では経済力や職業を重視する人の割合も多いですが、近年では男性も「経済力」「職業」を条件にあげる人が増加傾向にあり、やはり共働きで家事育児を分担したバランスのいい結婚生活を築ける相手、という点が譲れない条件として目立つようになってきています。

求められているのは、「条件のいい相手」ではない?

 確かに、人柄が良く共に働き家事育児を協力して生活できる相手、という条件は堅実で現実的ですが、実際に結婚観などについて友人や仲間と話す時にはもっと個人的な願望や条件を耳にすることの方が多いものです。そこで独身者だけでなく既婚者の方も含めた男女35人に、譲れない/譲れなかった具体的な条件をアンケート。もっとリアルでプライベートな結婚相手へのこだわりを探ってみました。

1・好みのルックス
 男女共に意外と多かったのが「容姿」。「夫の見た目が好みだったので、色々気に入らない点はあったけれど目をつぶれた」、「母親が肥満なのがずっと嫌で、結婚相手の女性は痩せ型なのが最優先」、「やっぱり最初は容姿で振り分けてしまうし、ずっと一緒にいるなら本能的に好みの外見の相手がいい」など、他の条件も考慮はしつつもまずはルックスありきという声が多数。「見た目重視で選んだ奥さんが、本当に見た目だけ。失敗したと思う反面、好きな気持ちは続いている」という懲りない男性も。

2・仕事への姿勢や経済力
 「自分の稼ぎだけでは苦しいので、仕事のできる女性じゃないと結婚できない」という独身男性や、「結婚した友達を見ていても経済力のある夫のいる子は皆余裕があって幸せそう。愛があればお金なんては、まやかしです」という既婚女性も。また「多くは望まないけれど、正社員で仕事を頑張っているのが条件。フリーランスや非正規雇用は不安定過ぎて怖い」と、お金が第一ではなくても生活の基盤となる仕事や職種の安定性を条件にする女性も目立ちました。

3・心身の安定や安心感
 「情緒不安定やメンヘラっぽいのはNG、一緒にいてリラックスできるかどうかが第一」という独身男性や、「とにかく心身ともに健康なこと。結婚は先が長いですから」という既婚女性の声が。また独身女性の「無類の酒好きとか、モテて浮気の心配があるとか、どんなに好きでも安心感のない人は結婚できない」という意見もあるように、結婚前は多少の刺激を好んだり感情に流されていた人も、結婚相手への条件には安心・安定を第一に設定するケースも見られます。

4・共通の趣味や価値観
 「唯一の趣味が料理や食べ歩きなので、食に興味のある相手じゃないとダメ」、「インテリアやファッションなど美的感覚の好みが合うかどうか。メルヘンな趣味の部屋の女性と付き合ってみて、結婚後もこんなインテリアの中で暮らすのは地獄と思った」など、趣味や感覚的なことや価値観が通じる相手という意見も多数。人生の楽しみをふたりで共有できるかどうかを結婚相手に譲れない条件としてあげた人が多くいました。

 こうして結婚相手に譲れない条件を調査していくと、ひと昔前のような理想でガチガチに固まった結婚観は減っており、結婚への考え方にも多様性が出て来ているようにも感じます。何が何でも結婚しなくちゃいけないという考え自体や、男だから、女だからという枠も結婚観からはなくなりつつあるのかもしれません。今後はさらに、自分のライフスタイルや個人の生き方が、相手選びにも反映されるようになっていくのではないでしょうか。

<参考サイト>
第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)│国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/doukou15_gaiyo.asp
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_report3.pdf
調査研究・レポート 結婚・出産カテゴリ│明治安田総合研究所
https://www.myri.co.jp/research/cat_marriage.php
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

運動では減らないコレステロール…食生活の見直しで対策を

運動では減らないコレステロール…食生活の見直しで対策を

健診結果から考える健康管理・新5カ条(5)コレステロールは運動では減らない

コレステロールは中性脂肪と混同されがちだが、まったく異なる性質の脂(あぶら)である。コレステロールには、消化酵素になるなど3つの使い道があるが、摂り過ぎると運動しても簡単になくならないため、血管の変化を引き起こし...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/05/13
野口緑
大阪大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 特任准教授
2

「法華経はSFだ!」というナラティブの神秘的体験

「法華経はSFだ!」というナラティブの神秘的体験

おもしろき『法華経』の世界(1)法華経はSFだ!

『法華経』といえば紀元1世紀から3世紀に成立したといわれる大乗仏教の代表的経典である。厳しい修行や哲学的思索を行う出家が中心だった当時のインド仏教に対し、誰もが平等に成仏できると説く『法華経』は画期的なものだった...
収録日:2025/01/27
追加日:2025/05/04
鎌田東二
京都大学名誉教授
3

地図で読む「ヨーロッパにおけるパワーの東漸と西進」

地図で読む「ヨーロッパにおけるパワーの東漸と西進」

地政学入門 ヨーロッパ編(2)地理的条件と東西の攻防

第一次、第二次世界大戦におけるヨーロッパの攻防を地政学の観点から見ると、いったいどのような背景が読み取れるだろうか。アルプスと平野、海といった地理的条件から、ヨーロッパの「西と東」の攻防の歴史を読み解く。そうす...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/12
小原雅博
東京大学名誉教授
4

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?

「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
柿埜真吾
経済学者
5

株式リターンの歴史検証…大きな構造変化の影響を見抜く

株式リターンの歴史検証…大きな構造変化の影響を見抜く

株価と歴史…トランプ関税の影響を読む(2)株価リターンの歴史から考える

トランプ関税の影響を、歴史を踏まえつつ分析していく講義。第2話ではいよいよ、アメリカ、ドイツ、香港、日本などの株価の歴史を追いながら検証していく。実は株価の歴史的な動きを把握するためには、「株価」の動きでみるので...
収録日:2025/04/18
追加日:2025/05/02
養田功一郎
元三井住友DSアセットマネジメント執行役員