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DATE/ 2021.09.24

フリーランスってどうなの?年収や苦労は

 働き方が多様化している今、会社員から見るとある意味未知の働き方なのがフリーランス。内閣官房がフリーランスで働いている人たちを対象に大規模な調査を行っていたので、その調査内容からフリーランスの特徴を見ていければと思います。

一番の障壁は「収入が少ない・安定しない」こと

 「フリーランス実態調査」と題したレポートは新型コロナウイルスの危機がちょうど迫りつつあった2020年の2月から3月にかけて7000人以上のフリーランスから回答を得たものです。この調査での定義は「①自身で事業等を営んでいる②従業員を雇用していない③実店舗を持たない④農林漁業従事者ではない※法人の経営者を含む」となっており、試算では日本に462万人いるとされています。

 フリーランスという働き方を選んだ理由として上位に挙げられていたのは「自分の仕事のスタイルで働きたいため」(57.8%)、「働く時間や場所を自由にするため」(39.7%)。会社員が多かれ少なかれ組織に“縛られて”働いているのと対照的ですね。そうした働き方を選んだ結果満足をしているかどうかですが、仕事上の人間関係については「非常に満足」「満足」という回答が85.7%、就業場所についても82.9%ととても高い割合でしたが、一方で収入については37.4%にとどまっています。自由と収入を両立できているフリーランスはあまり多くないようです。

 その回答と表裏一体ですが、フリーランスとして働く上での障壁として1位に挙げられたのは「収入が少ない・安定しない」(59.0%)。次点は「1人で仕事を行うので、他人とのネットワークを広げる機会が少ない」(17.2%)なので、収入面の悩みが圧倒的ですね。年収では200万円以上300万円未満が全体の19%と一番多く、雇用者としての年収(平成29年就業構造基本調査)、つまり会社員と同じ傾向でした。300万円以上600万円未満ではフリーランスのほうが割合が多く、600万円以上800万円未満はフリーランスの割合が少なく、900万円以上だとまたフリーランスのほうが割合が多い、という比率です。ものすごくざっくり言ってしまうと、そこそこ稼ぐなら会社員のほうが確率が高く、たくさん稼ぎたければフリーランス、とも見ることができそうです。そうした収入面でのメリット・デメリットはありながら、フリーランスとして働き続けたいという回答が78.3%。会社員になりたい(戻りたい)はわずか3.4%でした。

職種による収入の差は会社員以上?

 内閣官房では具体的にどんな事業を行っているかは調査対象外でしたが、フリーランス向けのサイト「フリーランスガイド」が行った「フリーランス400人に聞いた!働き方や年収、悩みに関する実態調査」だと、ライターが58.3%、デザイナーが7%、エンジニアが4.3%である程度偏りがありそうですが、フリーランスを本業にしている人でも年収は100万円以下が41.5%と稼ぐのに苦労しているようでした。一方でクリエイター向けの転職サイト「CREATIVE JOB」に掲載されているフリーランスエンジニアの平均年収は636.0万円という統計もあり、職種や働き方によって会社員以上に収入の多寡が変わってきそうです。

 フリーの編集者として働いている知人の場合、雑誌の編集部に所属しつつライターとしても記事を複数の媒体に掲載するなど精力的に働いているため同年代の会社員の1.5倍ほどは稼いでいますが、休みは月に1、2日程度とのこと。9時~18時のような定時での働き方とは違うとは言え、ハードワークと引き換えに高収入を得ていると見ることもできそうですね。

 会社員の方が今回の記事を読んだらどう思うでしょうか。うらやましいと思うか、「会社員のままでいい」と思うか。あるいはフリーランスの方が読んだら、「そんなことないぞ」と思う部分もあるかもしれません。会社員以上に十人十色なのがフリーランスの働き方と言えるかもしれません。

<参考サイト>
・フリーランス実態調査結果│内閣官房日本経済再生総合事務局
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/sankou.pdf
・フリーランス400人に聞いた!働き方や年収、悩みに関する実態調査│フリーランスガイド
https://freelance-media.jp/questionnaire/post-121/
・フリーランスエンジニアの年収は?会社員と比較したメリット・デメリットと年収1,000万円を達成する5つのコツ│CREATIVE VILLAGE
https://www.creativevillage.ne.jp/73297

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