社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
フリーランスってどうなの?年収や苦労は
働き方が多様化している今、会社員から見るとある意味未知の働き方なのがフリーランス。内閣官房がフリーランスで働いている人たちを対象に大規模な調査を行っていたので、その調査内容からフリーランスの特徴を見ていければと思います。
フリーランスという働き方を選んだ理由として上位に挙げられていたのは「自分の仕事のスタイルで働きたいため」(57.8%)、「働く時間や場所を自由にするため」(39.7%)。会社員が多かれ少なかれ組織に“縛られて”働いているのと対照的ですね。そうした働き方を選んだ結果満足をしているかどうかですが、仕事上の人間関係については「非常に満足」「満足」という回答が85.7%、就業場所についても82.9%ととても高い割合でしたが、一方で収入については37.4%にとどまっています。自由と収入を両立できているフリーランスはあまり多くないようです。
その回答と表裏一体ですが、フリーランスとして働く上での障壁として1位に挙げられたのは「収入が少ない・安定しない」(59.0%)。次点は「1人で仕事を行うので、他人とのネットワークを広げる機会が少ない」(17.2%)なので、収入面の悩みが圧倒的ですね。年収では200万円以上300万円未満が全体の19%と一番多く、雇用者としての年収(平成29年就業構造基本調査)、つまり会社員と同じ傾向でした。300万円以上600万円未満ではフリーランスのほうが割合が多く、600万円以上800万円未満はフリーランスの割合が少なく、900万円以上だとまたフリーランスのほうが割合が多い、という比率です。ものすごくざっくり言ってしまうと、そこそこ稼ぐなら会社員のほうが確率が高く、たくさん稼ぎたければフリーランス、とも見ることができそうです。そうした収入面でのメリット・デメリットはありながら、フリーランスとして働き続けたいという回答が78.3%。会社員になりたい(戻りたい)はわずか3.4%でした。
フリーの編集者として働いている知人の場合、雑誌の編集部に所属しつつライターとしても記事を複数の媒体に掲載するなど精力的に働いているため同年代の会社員の1.5倍ほどは稼いでいますが、休みは月に1、2日程度とのこと。9時~18時のような定時での働き方とは違うとは言え、ハードワークと引き換えに高収入を得ていると見ることもできそうですね。
会社員の方が今回の記事を読んだらどう思うでしょうか。うらやましいと思うか、「会社員のままでいい」と思うか。あるいはフリーランスの方が読んだら、「そんなことないぞ」と思う部分もあるかもしれません。会社員以上に十人十色なのがフリーランスの働き方と言えるかもしれません。
一番の障壁は「収入が少ない・安定しない」こと
「フリーランス実態調査」と題したレポートは新型コロナウイルスの危機がちょうど迫りつつあった2020年の2月から3月にかけて7000人以上のフリーランスから回答を得たものです。この調査での定義は「①自身で事業等を営んでいる②従業員を雇用していない③実店舗を持たない④農林漁業従事者ではない※法人の経営者を含む」となっており、試算では日本に462万人いるとされています。フリーランスという働き方を選んだ理由として上位に挙げられていたのは「自分の仕事のスタイルで働きたいため」(57.8%)、「働く時間や場所を自由にするため」(39.7%)。会社員が多かれ少なかれ組織に“縛られて”働いているのと対照的ですね。そうした働き方を選んだ結果満足をしているかどうかですが、仕事上の人間関係については「非常に満足」「満足」という回答が85.7%、就業場所についても82.9%ととても高い割合でしたが、一方で収入については37.4%にとどまっています。自由と収入を両立できているフリーランスはあまり多くないようです。
その回答と表裏一体ですが、フリーランスとして働く上での障壁として1位に挙げられたのは「収入が少ない・安定しない」(59.0%)。次点は「1人で仕事を行うので、他人とのネットワークを広げる機会が少ない」(17.2%)なので、収入面の悩みが圧倒的ですね。年収では200万円以上300万円未満が全体の19%と一番多く、雇用者としての年収(平成29年就業構造基本調査)、つまり会社員と同じ傾向でした。300万円以上600万円未満ではフリーランスのほうが割合が多く、600万円以上800万円未満はフリーランスの割合が少なく、900万円以上だとまたフリーランスのほうが割合が多い、という比率です。ものすごくざっくり言ってしまうと、そこそこ稼ぐなら会社員のほうが確率が高く、たくさん稼ぎたければフリーランス、とも見ることができそうです。そうした収入面でのメリット・デメリットはありながら、フリーランスとして働き続けたいという回答が78.3%。会社員になりたい(戻りたい)はわずか3.4%でした。
職種による収入の差は会社員以上?
内閣官房では具体的にどんな事業を行っているかは調査対象外でしたが、フリーランス向けのサイト「フリーランスガイド」が行った「フリーランス400人に聞いた!働き方や年収、悩みに関する実態調査」だと、ライターが58.3%、デザイナーが7%、エンジニアが4.3%である程度偏りがありそうですが、フリーランスを本業にしている人でも年収は100万円以下が41.5%と稼ぐのに苦労しているようでした。一方でクリエイター向けの転職サイト「CREATIVE JOB」に掲載されているフリーランスエンジニアの平均年収は636.0万円という統計もあり、職種や働き方によって会社員以上に収入の多寡が変わってきそうです。フリーの編集者として働いている知人の場合、雑誌の編集部に所属しつつライターとしても記事を複数の媒体に掲載するなど精力的に働いているため同年代の会社員の1.5倍ほどは稼いでいますが、休みは月に1、2日程度とのこと。9時~18時のような定時での働き方とは違うとは言え、ハードワークと引き換えに高収入を得ていると見ることもできそうですね。
会社員の方が今回の記事を読んだらどう思うでしょうか。うらやましいと思うか、「会社員のままでいい」と思うか。あるいはフリーランスの方が読んだら、「そんなことないぞ」と思う部分もあるかもしれません。会社員以上に十人十色なのがフリーランスの働き方と言えるかもしれません。
<参考サイト>
・フリーランス実態調査結果│内閣官房日本経済再生総合事務局
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/sankou.pdf
・フリーランス400人に聞いた!働き方や年収、悩みに関する実態調査│フリーランスガイド
https://freelance-media.jp/questionnaire/post-121/
・フリーランスエンジニアの年収は?会社員と比較したメリット・デメリットと年収1,000万円を達成する5つのコツ│CREATIVE VILLAGE
https://www.creativevillage.ne.jp/73297
・フリーランス実態調査結果│内閣官房日本経済再生総合事務局
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/zensedaigata_shakaihoshou/dai9/sankou.pdf
・フリーランス400人に聞いた!働き方や年収、悩みに関する実態調査│フリーランスガイド
https://freelance-media.jp/questionnaire/post-121/
・フリーランスエンジニアの年収は?会社員と比較したメリット・デメリットと年収1,000万円を達成する5つのコツ│CREATIVE VILLAGE
https://www.creativevillage.ne.jp/73297
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
トランプ関税はアダム・スミス以前の重商主義より原始的
第2次トランプ政権の危険性と本質(2)トランプ関税のおかしな発想
「トランプ関税」といわれる関税政策を積極的に行う第二次トランプ政権だが、この政策によるショックから株価が乱高下している。この政策は二国間の貿易収支を問題視し、それを「損得」で判断してのものだが、そもそもその考え...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/17
大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本
デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性
アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?
編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税
会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。
第2次トランプ...
第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
相互関税の影響は?…トランプが築く現代版の万里の長城
世界を混乱させるトランプ関税攻勢の狙い(1)「相互関税」とは何か?
トランプ大統領は、2025年4月2日(アメリカ時間)に貿易相手国に「相互関税」を課すと発表し、「解放の日」だと唱えた。しかし、「相互関税」の考え方は、まったくよくわからないのが実状だ。はたして、トランプ大統領がめざす...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/04/10
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24