社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2021.10.02

スマホの「危険アプリ」の見分け方

 電子マネーやポイント決済、チケットレス化といったように、スマホが私たちの日常で果たす役割はますます高まっています。ここで問題となるのはセキュリティです。スマホは私たちの個人情報で満たされています。この情報を抜き取る手法のひとつが危険な不正アプリ。では不正アプリの被害に遭わないためには何に注意したらいいのでしょうか。

危険アプリ(不正アプリ)は偽装している

 不正アプリはさまざまなアプリを装っています。例えば有名ゲームアプリに偽装したものは、実際の有名アプリの名前を使い、アイコンもそのまま説明もそのままコピーしています。インストールすると遠隔操作を可能にされたり、ほかの悪質なアプリまでインストールされたりといったことが起きるようです。バッテリー節約アプリを装っているものは、スマホの最大の悩みであるバッテリー節約に貢献するように見せかけて情報を抜かれます。また、ウイルス対策アプリを装っているものは「ウイルスに感染しています」といったこちらに不安を与える通知を出して、不正なアプリをダウンロードさせたり有料版アプリを半強制的に購入させたりします。

Google PlayやApp store以外からはダウンロードしない

 セキュリティ対策の第一歩は「Google PlayやApp storeといった公式のアプリストア以外からはダウンロードしない」ということ。広告やSMS(ショートメッセージサービス)などで誘い込まれたサイトから不正アプリをインストールしてしまう場合も多いです。こういった誘い込まれたサイトでは「ウイルスに感染しました」「システムエラーが発生しました」等の利用者を焦らせる通知を表示して対策アプリのダウンロードを促してくるので、つい冷静さを失いインストールさせられてしまいます。「アプリは公式のアプリストアからしかインストールしない」という意識を強く持っておくと大きなリスクは回避することはできるかもしれません。また、クリックするだけでアプリをダウンロードしてしまう場合もあるので、まずはとにかく怪しい広告やメッセージは開かない、ということも大事です。

公式サイトにあるアプリであっても注意が必要

 Google PlayやApp storeといった公式のアプリストア、もしくは通信事業者が運営しているアプリストアを利用することが第一なのですが、時にこういったサイトの審査をすり抜ける悪質なアプリも存在します。セキュリティソフト「ウイルスバスター」の開発会社トレンドマイクロの情報によると、「Android端末向けのボイスメッセンジャーやカメラ、ゲームなどのアプリに偽装した不正アプリがGoogle Play上に複数公開されていたことを確認した」とのことです。この不正アプリは端末内情報を窃取したり、偽の広告でフィッシングサイトやポルノアプリの配布サイトへ誘導したりするとのこと。またiOSでも非公式のアプリストアへ誘導するゲームアプリが発見されています。

レビュー、開発元、権限をよく確認しよう

 こういった場合の対処法は、インストールする前には開発元を確認してネットで検索すること。問題があるアプリや開発元はネットに情報がある可能性が高いです。またレビューもしっかり確認しましょう。悪評が多かったり、評価が大きく二分していたりするアプリは要注意。不正アプリの中にはウイルスを使って強制的に高評価を書き込ませるものもあります。あとはアプリの権限にも目を通しましょう。その必要がないアプリで「連絡先データの読み取り」や「現在地の読み取り」といった個人情報に関する権限を求めていたとしたら、怪しいアプリの可能性はあります。あらかじめ有名どころのセキュリティアプリをインストールしておくことをお勧めします。

<参考サイト>
見た目は普通?ウイルス感染する「危険アプリ」の見分け方|NTT docomo
https://safety-number-check.idc.nttdocomo.co.jp/anshin/detail19.html
スマホにアプリを入れる前に確認したい4つのポイント|TREND Micro is702
https://is702.jp/special/3510/

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れた逆境の意味

「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れた逆境の意味

逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者

西洋には逆境は神が与える運命という考え方があり、その運命をいかに克服するかを考えたのがストア派だった。しかし、神道が説くように「ヒトもカミ」であれば、それに気づく瞬間は逆境の中にこそ存在するはずである。「他者で...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/20
2

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会

渡部昇一氏には、若き頃に留学したドイツでの体験を記した『ドイツ留学記(上・下)』(講談社現代新書)という名著がある。1955年(昭和30年)から3年間、ドイツに留学した渡部昇一氏が、その留学で身近に接したヨーロッパ文明...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/23
渡部玄一
チェロ奏者
3

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割

豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
黒田基樹
駿河台大学法学部教授 日本史学博士
4

「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?

「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?

戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方

2025年8月、米露、米ウクライナ、EUの首脳会談が相次いで実現した。その成果だが、中でもロシアにとって大成功と呼べるものになった。ディール至上主義のトランプ政権を手玉に取ったロシアが狙う「ベルト要塞」とは何か。事実上...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/12/21
東秀敏
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
5

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授