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世の中の40代の平均貯蓄額は?
40代といえばかつては「不惑」として社会の中堅を担うイメージでした。でも「人生100年時代」が現実化している現在、40代はまだまだ人生の後半戦に向けて、ライフシフトの真っ最中です。
たとえば40代前半男女の未婚率は、男性30%、女性19.3%、40代後半では男性25.9%、女性16.1%となっています。男性40代前半を除くと、いずれも過去最高。また、この数字からは、40代からの婚活に乗り出している人も決して少なくないことが読み取れます(数字は人口統計資料集(2021)より)。
一方で持ち家率は、2018年住宅・土地統計調査によると、40歳代で57.6%に上っています。ただし、この数字は1998年の66.6%と比べると9ポイント低下。ライフスタイルの多様化は本格化しています(数字は2018年住宅・土地統計調査より)。
昭和の時代とは違って20代は勉強、30代で仕事に本腰を入れ、ようやく一息ついて生活環境の整備に取り組むのが令和における40代という年代。そんな40代はどのぐらい貯蓄をしているのか、調べてみました。
二つの数字を比べてみて「平均は1千万円ほどでも、現実には500万円ぐらい貯金している人が多いようだ」と思われる方も多いでしょう。しかし、実際にはそうではありません。
世帯主が40歳台の家庭の貯蓄額分布を見ると、最も多いのは「貯蓄ゼロ」の13.5%、300万円未満の家庭では36.0%と3分の1に達します。一方貯蓄額1,000万円以上の家庭は32.7%、やはり約3分の1を占めます。
最近話題になっている「貯蓄格差」は、40歳代から始まっていることが分かります。ちなみに、金融資産を保有する世帯に絞った40歳代世帯主の統計は、貯蓄の平均値が1,177万円、中央値が686万円となります。
2021年、日本全体で二人以上の世帯全体の貯蓄額は、平均値1,436万円、中央値650万円と発表されています。40代より以上に「平均値」と「中央値」が違うのは、一部の貯蓄が多い人の数字によって平均値が押し上げられているからです。貯蓄ゼロの家庭は、全年代で16.1%に上ることも統計で明らかになっています。
単身世帯の場合、貯蓄額300万円未満の割合は60%を超えます。こうなってくると、貯蓄格差・収入格差が生涯未婚率につながっているという説にもうなずかざるを得ません。
さて、貯蓄と同様に気になるのが同年代の借入額です。40歳台の世帯持ちで借入金があるのは64.5%。その平均額は2,058万円、中央値1,700万円ですす。こちらはほぼ住宅ローンによるものとみられ、借入金2,000万円以上が40%に上っています。
一方、40歳台シングルで借入金があるのは21.6%。借入金の平均額は909万円、中央値は155万円ということですが、実際には100~200万円が23.2%、2,000万円以上が21.1%の内訳です。
同世代の家庭持ちと比べて学費などにお金を取られないのがシングルの強み。まだまだ変わる可能性に向けて貯蓄の苦手を克服するチャンスです。
たとえば40代前半男女の未婚率は、男性30%、女性19.3%、40代後半では男性25.9%、女性16.1%となっています。男性40代前半を除くと、いずれも過去最高。また、この数字からは、40代からの婚活に乗り出している人も決して少なくないことが読み取れます(数字は人口統計資料集(2021)より)。
一方で持ち家率は、2018年住宅・土地統計調査によると、40歳代で57.6%に上っています。ただし、この数字は1998年の66.6%と比べると9ポイント低下。ライフスタイルの多様化は本格化しています(数字は2018年住宅・土地統計調査より)。
昭和の時代とは違って20代は勉強、30代で仕事に本腰を入れ、ようやく一息ついて生活環境の整備に取り組むのが令和における40代という年代。そんな40代はどのぐらい貯蓄をしているのか、調べてみました。
40代貯蓄の平均額1,012万円、中央値520万円って?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(2020年)によれば、世帯主が40歳台の家庭では、貯蓄額の平均値1,012万円、中央値520万円となります。二つの数字を比べてみて「平均は1千万円ほどでも、現実には500万円ぐらい貯金している人が多いようだ」と思われる方も多いでしょう。しかし、実際にはそうではありません。
世帯主が40歳台の家庭の貯蓄額分布を見ると、最も多いのは「貯蓄ゼロ」の13.5%、300万円未満の家庭では36.0%と3分の1に達します。一方貯蓄額1,000万円以上の家庭は32.7%、やはり約3分の1を占めます。
最近話題になっている「貯蓄格差」は、40歳代から始まっていることが分かります。ちなみに、金融資産を保有する世帯に絞った40歳代世帯主の統計は、貯蓄の平均値が1,177万円、中央値が686万円となります。
2021年、日本全体で二人以上の世帯全体の貯蓄額は、平均値1,436万円、中央値650万円と発表されています。40代より以上に「平均値」と「中央値」が違うのは、一部の貯蓄が多い人の数字によって平均値が押し上げられているからです。貯蓄ゼロの家庭は、全年代で16.1%に上ることも統計で明らかになっています。
40代シングルの強みは借入金の少なさ
年々増加する単身世帯の貯蓄はどうなっているでしょうか。まず、40歳台で貯蓄ゼロのシングルは35.5%、3分の1以上に上ります。この人たちも含めた貯蓄額の平均値は666万円、中央値40万円となります。ちなみに、金融資産を保有する40歳代にしぼった統計は、貯蓄の平均値が1,066万円、中央値が400万円です。単身世帯の場合、貯蓄額300万円未満の割合は60%を超えます。こうなってくると、貯蓄格差・収入格差が生涯未婚率につながっているという説にもうなずかざるを得ません。
さて、貯蓄と同様に気になるのが同年代の借入額です。40歳台の世帯持ちで借入金があるのは64.5%。その平均額は2,058万円、中央値1,700万円ですす。こちらはほぼ住宅ローンによるものとみられ、借入金2,000万円以上が40%に上っています。
一方、40歳台シングルで借入金があるのは21.6%。借入金の平均額は909万円、中央値は155万円ということですが、実際には100~200万円が23.2%、2,000万円以上が21.1%の内訳です。
同世代の家庭持ちと比べて学費などにお金を取られないのがシングルの強み。まだまだ変わる可能性に向けて貯蓄の苦手を克服するチャンスです。
<参考サイト>
人口統計資料集(2021)│国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2021.asp?fname=T06-24.htm
2018年住宅・土地統計調査│総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/tyousake.html
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)│知るポルト
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/20bunruif001.html
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)│知るポルト
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/20bunruit001.html
人口統計資料集(2021)│国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2021.asp?fname=T06-24.htm
2018年住宅・土地統計調査│総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/tyousake.html
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)│知るポルト
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/20bunruif001.html
家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)│知るポルト
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/20bunruit001.html
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