社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「冬季うつ病」とは?原因と特徴
寒くなると、なんとなく気が滅入ったり体がだるくなる…そんな状態になることはありませんか? 寒い時期には症状に悩んでも、暖かい季節になると自然と改善するので、うつ病とは違うだろうと不思議に思う方もいるかもしれません。そうした症状、実は寒くなる時期に発症する冬季うつ病かもしれません。
セロトニンとは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させる役割を持つ脳内物質。セロトニンは日光を浴びることで分泌されるのですが、日照量が減少する時期にはセロトニンの分泌も減少してしまい、うつ病のような症状が現れてしまうのです。そのため、日照量が多い赤道近くの国では冬季うつ病の発生率は低く、赤道から離れて日照量が少なくなる地域ほど発症率が高いといわれています。
過食の症状では、特にパスタや白米といった炭水化物や、チョコレートなどの甘いものを求める傾向が強く見られます。そのため、過食によって体重が増えてしまうことも珍しくありません。また、過眠の症状では夜の就寝時間が長くなるだけでなく、日中に強い眠気に襲われることもあります。これは日照時間の減少により、体内時計が乱れていることが関係しているともいわれます。
また、食事のバランスを見直すことも大切です。冬季うつ病では過食に走りやすく、甘いものや炭水化物を強く求めるという特徴があり、バランスを崩しがち。セロトニンの材料になるアミノ酸・トリプトファンを含むバナナやピーナッツ、乳製品、大豆製品などを積極的に食べるようにしましょう。
もし生活習慣を改善しても症状が軽減されないようであれば、クリニックに相談するのも良いでしょう。人工の光を用いた光療法や薬物療法もあるので、対症療法に留まらない方法で改善を見込めることができます。
冬季うつ病は一度発症すると毎年繰り返すことが多いため、気長に付き合っていく必要があります。もし症状が当てはまる方がいたら、まずは生活習慣を見直してみてください。寒い冬の時期をつらい気持ちだけで過ごさないように、まずは朝いちばんにカーテンを開けて太陽の光を浴びることから始めてみてはいかがでしょうか。
冬季うつ病の原因
季節性うつ、ウインター・ブルーとも呼ばれる冬季うつ病は、一般的なうつ病とは異なり、秋から冬にかけて症状が現れて春になると症状が落ち着く季節性のものです。寒い時期になると日照量が減ることによって、セロトニンの分泌が減ってしまうことが原因だといわれています。セロトニンとは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させる役割を持つ脳内物質。セロトニンは日光を浴びることで分泌されるのですが、日照量が減少する時期にはセロトニンの分泌も減少してしまい、うつ病のような症状が現れてしまうのです。そのため、日照量が多い赤道近くの国では冬季うつ病の発生率は低く、赤道から離れて日照量が少なくなる地域ほど発症率が高いといわれています。
一般的なうつ病との違い
気分が落ち込む、疲れやすいなど、一般的なうつ病と似た症状も現れますが、これに加えて過食、眠気の症状が出るのが、冬季うつ病の特徴といわれています。過食の症状では、特にパスタや白米といった炭水化物や、チョコレートなどの甘いものを求める傾向が強く見られます。そのため、過食によって体重が増えてしまうことも珍しくありません。また、過眠の症状では夜の就寝時間が長くなるだけでなく、日中に強い眠気に襲われることもあります。これは日照時間の減少により、体内時計が乱れていることが関係しているともいわれます。
生活習慣の見直しで改善も
冬季うつ病はセロトニンの減少が原因ですが、生活習慣を見直すことで改善が期待できます。日照量の不足が大きな要因になっているので、特に大切なのは「意識的に日光を浴びること」。寒い時期には家にこもりがちで、日光を浴びる機会が少なくなってしまいますので、意識的に外に出たり、部屋に日光を取り入れるようにしましょう。また、食事のバランスを見直すことも大切です。冬季うつ病では過食に走りやすく、甘いものや炭水化物を強く求めるという特徴があり、バランスを崩しがち。セロトニンの材料になるアミノ酸・トリプトファンを含むバナナやピーナッツ、乳製品、大豆製品などを積極的に食べるようにしましょう。
もし生活習慣を改善しても症状が軽減されないようであれば、クリニックに相談するのも良いでしょう。人工の光を用いた光療法や薬物療法もあるので、対症療法に留まらない方法で改善を見込めることができます。
冬季うつ病は一度発症すると毎年繰り返すことが多いため、気長に付き合っていく必要があります。もし症状が当てはまる方がいたら、まずは生活習慣を見直してみてください。寒い冬の時期をつらい気持ちだけで過ごさないように、まずは朝いちばんにカーテンを開けて太陽の光を浴びることから始めてみてはいかがでしょうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
なぜモンゴルがあれほど大きな帝国を築くことができたのか。小さな部族出身のチンギス・ハーンは遊牧民の部族長たちに推されて、1206年にモンゴル帝国を建国する。その理由としていえるのは、チンギス・ハーンの圧倒的なカリス...
収録日:2022/10/05
追加日:2023/01/07