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DATE/ 2021.12.24

「冬季うつ病」とは?原因と特徴

 夏が終わってだんだん寒くなってくると、なんとなく気が滅入ったり体がだるくなる…そんな状態になることはありませんか? 寒い時期には症状に悩んでも、暖かい季節になると自然と改善するので、うつ病とは違うだろうと不思議に思う方もいるかもしれません。そうした症状、実は寒くなる時期に発症する冬季うつ病かもしれません。

冬季うつ病の原因

 季節性うつ、ウインター・ブルーとも呼ばれる冬季うつ病は、一般的なうつ病とは異なり、秋から冬にかけて症状が現れて春になると症状が落ち着く季節性のものです。寒い時期になると日照量が減ることによって、セロトニンの分泌が減ってしまうことが原因だといわれています。

 セロトニンとは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させる役割を持つ脳内物質。セロトニンは日光を浴びることで分泌されるのですが、日照量が減少する時期にはセロトニンの分泌も減少してしまい、うつ病のような症状が現れてしまうのです。そのため、日照量が多い赤道近くの国では冬季うつ病の発生率は低く、赤道から離れて日照量が少なくなる地域ほど発症率が高いといわれています。

一般的なうつ病との違い

 気分が落ち込む、疲れやすいなど、一般的なうつ病と似た症状も現れますが、これに加えて過食、眠気の症状が出るのが、冬季うつ病の特徴といわれています。

 過食の症状では、特にパスタや白米といった炭水化物や、チョコレートなどの甘いものを求める傾向が強く見られます。そのため、過食によって体重が増えてしまうことも珍しくありません。また、過眠の症状では夜の就寝時間が長くなるだけでなく、日中に強い眠気に襲われることもあります。これは日照時間の減少により、体内時計が乱れていることが関係しているともいわれます。

生活習慣の見直しで改善も

 冬季うつ病はセロトニンの減少が原因ですが、生活習慣を見直すことで改善が期待できます。日照量の不足が大きな要因になっているので、特に大切なのは「意識的に日光を浴びること」。寒い時期には家のこもりがちで、日光を浴びる機会が少なくなってしまいますので、意識的に外に出たり、部屋に日光を取り入れるようにしましょう。

 また、食事のバランスを見直すことも大切です。冬季うつ病では過食に走りやすく、甘いものや炭水化物を強く求めるという特徴があり、バランスを崩しがち。セロトニンの材料になるアミノ酸・トリプトファンを含むバナナやピーナッツ、乳製品、大豆製品などを積極的に食べるようにしましょう。

 もし生活習慣を改善しても症状が軽減されないようであれば、クリニックに相談するのも良いでしょう。人工の光を用いた光療法や薬物療法もあるので、対症療法に留まらない方法で改善を見込めることができます。

 冬季うつ病は一度発症すると毎年繰り返すことが多いため、気長に付き合っていく必要があります。もし症状が当てはまる方がいたら、まずは生活習慣を見直してみてください。寒い冬の時期をつらい気持ちだけで過ごさないように、まずは朝いちばんにカーテンを開けて太陽の光を浴びることから始めてみてはいかがでしょうか。

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