社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.03.12

アジアの大学ランキング

 留学事情もかなり変化している昨今ではありますが、アジアの大学は世界的にどのように評価されているのでしょうか?英国の大学評価機関「クアクアレリ・シモンズ」(QS)が例年発表しているランキングに基づいてみていくことにしましょう。

QSアジア大学ランキング2022

 まずはTOP10。

1位「シンガポール国立大学(NUS)」シンガポール
2位「北京大学」中国
3位「香港大学(HKU)」香港特別行政区
3位「南洋理工大学(NTU)」シンガポール
5位「清華大学」中国
6位「浙江大学」中国
7位「復旦大学」中国
8位「マラヤ大学(UM)」マレーシア
9位「香港科技大学(HKUST)」香港特別行政区
10位「上海交通大学」中国

 総合ランキングの1位と3位はシンガポールで、2位と5~7位は中国の大学という結果でした。日本の大学は残念ながらランクインしていない状況です。

 注目すべきは、「シンガポール国立大学」で、4年連続で首位をキープしています。

日本の大学の順位は

11位「東京大学」
15位「京都大学」
21位「東京工業大学」
22位「大阪大学」
23位「東北大学」
28位「名古屋大学」
29位「九州大学」
30位「北海道大学」
40位「早稲田大学」
46位「慶應義塾大学」

 11位の「東京大学」は、前回の調査では15位であり、4ランク上昇しました。

 日本の大学は108校がランクインしているものの、前回のランキングと比較して、65の大学が順位下落、36の大学は順位向上昇、5の大学が同順位、2の大学が初めてランクインしたという結果でした。中国と比較するとランクインした校数、評価の減退は歴然としています。

評価の指標は

 QSアジア大学ランキングは以下11の指標で計測、カッコ内の比率で総合評価されています。

1.学術的評価(30%)
2.雇用主による卒業生の評価(20%)
3.学生比率による教員のフルタイム雇用割合(10%)
4.国際研究ネットワーク(10%)
5.論文の引用数(10%)
6.教員の論文数(5%)
7.博士号を持つ教員の割合(5%)
8.海外からの教員の割合(2.5%)
9.海外留学生の割合(2.5%)
10.国内大学との学位交換プログラムによる学生割合(2.5%)
11.海外からの交換留学プログラムによる学生割合(2.5%)  

 ちなみに、「シンガポール国立大学(NUS)」は各指標でフルスコアに近い数値で評価されています。国内TOPとなる「東京大学」は、海外からの教員、交換留学生の指標が低評価であったことがアジアTOP10入りを逃した要因になっているようです。

<参考サイト>
・QS Asia University Rankings 2022
https://www.topuniversities.com/university-rankings/asian-university-rankings/2022
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ

なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ

編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?

「何回説明しても伝わらない」「こちらの意図とまったく違うように理解されてしまった」……。そんなことは、日常茶飯事です。しかしだからといって、相手を責めるのは大間違いでは? いやむしろ、わが身を振り返って考えないと...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/11/13
2

デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム

デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム

デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム

初めて会った人なのになぜか好意を抱いてしまうことがある。だが、なぜそうした衝動が生じるのかは疑問である。デカルトが友人シャニュに宛てた「愛についての書簡」から話を起こし、愛をめぐる精神と身体の関係について論じる...
収録日:2018/09/27
追加日:2019/03/31
津崎良典
筑波大学人文社会系 教授
3

『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割

『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制

「バイアスがかかる」と聞くと、つい「ないほうが望ましい」という印象を抱いてしまうが、実は人間が生きていく上でバイアスは必要不可欠な存在である。それを今井氏は「マイワールドバイアス」と呼んでいるが、いったいどうい...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/09
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
4

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造

宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
岡朋治
慶應義塾大学理工学部物理学科教授
5

脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは

脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質

「ワット・ビット連携」の概念がある。これは神経と血管の関係にも似ており、両者が密接に関係するところから、それをもとに人間の本質について考察していくことになる。また、中村天風の思想から着想を得て、人間の心には霊性...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/13