テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.04.01

気になるアレの正式名称は?

よく見る“アレ”にも名前があります

 「世界は誰かの仕事でできている」という一文を、目にしたり耳にしたりしたことがある方は多いのではないでしょうか。これは、日本コカ・コーラ社から発売されている缶コーヒー「ジョージア」のキャッチコピーで、2014年から約8年間使用されました。身のまわりにあるものはすべて、誰かがつくったものだと改めて気づかせられる名キャッチコピーですよね。

 たとえばお店で買ってきたパンを見てみると、パンをつくった人がいるのはもちろん、パンの材料となる小麦粉を製粉した人もいれば、おおもとの小麦を育てた人もいます。パンが入っている袋も、袋に印刷されている文字のインクも、やはり誰かがつくったものです。

 あらゆるモノをつくる人がいて、それを発注したり利用したりする人がいる……ということは、どんなにささいなモノにも識別するための正式名称があるということ。しかし、普段からなにげなく見過ごしてしまっているような“アレ”の名前は意外と知らなかったり、聞いたことはあるけどすぐに思い出せなかったりしますよね。今回はそのような、名前が気になる“アレ”の数々をご紹介します。

「こんな名前だったの?」と驚くモノたち

 以下に上げていく“アレ”の外見や、見たり使ったりするシチュエーションはおなじみのものばかりのはず。なんという正式名称なのか考えながら、楽しんで読み進めてみてください。



 クッキー缶やこわれものの郵便物に入っている、空気が入った小さなでっぱりが並んでいるアレ:「気泡緩衝材」といいます。ポリエチレンにたくさんの気泡を整然と並べることで品物を衝撃から守る梱包材です。「プチプチ」と呼ばれることもよくありますが、これは梱包材を製造する川上産業株式会社の登録商標です。



 食パンの袋の口などを留めている、切れ込みと四角形の穴がある薄いプレート状のアレ:「バッグ・クロージャー」といいます。アメリカのクイック・ロック社が最初につくった製品で、このときはりんごの袋の口を留めるための道具でした。日本ではクイック・ロック社の日本法人であるクイック・ロック・ジャパン株式会社のみが製造しています。



 お店のレジや金融機関の窓口などでお金を受け渡しするときに使う小さいお盆のようなアレ:「カルトン」といいます。正式名称だとわかりにくいので、「コイントレー」とか「キャッシュトレー」と呼ばれることもよくあります。フランス語で厚紙製の箱を意味する言葉が語源。タバコなどをまとめた箱を指す「カートン」と同じ由来です。



 料理にかけるソースやカレーのルゥを入れる、鳥のくちばしのようなかたちをしたアレ:「グレイビーボート」といいます。日本ではカレーのルゥ入れとしておなじみですが、発祥の地・イギリスではローストビーフにかけるソースであるグレイビーソースを入れるための食器です。このソースが名前の由来というわけです。



 お弁当などの醤油やソースを入れるための、魚や筒のかたちをしたポリエチレン製のアレ:「ランチャーム」といいます。大阪府の株式会社旭創業が特許を持っています。名前には、「ランチ」を「チャーミング」にという思いが込められているとか。魚のかたちが採用されたわけは、持ち帰りのお寿司に添えるためだったそうです。



 お寿司やお弁当の料理に挟まっている、緑色のギザギザのアレ:「バラン」といいます。飾りにもなりますが、一番の目的は料理の味が混ざらないようにする仕切りです。もともとお寿司屋さんが仕切りとして使っていた本物の植物である「葉蘭」を、よりリーズナブルに利用できるように、プラスチック素材のバランが開発されました。



 お店で売られている状態の靴下のつま先についている、両足をまとめているアレ:「ソクパス」といいます。アメリカでは「パッチャー」と呼ばれたようですが、広げるとコンパスに似ているため、日本では「ソックス」と「コンパス」を合わせた名前で呼ばれるようになりました。アルミ製が主流でしたが、近年は環境に優しい紙製が増えています。

 こうして見てみると、すぐに捨ててしまうような小さなモノにもきちんと名前があり、大切な役割があることがよくわかりますよね。ときにはモノをじっくり観察して、小さな気になるモノの名前を調べてみるのもおもしろいかもしれません。

<参考サイト>
・HuffPost 知っているようで知らない「アレ」の正式名称【クイズ20問】
https://www.huffingtonpost.jp/2016/08/30/name-quiz-20_n_11790280.html
・スターダストオフィシャルサイト 山田孝之 2014年「ジョージア」新キャンペーンのイメージキャラクターに抜擢!
https://www.stardust.co.jp/sp/news/?id=3173
・和樂web お弁当に入っている調味料入れ「ランチャーム」は金魚じゃない!開発秘話やモデルの魚を紹介
https://intojapanwaraku.com/culture/81319/

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教

ロシアや中華人民共和国など、自由と民主主義を否定する権威主義国の脅威の増大。一方、日本、アメリカ、西欧など自由主義諸国における政治の劣化とポピュリズム……。いま、自由と民主主義は大きな試練の時を迎えている。このよ...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/03/26
橋爪大三郎
社会学者
2

イーロン・マスクと対立…ChatGPT大ブームまでの紆余曲折

イーロン・マスクと対立…ChatGPT大ブームまでの紆余曲折

サム・アルトマンの成功哲学とOpenAI秘話(2)ChatGPT開発秘話

仕事をはじめさまざまな生活シーンで多様な役割をこなすチャットボットとなった「ChatGPT」。OpenAIが公開したこのサービスが世界中を驚かせるまでには、その創業に携わったサム・アルトマンとイーロン・マスクの対立など紆余曲...
収録日:2024/03/13
追加日:2024/04/26
桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
3

運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運

運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運

運と歴史~人は運で決まるか(2)運に恵まれるにはどうすればいいか

普通の人間の「運」については、どう考えればいいのだろうか。例えば、日本において消費文化が花開いた江戸時代、11代将軍・徳川家斉の治世には、庶民が「運がめぐってこない」ことを皮肉った狂詩があった。運には「めぐりあわ...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/25
山内昌之
東京大学名誉教授
4

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感

中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

編集部ラジオ2024:4月24日(水)

ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。

そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア