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DATE/ 2022.04.29

簡単にできる汗を抑える方法

 夏の暑い時期、運動したあと、満員電車の中や着込みすぎてしまったときなど、私たちの身体は季節も場所も問わず汗をかくようになっています。生理現象だと分かっていても肌のベタつきや臭いなどは気になるもの。どうにかして汗を抑える方法はないのでしょうか?

なぜ汗をかくのか?

 そもそも汗をかくのは、体温が上がりすぎないようにするため。人間の脳はとりわけ温度に敏感で、暑くなりすぎるとダメージを受けてしまうため、汗をかいて体温を下げる必要があります。体温が上がると、体中の汗腺が血液中にある血漿という成分を汗として分泌して、汗が蒸発する気化熱によって体温を調整する仕組みになっているのです。

 汗のもとである血漿は99%の水分の他にミネラルも含まれています。汗腺は血漿をろ過するときに、水分だけを取り出して排出し、ミネラルは血液の中に戻す役割を担っています。そのため、正常に排出された「いい汗」は限りなく水に近いので、臭いがなくさらさらですぐに蒸発するので、私たちが特に困ることはありません。

 私たちが不快に思うのは、ろ過機能がうまく働かずにミネラルも一緒に排出されてしまう「悪い汗」をかくこと。汗腺は筋肉と同じで、使わなければどんどん機能が衰えてしまうため、汗をかく習慣がない人は水分だけでなくミネラルも汗として排出してしまい、ミネラルを含んだベタベタして汗臭さを感じる「悪い汗」をかくようになってしまいます。良い汗をかくためにも、汗をかく習慣を身につけることが大切なのです。

汗を抑える方法

 汗をかくことは生命維持に必要なものだということは分かりますが、満員電車やメイク中、熱帯夜など汗をかくと困るシーンはさまざまありますよね。そんな困ったときに汗を抑える方法をお伝えします。

 ひとつは「半側発汗」という体の条件反射を利用した方法です。これは圧迫によって汗をかくのを止めるもので、例えば左上半身の脇を圧迫すると、顔を含む左半身の汗を止めることができるのです。どうしても汗が止まらないときには帯やベルトなどで圧迫して実践ができるので、覚えておくと良いでしょう。

 もうひとつは「ツボ」です。さまざまなツボがありますが、例えば脇の下にある大包(だいほう)は顔の汗を抑えてくれる、手をグーにした時に飛び出る小指の付け根あたりの膨らみである「後谿」(こけい)は全身の熱を押さえてくれる効果があります。汗で悩んでいる人は汗止めのツボを覚えておくのも良いでしょう。

汗をかきすぎる場合には多汗症かも?

 汗の量が多すぎる、汗のかきかたが不自然な場合には、多汗症の可能性があるかもしれません。大量の汗が精神的な緊張によるものであれば一過性のものですが、糖尿病などの病気が隠れていることもあります。多汗症には原因がはっきりしない場合もありますが、汗のかきかたに違和感を覚える場合は一度医療機関を受診することをおすすめします。

<参考サイト>
・暑さに疲れたら、ココを押せ!だくだく汗が止まる“ツボ”があった。│アンファーからだエイジング【専門ドクター監修】
https://www.angfa.jp/karada-aging/practice/asetsubo/
・汗の基礎知識 - 汗をかきやすい部位はどこ?│KAO
https://www.kao.co.jp/8x4/lab/article04/
・「あなたの汗は、良い汗? 悪い汗?」 | サントリー健康情報レポート
https://health.suntory.co.jp/professor/vol34/
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授