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DATE/ 2022.07.11

アプリの「アクセス権限を許可」ってなに?

 AndroidやiPhoneでアプリを使おうとすると「このアプリの権限を許可しますか?」「○○○が○○へのアクセスを求めています」といったポップアップが出てきて、承認可否を求められることがあります。なんとなく許可している人もいるかもしれませんが、何のための許可なのかご存知でしょうか?

権限を許可ってどういうこと?

 AndroidでもiPhoneでも、アプリがスマホの機能を利用するときには、必ず権限を許可する必要があります。ここでいうスマホの機能とはカメラや位置情報、連絡先、通話履歴、マイクなどのこと。こうしたスマホにもともと備わっている機能を活用するとはどういうことかというと、例えばマップアプリで「位置情報」の権限を許可すると地図上で現在地を確認できるようになったり、写真加工アプリで「カメラ」の権限を許可すると写真を加工した状態で撮影ができるようになります。全てのアプリが必要なわけではありませんが、アクセスを許可することでアプリの機能を最大限使うことができるようになります。

全部許可するのは危険!

 「じゃあ、全部権限を許可しておけば良いんじゃない?」と思うかもしれませんが、そこにリスクが潜んでいるので注意が必要です。というのも、権限を付与すればアプリはさまざまな機能にアクセスができるようになる、悪意のある言い方をすれば、アプリを利用してSNSや通話履歴、連絡先などの機能にアクセスできるようになれば、個人情報を入手することもできてしまうことでもあるのです。実際に個人情報を入手する目的で作られた悪質なアプリもあるので、なんでもかんでも権限を許可するのはとても危ないということは覚えておいてください。

権限を許可するボーダーラインとは

 「じゃあ、逆に何も許可しない方が良いのかもしれない…」と思うかもしれませんが、許可しないと利用できないアプリもあるのでそれは現実的ではありません。そのアプリに必要かアクセスしても問題ない機能であれば許可はする、必要でない機能は許可しないと自分で判断することが求められているのです。

 例えばTwitterでは「カメラ」「ファイル(画像)」「位置情報」「マイク」などさまざまな機能のアクセスを求めてられます。自分が撮影した写真を載せたいなら「ファイル(画像)」へのアクセスは必要ですが、Twitter上で位置情報を使うことがないなら「位置情報」はオフにするなど、自分に合わせてコントロールすれば良いのです。

 アクセス権をどこまで許可するかは、初めてアプリを起動したときに確認のポップアップが出てきます。もしその権限が必要か分からなければいったん権限をオフにすることをオススメします。アプリ上でその機能が必要になった場合はまたポップアップが出てくるので、その時に改めて判断すれば大丈夫です。

アクセス権限の確認・変更のやり方

 自分がアプリにどの権限を付与しているか、把握しきれていない人は多いと思いますが、設定から簡単に見ることができます。Androidの場合、「設定」>[アプリと通知]>[詳細設定]>[権限マネージャ]で、iPhoneの場合、「設定」>「プライバシー」で、それぞれの機能がどのアプリに権限を付与しているかを確認できます(設定から各アプリを選択しても確認可能です)。その中で「このアプリでこの機能は使ってないな」というものがあればオフにすることができるので、一度確認してみると良いかもしれません。

 アプリを快適に使うためには欠かせないアクセス権限の許可。しかし自分のスマホにある膨大な個人情報と直結する可能性があることを忘れてはいけません。安全にスマホを使うためにも、どの権限を許可するかどうかは慎重に判断するようにしましょう。

<参考サイト>
iPhone上でApp内の情報へのアクセスを制御する│iPhoneユーザガイド
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph251e92810/ios
Androidスマホの「アプリの権限」ってなに?許可してもOK?注意点など解説│TIME&SPACE
https://time-space.kddi.com/mobile/20210928/3172
Android アプリの権限は削除できる?その種類と権限変更の方法や手順│android
https://www.android.com/intl/ja_jp/articles/76/#section-1
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