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世界で最も標高の高い首都ランキング
昨今のキャンプブームを筆頭に、山のレジャーやスポーツを楽しむ人が増えてきましたね。
山に関するドキュメンタリー番組を見ていると、しばしば険しい山の中腹に定住している人々が紹介されることがあります。レジャーであればともかく、「住む」となるととても過酷なように感じられますが、世界には驚くほど標高の高い場所に住む人が少なくありません。中には、富士山に匹敵するほどの高い場所に“首都”を置く国もあるのをご存じでしょうか。
今回は、世界に点在する標高の高い“首都”をご紹介します。
<標高の高い首都ランキング(カッコ内は標高)>
1位:ラパス / ボリビア多民族国(3,640m)
2位:キト / エクアドル共和国(2,850m)
3位:ボゴタ / コロンビア共和国(2,625m)
4位:アディスアベバ / エチオピア連邦民主共和国(2,355m)
5位:ティンプー / ブータン王国(2,334m)
6位:アスマラ / エルトリア国(2,325m)
7位:サヌア / イエメン共和国(2,250m)
8位:メキシコシティ / メキシコ合衆国(2,240m)
9位:テヘラン / イラン・イスラム共和国(1,830m)
10位:ナイロビ / ケニア共和国(1,795m)
(※ランキングはANA「Travel&Life 世界の標高の高い首都」より抜粋)
1位はボリビアのラパスで、その標高は2位のキトを大きく離す3,640m! 富士山の高さが3,776mですから、ほとんど富士山頂と同じ場所に街があるということになります。
南アメリカ大陸のほぼ中央にあるボリビアは、標高4,000m以上のアンデス山脈が国を貫くようにそびえる自然豊かな国。有名なウユニ塩湖があるのもこのボリビアです。
そのボリビア最大かつ世界一の高山都市であるラパスは、アンデスの山々に囲まれた「すり鉢状」の街。人口は70万人ほどですが年々増加傾向にあり、もはや「すり鉢」から溢れて隣町まで市街地が拡大しているとか。
もともと標高の高い場所ですが、街そのものの標高差も激しく、街の低層と上層との差は400m(700mとも)にもなるのだそう。坂道だらけの街ですが、街並みの美しさはウユニ塩湖に匹敵するともいわれ、魅了される観光客は少なくないようです。
なお、ボリビアの首都は憲法上ではスクレという街ですが、国会など主要な行政機関がラパスにあるため、ラパスが実質的な首都として認識されています。
第2位のキトは、ボリビアと同じく南米大陸の国エクアドルの首都。人口はおよそ200万人です。スペイン語で「赤道」を意味するエクアドルは、その名の通り赤道直下の国で、首都キトは赤道からわずか25kmほどの場所にあります。
歴史情緒あふれる街としても知られ、かつて繁栄を誇ったインカ帝国時代、そしてスペイン統治下時代の面影を残す旧市街は「キトの市街」として、世界初の世界遺産12件のうちひとつに選ばれています。
第3位のボゴタも、南米大陸の国コロンビアの首都で、人口はおよそ700万人を有します。その昔は「世界で最も暴力的な街」と言われるほど治安の悪さが際立つ場所でしたが、国の不断の努力により近年は治安が劇的に改善。他の南米大陸の国と同様、ヨーロッパ文化の影響を受けた華麗な旧市街と、高層ビルが並ぶ近代的な新市街が混在した多様性のある街並みが人気の観光都市へと変貌しています。
ではなぜ、2~3,000mもの高い場所に都市が、それも首都が置かれるほど人が集まっているのでしょうか。それには高山特有の気候と植生が大きく関係しています。
通常、山の標高が高くなればなるほど気温・気圧が低くなり、夜間・日中の気温差も激しくなります。こうした高山ならではの気候のことを“高山気候”といいますが、実はこの高山気候は「緯度」によって性質が変わります。
アメリカのロッキー山脈や日本アルプスなど、高緯度に位置する温帯地域の高山気候、いわゆる“温帯高山気候”は、風が強い、雪が多いなど気候条件が悪く、食物も育ちにくいため、人が住むには適しません。
いっぽう、アンデスやエチオピア高原といった赤道に近い場所、つまり低緯度地域の高山気候は“熱帯高山気候”と呼ばれます。熱帯地域の特徴を持ちつつも高地のため冷涼、かつ年間を通して気温差が小さいというのが大きな特徴です。低地がうだるように暑くても、高地に行けば涼しく、快適に過ごせる気候になっているというわけです。
気圧が低いため高山病にかかりやすい、昼・夜の気温差が激しいなど高山特有のデメリットもありますが、そうしたデメリットを克服し、人々がより住みやすい環境を追求していった結果、ラパスやキトのような都市が形成されていったのです。
気になる気温ですが、ボリビアの首都ラパスの年間平均気温は10度前後、エクアドルの首都キトの年間平均気温は13.5度前後といわれています。キトに対してラパスの年間気温は低めですが、それでも日中は15~17度程度まで上がり、最低気温も-5度を下回ることは滅多にないそうです。
もちろん、これらの都市が首都の機能を持つまでになるのは、過ごしやすい気温の影響だけではありません。たとえばラパスであれば、すり鉢状の形状から風の影響を受けにくく、さらに近郊に金山があったため、街として大いに発展する条件が揃っていたことも首都たるゆえんのひとつ。
4位のエチオピアの首都アディスアベバの場合は、かつてエチオピア皇帝がアディスアベバが避暑地かつ敵に攻められにくい地形であることを気に入り、首都に定めたという歴史があります。
いかがでしたでしょうか。こうした高山都市は、いずれも観光地として海外旅行客から人気の高い場所となっています。治安面や高山病のリスクなど注意すべき点はあるものの、それを上回るエキゾチックな魅力に心躍ること間違いなし。一度足を運んでみては。
山に関するドキュメンタリー番組を見ていると、しばしば険しい山の中腹に定住している人々が紹介されることがあります。レジャーであればともかく、「住む」となるととても過酷なように感じられますが、世界には驚くほど標高の高い場所に住む人が少なくありません。中には、富士山に匹敵するほどの高い場所に“首都”を置く国もあるのをご存じでしょうか。
今回は、世界に点在する標高の高い“首都”をご紹介します。
世界の標高の高い首都ランキング
それでは世界の「標高の高い首都ランキング」を見てみましょう。ちなみに日本の首都・東京の標高は40mです。<標高の高い首都ランキング(カッコ内は標高)>
1位:ラパス / ボリビア多民族国(3,640m)
2位:キト / エクアドル共和国(2,850m)
3位:ボゴタ / コロンビア共和国(2,625m)
4位:アディスアベバ / エチオピア連邦民主共和国(2,355m)
5位:ティンプー / ブータン王国(2,334m)
6位:アスマラ / エルトリア国(2,325m)
7位:サヌア / イエメン共和国(2,250m)
8位:メキシコシティ / メキシコ合衆国(2,240m)
9位:テヘラン / イラン・イスラム共和国(1,830m)
10位:ナイロビ / ケニア共和国(1,795m)
(※ランキングはANA「Travel&Life 世界の標高の高い首都」より抜粋)
1位はボリビアのラパスで、その標高は2位のキトを大きく離す3,640m! 富士山の高さが3,776mですから、ほとんど富士山頂と同じ場所に街があるということになります。
南アメリカ大陸のほぼ中央にあるボリビアは、標高4,000m以上のアンデス山脈が国を貫くようにそびえる自然豊かな国。有名なウユニ塩湖があるのもこのボリビアです。
そのボリビア最大かつ世界一の高山都市であるラパスは、アンデスの山々に囲まれた「すり鉢状」の街。人口は70万人ほどですが年々増加傾向にあり、もはや「すり鉢」から溢れて隣町まで市街地が拡大しているとか。
もともと標高の高い場所ですが、街そのものの標高差も激しく、街の低層と上層との差は400m(700mとも)にもなるのだそう。坂道だらけの街ですが、街並みの美しさはウユニ塩湖に匹敵するともいわれ、魅了される観光客は少なくないようです。
なお、ボリビアの首都は憲法上ではスクレという街ですが、国会など主要な行政機関がラパスにあるため、ラパスが実質的な首都として認識されています。
第2位のキトは、ボリビアと同じく南米大陸の国エクアドルの首都。人口はおよそ200万人です。スペイン語で「赤道」を意味するエクアドルは、その名の通り赤道直下の国で、首都キトは赤道からわずか25kmほどの場所にあります。
歴史情緒あふれる街としても知られ、かつて繁栄を誇ったインカ帝国時代、そしてスペイン統治下時代の面影を残す旧市街は「キトの市街」として、世界初の世界遺産12件のうちひとつに選ばれています。
第3位のボゴタも、南米大陸の国コロンビアの首都で、人口はおよそ700万人を有します。その昔は「世界で最も暴力的な街」と言われるほど治安の悪さが際立つ場所でしたが、国の不断の努力により近年は治安が劇的に改善。他の南米大陸の国と同様、ヨーロッパ文化の影響を受けた華麗な旧市街と、高層ビルが並ぶ近代的な新市街が混在した多様性のある街並みが人気の観光都市へと変貌しています。
高山に都市がある理由――――熱帯高山気候が影響していた!
ランキングに入っている国には、南米大陸のアンデス山脈、アフリカ大陸のエチオピア高原、アジア大陸のヒマラヤ山脈やチベット高原と、いずれも世界屈指の高山があるのが特徴です。これら高山にある都市を高山都市といい、長い歴史をかけて発展してきました。ではなぜ、2~3,000mもの高い場所に都市が、それも首都が置かれるほど人が集まっているのでしょうか。それには高山特有の気候と植生が大きく関係しています。
通常、山の標高が高くなればなるほど気温・気圧が低くなり、夜間・日中の気温差も激しくなります。こうした高山ならではの気候のことを“高山気候”といいますが、実はこの高山気候は「緯度」によって性質が変わります。
アメリカのロッキー山脈や日本アルプスなど、高緯度に位置する温帯地域の高山気候、いわゆる“温帯高山気候”は、風が強い、雪が多いなど気候条件が悪く、食物も育ちにくいため、人が住むには適しません。
いっぽう、アンデスやエチオピア高原といった赤道に近い場所、つまり低緯度地域の高山気候は“熱帯高山気候”と呼ばれます。熱帯地域の特徴を持ちつつも高地のため冷涼、かつ年間を通して気温差が小さいというのが大きな特徴です。低地がうだるように暑くても、高地に行けば涼しく、快適に過ごせる気候になっているというわけです。
気圧が低いため高山病にかかりやすい、昼・夜の気温差が激しいなど高山特有のデメリットもありますが、そうしたデメリットを克服し、人々がより住みやすい環境を追求していった結果、ラパスやキトのような都市が形成されていったのです。
気になる気温ですが、ボリビアの首都ラパスの年間平均気温は10度前後、エクアドルの首都キトの年間平均気温は13.5度前後といわれています。キトに対してラパスの年間気温は低めですが、それでも日中は15~17度程度まで上がり、最低気温も-5度を下回ることは滅多にないそうです。
もちろん、これらの都市が首都の機能を持つまでになるのは、過ごしやすい気温の影響だけではありません。たとえばラパスであれば、すり鉢状の形状から風の影響を受けにくく、さらに近郊に金山があったため、街として大いに発展する条件が揃っていたことも首都たるゆえんのひとつ。
4位のエチオピアの首都アディスアベバの場合は、かつてエチオピア皇帝がアディスアベバが避暑地かつ敵に攻められにくい地形であることを気に入り、首都に定めたという歴史があります。
いかがでしたでしょうか。こうした高山都市は、いずれも観光地として海外旅行客から人気の高い場所となっています。治安面や高山病のリスクなど注意すべき点はあるものの、それを上回るエキゾチックな魅力に心躍ること間違いなし。一度足を運んでみては。
<参考サイト>
・富士山レベル! 世界の標高の高い首都(ANA「Travel&Life」)https://www.ana.co.jp/travelandlife/article/000582/
・ボリビアってどんな国?(日本ボリビア協会)
https://nipponbolivia.org/datos/datos_1
・キト市街(阪急交通社)
https://www.hankyu-travel.com/heritage/latinamerica/quito.php
・高山都市 (ブリタニカ国際大百科事典)
https://kotobank.jp/word/%E9%AB%98%E5%B1%B1%E9%83%BD%E5%B8%82-62126
・高山気候(日本大百科全書)
https://kotobank.jp/word/高山気候-495305
・富士山レベル! 世界の標高の高い首都(ANA「Travel&Life」)https://www.ana.co.jp/travelandlife/article/000582/
・ボリビアってどんな国?(日本ボリビア協会)
https://nipponbolivia.org/datos/datos_1
・キト市街(阪急交通社)
https://www.hankyu-travel.com/heritage/latinamerica/quito.php
・高山都市 (ブリタニカ国際大百科事典)
https://kotobank.jp/word/%E9%AB%98%E5%B1%B1%E9%83%BD%E5%B8%82-62126
・高山気候(日本大百科全書)
https://kotobank.jp/word/高山気候-495305
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