テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.10.06

「ゴールド免許」保有者の割合は?

 免許証の帯の色には、グリーン、ブルー、ゴールドの3色があるのをご存じですか。もっとも一般的なのはブルーですが、運転初心者はグリーン、優良運転者はゴールドと、運転者がどの区分になるかをひとめでわかるようにしているのです。

ゴールド免許を持っている人の割合は?

 ゴールド免許という言葉をよく耳にしますが、これは運転免許証を取得した状態が5年以上続いていて、無事故・無違反の運転者に交付されるものです。警察庁が2022年4月に公開した令和3年版の資料によると、優良運転者の割合は全体の62%にのぼり、一般運転者17%、違反運転者14%、新規取得者7%に比べるともっとも多い割合を占めています。ただし、この中には運転をしないペーパードライバーも含まれているため、実際の優良運転者の数は少ないと考えることはできるでしょう。

ゴールド免許のメリットは?

 優良運転者になると、他の区分の運転者に比べていくつかのメリットがあります。特に免許更新の面ではさまざまな点で優遇されているので、紹介しましょう。

 免許の有効期間では違反運転者・初回更新者が3年、70歳以下の優良運転者と一般運転者は5年となっているので、負担を軽減することができます。また、免許更新時にも違反運転者・初回更新者は1350円の手数料で2時間の講習を受ける必要が、一般運転者は800円の手数料で1時間の講習を受ける必要がありますが、優良運転者は500円の手数料で30分の講習で済むという経済的・時間的メリットを受けることができます(更新手数料は一律2500円がかかります)。免許更新の際も運転免許試験場、運転免許センターまで行く必要はなく、地域警察署の指定警察署で完結できるのは優良運転者の特権になります。

 さらに、優良運転者は事故を起こすリスクが低いとみなされるため、任意保険でゴールド免許割引を受けられる場合がありますので、ゴールド免許を取得した際にはすでに契約している保険会社に相談してみると良いでしょう。また、優良運転者だけが申請できるSDカードでは、レンタカーやガソリンスタンドなどさまざまなサービスで優遇を受けることもできます。このカードはゴールド免許を持っていれば自動的にもらえるわけではなく申し込む必要があるので、ゴールド免許の方はぜひ申請してみてください。

一度ゴールド免許を失ってしまったら…

 さまざまな優遇もあるので、一度ゴールド免許になったらその状態を維持できるのが理想ですよね。しかし、事故や違反によって優良運転者から一般運転者・違反運転者になってしまった、うっかり更新を忘れてしまっていたら失効してしまったなど、その資格を失ってしまうこともあります。

 前者の場合は人によってゴールドに戻れるまでの期間は異なるので一概にはいえませんが、最短でいうと、軽微な違反によって一般運転者になった場合、その次の更新ではブルーになってしまいますが、無事故無違反を続ければその次の更新でゴールドに戻ることができます。

 後者のように一度免許を失効してしまった場合には、免許を交付してもらったときにブルーになってしまいます。免許更新のタイミングはゴールドのときと同じ5年経ってからとなりますが、講習は初回更新者講習を受けなくてはならなくなります。

 ゴールド免許を得るとさまざまなメリットがあるので、免許証を持っている方はぜひゴールド免許を持つこと、持ち続けることを目指してみてください。ただし上述の通り、ちょっとした違反やうっかり更新忘れはゴールド免許だからこそ得られる恩恵を無駄にしてしまうことになります。普段の運転からしっかりと気を配り、優良運転者の資格を失わないようにしましょう。

<参考サイト>
・運転免許統計│警視庁
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/menkyo.html
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/menkyo/r03/r03_main.pdf
・運転免許証の色、種類・有効期限について - 千葉県警察
https://www.police.pref.chiba.jp/menkyoka/licence_update-about.html
・優良運転者とは。免許期間や免許更新時の講習、自動車保険のメリット│チューリッヒ保険会社
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-gooddriver-merit/
・SDカード概要|自動車安全運転センター
https://www.jsdc.or.jp/sd/tabid/115/Default.aspx
・違反無しでもゴールド免許がブルーに格下げ? 更新忘れの失効に注意 | くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/85117
・意外と皆知らない!ゴールド免許でいることのメリットや特典 | カーライフお役立ちコラム
https://www.takanodai-ds.jp/blog/knowledge/goldlicense/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌

契機は白村江の戦い…非常時対応の中央集権国家と防人の歌

「集権と分権」から考える日本の核心(2)非常時対応の中央集権と東アジア情勢

律令国家は中国の先進性に倣おうと始まったといわれるが、実際はどうだろうか。当時の日本は白村江の戦いの後、唐と新羅が日本に攻め込むのではないかという危機感から「防人」という徴兵制をつくった。徴兵には戸籍を充実させ...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/25
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
2

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機

「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機

混迷を極める現代社会にあって、「学び」の意義はどこにあるのだろうか。次世代にどのような望みをわれわれが与えることができるのか。社会全体の運営を、いかに正しい知識と方針で進めていけるのか。一人ひとりの人生において...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/08/13
納富信留
東京大学大学院人文社会系研究科教授
3

カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須

カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須

日本のエネルギー政策大転換は可能か?(3)エネルギー政策大転換への提言

洋上や太陽光を活用した発電の素地がありながらその普及が遅れている日本。その遅れにはどのような要因があるのだろうか。最終話では、送電網の強化など喫緊の課題を取り上げるとともに、エネルギー政策を根本的に変換させる必...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/08/24
鈴木達治郎
長崎大学客員教授 NPO法人「ピースデポ」代表
4

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

同盟国よもっと働け…急激に進んでいる「負担のシフト」

トランプ政権と「一寸先は闇」の国際秩序(3)これからの世界と底線思考の重要性

トランプ大統領は同盟国の役割を軽視し、むしろ「もっと使うべき手段だ」と考えているようである。そのようななかで、ヨーロッパ諸国も大きく軍事費を増やし、「負担のシフト」ともいうべき事態が起きている。そのなかでアジア...
収録日:2025/06/23
追加日:2025/08/21
佐橋亮
東京大学東洋文化研究所教授
5

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

ウェルビーイングの危機へ…夜型による若者の幸福度の低下

睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(4)社会的時差ボケとメンタルヘルス

社会的時差ボケは、特に若年層にその影響が大きい。それはメンタルヘルスの悪化にもつながり、彼らの幸福度を低下させるため、ウェルビーイングの危機ともいうべき事態を招くことになる。ではどうすればいいのか。欧米で注目さ...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/08/23
西多昌規
早稲田大学スポーツ科学学術院教授 早稲田大学睡眠研究所所長