社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.10.19

違反なしでも降格?ゴールド免許剥奪の条件

 免許証の帯の色はグリーン、ブルー、ゴールドの3色があります。なかでもゴールド免許になれば免許更新の際に優遇が受けられたり、任意保険で割引が適用されるなど、さまざまなメリットがあるので、一度ゴールド免許になったらその状態を維持していたいものですよね。ゴールド免許を剥奪されるのは事故や違反が原因であることがほとんどですが、それ以外にも条件があるのです。今回はゴールド免許とは何なのか、資格が剥奪されるのはどういう条件なのかをご紹介します。

ゴールド免許とは?

 そもそも免許を取得している運転者は、5つの区分に分けられています。一般運転者、違反運転者、初回更新者、新規取得者、優良運転者とありますが、5年間無事故・無違反だと優良運転者に区分され、交付される免許証の帯の色もゴールドとなるのです。

 ゴールド免許を取得するためには「誕生日の40日前からさかのぼって5年間を無事故無違反」「継続して免許を受けている期間が5年以上」という条件を満たす必要があります。これらの条件のいずれかを満たせなくなるとブルーに降格となってしまうのです。それでは、ゴールド免許が剥奪される具体的な条件を見てみましょう。

違反やケガのある事故

 ゴールド免許を持っている人がケガを伴う事故や違反を起こした場合には、次回の更新の際にブルーに降格となってしまいます。ただし、更新する年の誕生日の40日前から遡った5年間が対象になるため、誕生日の10日前に違反や事故をしてしまった場合、その時はゴールド免許証が発行され、次回の更新の際にブルーに降格することになります。

 違反に関しては厳しく、シートベルトの着用忘れ(1点)などの軽微な違反であっても、減点される場合にはゴールド免許剥奪の条件となってしまいます。一方、事故は、他人をケガさせる交通事故は大幅な減点になるため剥奪の対象となりますが、物損事故であれば減点対象にならないため、ゴールド免許の状態をキープできます。ただし、当て逃げや建造物に損害を与えてしまった場合には減点の対象や行政処分、刑事処分の対象に。ゴールド免許が剥奪される理由になってしまうので気を付けるようにしましょう。

免許を受けている期間が途切れた場合

 5年間の無事故・無違反を続けていたとしても、定められた更新期間中に免許の更新を行わなければ、免許そのものを失効してしまいます。つまり、免許を受けている期間が途切れてしまうので、その後の手続きで免許を再取得したとしてもゴールドではなくブルーに降格してしまうのです。

 ただし、やむをえない理由があって期間内に更新できなかった場合、6か月以内に手続きができれば免許は失効したとみなされないという特例があります。その場合であれば、更新期間を過ぎての手続きでも、引き続きゴールド免許が発行されます。理由と期間を証明する書類が必要になりますが、もし入院していて更新ができなかったなどの場合には一度確認してみるのが良いでしょう。

 違反や事故を起こした場合には剥奪されるゴールド免許ですが、うっかり更新をし忘れても同じようにブルーに降格してしまうことがあるのは盲点だったのではないでしょうか。そうなると再びゴールド免許を取得するまでには時間がかかってしまうので、自分のミスでゴールド免許の資格を失うようなことはないよう気をつけるようにしましょう。

<参考サイト>
・優良運転者とは。免許更新時の優良運転者講習|チューリッヒ
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-gooddriver-merit/
・ゴールド免許剥奪!? 違反なしでも"ブルー免許に格下げ"されるケースとは 「ゴールド維持」は意外と難しい? | くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/549918
・ゴールド免許で違反したらどうなるの?その条件と影響、点数について | 中古車なら【グーネット】
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/42103/
・運転免許の更新を忘れたらどうなる?免許の色とともに解説 | くるくら
https://kurukura.jp/car/210127-70.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾

逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾

逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる

「逆境とは何に逆らうことなのか」「人はそもそも逆境でしか思考しないのではないか」――哲学者鼎談のテーマは「逆境に対峙する哲学」だったが、冒頭からまさに根源的な問いが続いていく。ヨーロッパ近世、ヨーロッパ現代、日本...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/19
2

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割

豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
黒田基樹
駿河台大学法学部教授 日本史学博士
3

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会

渡部昇一氏には、若き頃に留学したドイツでの体験を記した『ドイツ留学記(上・下)』(講談社現代新書)という名著がある。1955年(昭和30年)から3年間、ドイツに留学した渡部昇一氏が、その留学で身近に接したヨーロッパ文明...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/23
渡部玄一
チェロ奏者
4

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス

「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24
三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授
5

「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない

「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない

「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会

アメリカが日本の運命を左右する国であることは、安全保障を考えても、経済を考えても、否定する人は少ないだろう。だが、そのような国であるにもかかわらず、日本人は、本当に「アメリカ」のことを理解できているだろうか。日...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/06
橋爪大三郎
社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授