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DATE/ 2022.10.31

一生に一度は行きたい「日本の離島」5選

 誰もが一度は、海に囲まれた離島で何もせずのんびりと過ごしたい! と考えたことがあるでしょう。日本の離島は絶景、グルメ、固有の動植物、伝統文化など、現地でしか味わえないさまざまな魅力にあふれています。しかし離島はアクセスがしづらく、結局憧れのまま終わってしまう……なんてことも少なくありません。

 とはいえ、もしも行くなら自分にピッタリの離島で過ごしたいですよね。そんな憧れの、一生に一度は行きたい!と思う離島はどこか、阪急交通社がアンケートを実施し、ランキングを発表しました。

 果たしてトップ5に入った離島はどんなところなのでしょうか。それぞれの島の魅力とあわせて解説していきます。

一生に一度は行きたい離島ランキング(2022年)

1位: 屋久島(鹿児島県)
2位: 小笠原諸島(東京都)
3位: 宮古島(沖縄県)
4位: 石垣島(沖縄県)
4位: 佐渡島(新潟県)
6位: 沖縄(沖縄県)
7位: 奄美大島(沖縄県)
8位: 礼文島(北海道)
9位: 種子島(鹿児島県)
10位:軍艦島(長崎県)
(阪急交通社「一生に一度は行きたい離島ランキング」)
※対象:全国の20代以上の男女
※有効回答数:561名
※調査期間:2022/4/14~2022/4/19
※ランキングは自由回答をもとに集計。「沖縄」と「宮古島」「石垣島」は別々に集計、「父島」は「小笠原諸島」に含めるなど阪急交通社の判断で調整。

 ランキングは以上のような結果となりました。阪急交通社によると、「一生に一度」というフレーズから、ランキング上位に入った離島は特にアクセスの難易度が高めの離島が選ばれる傾向にあったとしています。

 また阪急交通社は「離島でしてみたいこと」という内容でも調査したところ「自然を楽しむ」との回答が74.0%と最多となり、続いて「非日常を味わう」で57.9%、「ゆっくり過ごす」という回答が57.2%という結果になったそうです。緑が少ない場所で過ごしている人にとって、離島はまさに大自然のパワーにあふれた秘境。せっかくなら自然の雄大さを思う存分楽しみたいと考えている人が多いということでしょう。

 それではトップ5に選ばれた離島の見どころや、その魅力についてご紹介していきます。
(人口等のデータは、すべて2022年の各市町村HPに掲載されている時点のものになります)

1位「屋久島」

 1位に選ばれたのは、鹿児島県の屋久島でした。人口は1万1,000人ほどで、主な産業は観光業と農業。柑橘のポンカンやタンカンは日本一の生産量を誇ります。

 屋久島といえば、なんと言っても有名なのが幾千年もの歳月をかけて成長した巨木・屋久杉ですね。なかでも「縄文杉」と呼ばれる最大級の屋久杉は樹齢7,200年とされ、まさしく森の神の化身そのもの。「縄文杉を見れば人生観が変わる」とまでいわれるほどその姿は圧倒的で、訪れる人々に不思議な力を与えてくれます。

 そんなパワースポット中のパワースポットともいえる縄文杉へ行くには、早朝、登山口から険しい山道を片道5時間(つまり往復10時間)かけて向かわなければならず、脚力に加え、しっかりとした事前準備が必須です。ツアー会社によっては高齢の方(おおむね65歳以上)はお断りする場合もあるそうですが、とはいえ平均的な体力があれば十分クリアできるそう。チャレンジできるうちに、ぜひとも行っておきたいですね。

<東京→屋久島へのアクセスの例>
まずは東京の羽田空港から鹿児島へ向かいましょう。
【飛行機で】鹿児島空港から、屋久島空港の直行便JAC(日本エアコミューター)で、約40分。
【船で】鹿児島港から、高速船で約2時間30分。またはフェリーで約4時間。

2位「小笠原諸島」

 2位は東京都のリゾート・小笠原諸島。30の島々からなり、有人島の父島・母島をあわせた総人口は2,500人ほど。農業・漁業・観光業が主な産業です。

 小笠原諸島の最大の魅力は、ハハジマメグロ、オガサワラヒヨドリ、ムニンヒメツバキなど、小笠原にしかいない固有の動植物が多数生息していること。独自の進化を遂げた種の多様性は「東洋のガラパゴス」とも称され、世界遺産にも登録されています。

 そんな小笠原諸島にしかない絶景を求める観光客は後を絶ちませんが、島には空港がないため、定期船で行くしかありません。しかも片道24時間、船便は週に1本運行するのみと、アクセスのしづらさが際立ちます。そのため旅程も、定期船が停泊・出港する期間を考慮し、最低でも5泊6日で考える必要があります。

 まさに絶海の孤島ともいえる小笠原諸島ですが、行けるタイミングが限られているからこそ、特別な時に訪れたいですね。

<東京→小笠原諸島(父島・母島)へのアクセス>
東京竹橋桟橋から定期船「おがさわら丸」で片道24時間。

3位「宮古島」

 3位は、昨今人気急上昇中の沖縄県の離島・宮古島。大小6つの島からなる宮古群島の中で最も大きな島で、人口は約5万5,000人。主な産業は農業や観光業で、近年はトライアスロンの国際大会やプロ野球のキャンプ開設など、スポーツ・レジャーの島としても注目されています。

 宮古島の最大の魅力は“ミヤコブルー”とも称される透明度抜群の青い海。特に「東洋一美しいビーチ」と名高い与那覇前浜(よなはまえはま)ビーチや、宮古島と各島を結ぶ来間大橋、池間大橋、伊良部大橋の3つの橋は、絶景スポットとして知られています。どこまでも続く一筋の長い橋をドライブしながら眺める大海原の景色は、一生の思い出になること間違いなし。もちろん、マリンレジャーも充実していますし、夜の星空鑑賞も人気です。

 宮古島へのアクセスは、現在は空の便のみとなります。しかし東京や大阪など各主要都市から直行便が出るようになったため、大変行きやすくなりました。ただ那覇空港を経由したほうが便数は増え、割安になる可能性も。近年の人気の高まりからか観光ツアーも充実していますので、お好みで選びましょう。

<東京→宮古島へのアクセス>
東京(羽田空港)から直行便(JAL、ANA、スカイマークなど)で、約3時間。
または、東京(羽田空港)から沖縄(那覇空港)経由で、約4時間30分~5時間30分。

4位「石垣島」

 4位は、日本屈指の常夏の楽園・石垣島です。沖縄本島から飛行機で1時間程度の場所にある八重山諸島の主島で、人口は約5万人弱。農業・観光業のほか畜産、水産業も盛んで、特産物が豊富です。日本のみならず海外からも人気で、リピーターも少なくありません。

 昔から観光の島として発展したためか、のんびりとした風景が続く宮古島と違い、比較的にぎやかで都会的な施設が充実しています。とはいえ、川平湾やフサキビーチをはじめとした美しい海、稀少な青サンゴが見られる白保海岸、熱帯植物が生い茂るバンナ公園など、大自然を堪能できるスポットが満載。今日はビーチ、明日はトレッキング、最終日はショッピング……などなど、さまざまな楽しみ方ができるのが石垣島最大の魅力でしょう。

 アクセスは宮古島同様、主要都市から直行便が出ています。もちろん、沖縄本島から行く便数も豊富です。いずれも空の便だけですが、思い立てばサクッと気軽に行ける点は嬉しいですね。

<東京→石垣島へのアクセス>
東京(羽田空港)から直行便(JAL、ANA、ピーチなど)で、約3時間10分。
または、東京(羽田空港)から沖縄(那覇空港)経由で、約4時間~5時間。

4位「佐渡島」

 同率で4位に選ばれたのが、新潟県の佐渡島。8位の北海道の礼文島とともに、南国ではない島としてランクイン入りを果たしています。とはいえ、他の南の島と比べるとあまりよく知らない…という人も多いのではないでしょうか。

 実は佐渡島は対馬海流の影響で、夏は涼しく冬は温暖で積雪が少ないという非常に恵まれた気候を持っているのです。人口は5万人ほどで過疎化は進んでいるものの、平野部が多く、商店や病院、公共施設も充実しています。自然にあふれ、かつ住みやすい環境から、近年は県外からの移住者が増加中。特産はお米(コシヒカリ)をはじめ、海の幸も豊富です。

 移住地として注目を集めている佐渡島ですが、リゾート地としてももちろん魅力に溢れています。山間部が少なく熊やイノシシ、サルなどが出没しない(!)ため、高原のハイキング、渓流釣りなど、アウトドアレジャーを安心して楽しむことができます。海のレジャーでは、名物のたらい舟が観光客に人気です。

 しかし一番の見どころは、世界遺産の登録を目指す史跡・佐渡金山でしょう。江戸時代に開山して以来400年、世界有数の金山として日本経済を支えた歴史ある鉱山跡で、外観はまるで時が止まったかのような姿から“佐渡のラピュタ”の異名も。近くにある佐渡西三川ゴールドパークでは砂金取り体験もすることができますよ。

 佐渡島へ行くためには、新潟県の新潟港、または直江津港から出る船に乗る必要があります。東京から向かう場合、新潟港~両津港の航路が一般的です。

<東京→佐渡島へのアクセス>
上越新幹線で新潟駅、または成田空港で新潟空港まで向かったのち、新潟港へ。新潟港~両津港までは、カーフェリーまたはジェットフォイルに乗船します。
【新潟駅から】バスまたはタクシーで新潟港まで、約2時間30分~3時間。
【新潟空港から】路線バスミニライナーまたはタクシーで新潟港まで、約1時間~1時間30分。
新潟港からカーフェリー:約2時間30分。
新潟港からジェットフォイル:約1時間。

 いかがでしたか。自然豊かな離島は、仕事に家事、育児、介護と、忙殺されがちな人にこそ、うってつけの旅先です。“夢のまた夢”にするにはもったいない! ぜひ、一度足を運んでみてくださいね。

<参考サイト>
・一生に一度は行きたい離島ランキング!~小笠原諸島が2位に! 1位はどこ? 阪急交通社が調査結果を公開~(阪急交通社)
https://blog.hankyu-travel.com/newsrelease/2022/08/rito.php
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