テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
DATE/ 2022.11.07

外国人に人気な「日本製品」5選

 「日本経済は弱くなった」と連日のように報道されている昨今。とはいえ、海外から見る日本製品への評価は依然として高く、とりわけインターネットで日本製品を買う外国人が増えているといいます。

 海外では、どんな日本製品が人気なのでしょうか? 各調査サイトから特に外国人に人気といわれる日本製品を、5つピックアップしてご紹介します!

海外に人気の日本製品その1:「車やバイクのパーツ類」

 海外で人気の日本製品といえば、自動車やバイクがその筆頭でしょう。トヨタやホンダ、スズキといった日本の自動車メーカーへの信頼度は今も昔も高く、外国で最も売れている車は現地のメーカーではなく日本車ということも少なくありません。

 特に昨今は、車やバイクの部品(オートパーツ)が注目されています。日本との主な取引先はアメリカで、年々その取引額は右肩上がり。オンラインマーケットプレイス『eBay(イーベイ)』の担当者によると、アメリカで車関連のDIYが盛んになっていること、半導体不足の影響でアメリカ国内の車部品の価格が高騰しており、日本のECサイトから安く輸入する人が増えていること、エコ意識の高まりから中古品に対する心理的ハードルが下がり、中古パーツの取引が増えたことなどが、取引額上昇の理由だとしています。

海外に人気の日本製品その2:「医薬品」

 風邪薬や胃腸薬、湿布薬など、処方箋がなくても手に入る医薬品は、実は外国人にニーズが高い商品です。韓国や台湾などアジアのドラッグストアでは日本でもおなじみの胃腸薬『キャベジン』や『強力わかもと』、肩こりを解消する『ピップエレキバン』などが店頭に並べられ、すっかり定着しているとか。

 また中国のネットサイトでは『サロンパス』『熱さまシート』『アンメルツヨコヨコ』『龍角散』ほか日本製の医薬品12種類を“神薬”と呼び、「日本に行ったら必ず買うべき医薬品」として紹介しています。

 また目薬やマスク、歯ブラシも外国人に人気の日本製品。目薬は清涼感ある差し心地が、マスクは息苦しさを抑える工夫がつまった機能性が、歯ブラシは歯の形状に合わせた種類の豊富さが受けているそう。

海外に人気の日本製品その3:「伝統工芸品」

 「エキゾチック・ジャパン」という言葉があるように、海外の人にとって日本の伝統文化、工芸品は、この上ない魅力にあふれています。

 その中でも特に熱視線を浴びているのは、有田焼、美濃焼、伊万里焼といった「焼き物」、そして包丁やハサミなどの「刃物」です。芸術性の高さはもちろんのこと、何より実用品としてのクオリティの高さ、耐久性が人気の秘密。特に刃物は、海外の職人の愛用者が多いことでよく知られています。

 もちろんこうした実用品だけでなく、招き猫や木彫りの熊といった置物、細工物なども人気で、日本の伝統工芸品を集める海外コレクターも数多く存在しています。

海外に人気の日本製品その4:「文房具」

 日本の文房具は、種類が豊富かつ非常に使い勝手がいいことで外国人に大人気です。中でもボールペンやインクが消えるペンのような筆記具は、比較的安価なのにインクも途切れず、最後までストレスなく使えること、さらにデザイン性もよい点が高く評価されています。

 筆者も以前、海外でボールペンを買って使ったことがありますが、紙の上で書いた時にザラザラとして書きにくかったうえ、あっというまにインクが出なくなってしまいました。日本に住んでいると当たり前すぎてほとんど意識しないペンの「書き心地」は、日本の文房具が誇るべき美点なのかもしれません。

海外に人気の日本製品その5:「ホビーグッズ」

 日本経済の一翼を担うまでに成長した日本のアニメ産業。外国人がイベント会場で自作のコスプレを披露したり、アニメの聖地といわれる場所に外国人観光客が殺到したりする光景は、もはや珍しいものではなくなりました。

 そんなアニメ業界は、アニメ本編もさることながらフィギュアやカードなど関連グッズの売り上げが産業の支柱となっています。中でも数量限定品などレアものは、日本人はもちろん、外国人のアニメファンにとっても喉から手が出るほどほしいもの。SNSでの取引や物々交換、ネットショップを介して何とか手に入れるという人が多いようです。

海外向けのネット販売“越境EC”が活況!人気の日本製品とは

 これまで外国人が日本製品を手に入れるためには、現地の日本法人の店で買うか、もしくは直接日本を訪れて買うのが主流でした。

 しかし、コロナ禍での巣ごもり生活を機に、昨今はネットショップを利用する人が急増。そこで海外の顧客を取り込もうと、海外向けのECサイト、いわゆる “越境EC”を開設する中小メーカーや卸売業者が増えています。経済産業省の調査によると、2020年の世界の越境ECの市場規模は約89兆円となり、今後7年間で500兆円を超える見込みだそうです。

 そんな越境ECの売れ筋商品は、「紙おむつ」「粉ミルク」といったベビー用品、そして「化粧品(コスメ)」。身体に入れるものや肌に直接触れるものに関しては、品質管理が厳しく衛生面でも安心な日本製品を選ぶ人が多いようです。

 また、昨今では、家電や工芸品のほか、日本ではあまり知られていないニッチなものもECサイトで手軽に購入できるようになってきました。日本では一部の人にしか売れなかったものが、海外では大人気を博すという現象も見受けられ、個人でECサイトを立ち上げる人も増加しています。

 店舗を持たずに海外進出できる敷居の低さもあり、越境ECはますます増えていくことでしょう。今後はどんな日本製品が海外へ羽ばたいていくのか、注目したいですね!

<参考サイト>
・コロナ禍で急成長の「越境EC」、海外で人気の日本製商品とは(DIAMOND ONLINE)
https://diamond.jp/articles/-/294353
・日本のクルマ・バイク部品が海外で人気? eBay担当者に聞く背景(マイナビニュース)
https://news.mynavi.jp/article/20220203-ebay/
・12の神薬(しんやく)とは?中国人と台湾人に人気・その理由・成功企業の3つの戦略(訪日ラボ)
https://honichi.com/news/2019/05/27/shinyakutoha/

あわせて読みたい