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DATE/ 2022.12.13

「クレーン」はどうやってビルの上に載せるのか

 高層ビルや大型建造物の建設現場の近くを通ると、ビルの上にクレーンが載っている光景を目にすることがありますよね。あれだけの大きなクレーンをどうやってビルの上まで載せているんだろうと疑問に思ったことはないでしょうか?今回はそんなビルの上のクレーンについて調べてみました。

高い建物の建設に欠かせないタワークレーン

 そもそもクレーンとは重い荷物や巨大な荷物を吊り上げて運ぶためのもの。高層ビルや大型建造物では何十メートルの高さに数トンにも及ぶ荷物を持ち上げるなどの作業が必要なため、タワークレーンは欠かすことのできない存在です。車に搭載されたクレーンと異なり、工事現場で組み立て・解体されるという特徴も持っているため、入退場の経路の確保や待機場所にも困ることはありません。

タワークレーンはどうやってビルの上まで登っているのか

 高い場所での作業に欠かせないタワークレーンですが、建物そのものを台座として使用する「フロアークライミング」と、建物の外側に台座と柱をつくる「マストクライミング」の2種類の方式があります。

 フロアークライミング方式は、クレーンを据えつける台座を建物の内部に作り、作業する高さが高くなると、その台座を1階から2階のフロアに、2階から3階のフロアにと建物をよじ登っていくやり方になります。屋上にクレーンが載っている光景はフロアークライミング方式によるものだということが分かりますね。

 一方のマストクライミング方式では、ビルの外側に台座を作り柱(マスト)を立ててクレーンを設置するやり方になります。作業する高さが高くなると、マストを上部に継ぎ足してクレーンの高さをあげていきます。建物の外側に設置するため、組み立てと解体が容易にできるというメリットがあります。

どうやってクレーンを解体するのか?

 タワークレーンが登っていく仕組みは分かりましたが、逆に解体するときはどのようにしているのでしょうか。

 フロアークライミング方式の場合には、建設時に使ったタワークレーンで解体用の少し小さなクレーンを屋上に吊り上げて設置します。その解体用のタワークレーンで建設時に使ったクレーンを解体して、次にその解体用のタワークレーンを解体するためのさらに小さなクレーンを屋上に設置して…と少しずつ小さくしていき、最後には手作業で最後に使ったクレーンを解体し、人の手によってエレベーターなどを使って地上へ降ろして完了となります。

 マストクライミング方式の場合にはシンプルで、クレーンを高くするために伸ばしたマストを逆にマストを外していって、クレーンの高さを小さくしていきます。そして最後に地上で解体できる高さになったところで解体し、完了となるのです。

 いかがでしたか? 何気なく見ている工事現場のタワークレーンにも2つの方式があること、高層部分を作ったクレーンがどのように組み立てられて解体していくのかお分かりいただけたのではないでしょうか。もし高層ビルの建設現場のそばを通ったときには、ぜひどんなクレーンを使っているのか見てみてくださいね。

<参考サイト>
・タワークレーンの特徴・仕組み|タワークレーン特設サイト:大林組
https://www.obayashi.co.jp/towercrane/study/feature.html
・鹿島の現場見学ツアー | ようこそ! 鹿島の建設現場へ | 鹿島建設株式会社
https://www.kajima.co.jp/enjoy/const_archi/tour/index.html
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橋爪大三郎
社会学者 東京科学大学名誉教授 大学院大学至善館教授
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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授