テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2023.02.09

バイクで「自転車レーン」を走るのは違反?

 通勤や宅配で自転車に乗る人が増えています。このような状況の変化を受けて、自転車用の走行スペースが拡充されているようです。ただしバイクや原付などの二輪車も入りやすいスペースではあります。ではこういったスペースをバイクや原付などが走ることは果たして違法なのでしょうか。

「自転車専用通行帯」をバイクなどが走ることは違法

 結論から言えば「自転車専用通行帯」をバイクなどが走ることは違法です。また、原則的にバイクだけでなく自転車以外は車も歩行者も通行することはできません。同様に駐停車も禁止(ただし駐停車禁止エリアに指定されていない場所での人や荷物の乗降など短時間であれば可能)です。つまり「自転車専用通行帯」は文字通り自転車専用の通行場所です。

 「自転車専用通行帯」には、路面にカラー(一般的には青)か青い矢羽根マークがペイントされているのに加えて、「自転車マーク」と「専用」という文字が示された標識があります。このペイントと標識の2つはセットです。どちらかがない場合は「自転車専用通行帯」とは認められません。もし、ここをバイクが走行した場合は、「通行区分違反」として反則金6000円、違反点数1点が科せられることになります。

「自転車ナビマーク」「自転車ナビライン」上の通行は違法ではない

 ここでややこしいのは、「自転車専用通行帯」によく似た「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」がペイントされた道路がある点です。「自転車ナビマーク」は、一般的に路面に自転車のマークと矢羽根がペイントされている場合が多いようです。また「自転車ナビライン」は、路面に青い矢羽根マークだけがペイントされています。いずれも「自転車専用」の道路標識はありません。これらは法定外表示、つまり自転車が走る場所を整理するためだけの表示です。

 「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」は自転車が歩道を走ってしまうことを避けるため、また自転車が逆走してくるのを避けるために明示されています。警視庁のウェブサイトではこれらについて「自転車運転者及び自動車ドライバーに対し分かりやすく周知し、実効性を高めることを目的として設置しているものです。」と明示しています。いわば自転車が本来通るべき場所を明示している表示ということのようです。

どちらにせよバイクは走らないほうが良い

 ということで、法的拘束力があるのは「自転車専用通行帯」です。標識があって自転車専用と示されていれば、そこは「自転車専用通行帯」なので、バイクは侵入することはできません。一方で、「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」のみがある道路であれば、バイクが走ることは違法ではありません。ただしこの表示がある場所は、もともと自転車の通行量も多いことが想定されます。このことから危険が大きいことは意識しておく必要があります。

 自転車とバイクであればバイクの方が速くパワーもあります。ぶつかれば大きな事故になることは想像に難くありません。バイクに乗っている場合、なるべく避けると考えた方がいいのではないでしょうか。また自転車に乗る時には、「自転車ナビマーク」や「自転車ナビライン」があったとしても、自転車が保護される場所ではないという点も意識しておきましょう。バイク、自動車、歩行者には十分な注意を払う必要があります。

<参考サイト>
自転車ナビマーク・自転車ナビライン|警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/navimark.html
自転車ナビマーク・ナビラインをバイクで走っても良いのか|バイクのニュース
https://bike-news.jp/post/230860
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

叩き潰せ、正しいのは自分だけ…ロイ・コーンの教えとは

叩き潰せ、正しいのは自分だけ…ロイ・コーンの教えとは

[深掘り]世界を壊すトランプ関税(1)トランプ大統領の動機と思考

トランプ政権が発表した関税政策は、世界を大きな混乱に落とし込んでいる。はたして、トランプ大統領の「動機」や「思考」の淵源とはいかなるものなのか。そして世界はどうなってしまうのか。

島田晴雄先生には、...
収録日:2025/04/15
追加日:2025/04/25
2

共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」

共生への道…ジョン・ロールズが説く「合理性と道理性」

危機のデモクラシー…公共哲学から考える(5)共存・共生のための理性

フェイクが含まれた情報や陰謀論が跋扈する一方、多様性が尊重されるようになり多元化する人々の価値観。そうした現代社会で、いかにして私たちはともに公共性を保って生きていけるのか。多様でありながらいかに共存・共生でき...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/04/25
齋藤純一
早稲田大学政治経済学術院政治経済学部教授
3

水にビジネスチャンス!?水道事業に官民連携の可能性

水にビジネスチャンス!?水道事業に官民連携の可能性

水から考える「持続可能」な未来(8)人材育成と水道事業の課題

日本企業の水資源に関するリスク開示の現状はどうなっているか。革新的な「超越人材」を生み育てるために必要な心構えとは何か。老朽化する水道インフラの更新について、海外のように日本も水道事業に民間資本が入る可能性はあ...
収録日:2024/09/14
追加日:2025/04/24
沖大幹
東京大学大学院工学系研究科 教授
4

太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない

太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない

ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系

銀河の中心にある巨大なブラックホールは一体何なのか。それを考えるためには、宇宙にある数多の銀河の構造について正しく理解する必要がある。私たちが住むこの太陽系は、天の川銀河という巨大な銀河のごくごく小さな一部分で...
収録日:2018/10/31
追加日:2019/03/26
岡朋治
慶應義塾大学理工学部物理学科教授
5

実は考古学者と人類学者で違う!? 渡来系弥生人の定義

実は考古学者と人類学者で違う!? 渡来系弥生人の定義

弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(6)弥生人のDNA

後の二重構造説の見直しにつながっていく「ヤポネシアゲノムプロジェクト」は、これまで手薄だった弥生人のDNA分析によって、古代人の分布について新たな見方を示した。そして、鳥取県にある青谷上寺地遺跡の調査では、現代日本...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/23
藤尾慎一郎
国立歴史民俗博物館 名誉教授