社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
ロボットにも奪われない「将来も安泰な仕事」って!?
景気が良くなると、商品やサービスがよく売れるようになるので人手不足になり、雇用が改善し、失業率が下がる。逆に景気が悪くなると、ものが売れなくなるので、人手が余り、雇用が悪化し、失業率が上がる。
私たちが、いい仕事にありつけるかどうかは、このように経済の状態が大きく関わっている。要するに、景気が良ければ、仕事も見つかりやすいし、給料も上がりやすい。逆に景気が悪ければ、仕事はなかなか見つからないし、給料も上がりにくくなる。
技術的失業というのは、人間のしていた仕事を、機械が代わりに行うことで生まれる失業のことだ。
機械が人間の仕事を奪うという現象は、実は200年以上前にもあった。19世紀前半頃、産業革命真っ最中のイギリスでの出来事だ。
それまで職人の手で織られていた織物が、水力や蒸気機関の力で動く機械によって大量生産されるようになっていったのだ。機械の力で大量に安く出来るようになった結果、従来の職人たちは仕事を失い、やがて機械を打ちこわしてまわる暴動(ラッダイト運動)まで発生するようになった。
農業や資源の採掘のような一次産業、織物のような原料を商品に加工する二次産業が機械化し生まれた大量の余剰労働力は、事務仕事や企画、接客やサービスの提供といった三次産業へと流れていった。
その結果、オフィスワークや飲食やレジャー、情報産業など様々なサービスが開発され、豊かな消費社会が生まれた。つい100年や200年前は、一次産業や二次産業に従事する労働者がほとんどだったのだ。
つまり人間がやってきた仕事を機械が代わって行うことで、人間の労働力は一次産業から二次産業へ、二次産業から、三次産業へと大きくシフトしていった。
さて、現代は、コンピュータ技術とロボットの精密化によって、三次産業の分野にまで機械が進出してきている。
データ入力、会計、法務、レジ打ち、株の取引き、音楽の演奏、記事の執筆、接客、運転、音楽プロデュース、デザイン、料理、マッサージ...etc.
こういった仕事が次々と機械にとって代わられつつある。三次産業の次は、人間はどこへ向かえばいいのだろうか?
しかし、この人たちは全体から見れば極めて少数のエリート。一部の人しかそういった能力は持ち合わせていないし、また一部の人間しか、そもそも必要ではないのだ。
一方、同じ企画、会計、法務、プログラマーでも、上記のような人々から指示をもらって仕事をしていた人たちは、機械に仕事を奪われていくだろう。
だから、指示を待つというよりも、自らプロジェクトを作っていくような動きをする人材がこれからは求められるということだ。
また、手仕事でこだわりの製品やサービスを作る人も残っていくだろう。手間暇をかけたハンドメイドのぬくもりや、ひとつひとつ丁寧に育てた肉や野菜、まだまだ機械には追いつけない細やかで配慮の行き届いたサービスなど、少数しか供給できないが、高付加価値な仕事はこれからも残っていくだろう。
その他にも、経済的な競争から降りてしまって、自給自足のコミュニティを作るという、ハイテクに逆行する動きもあり得る。幸せに暮らすためには、世の中の流れに常に追いついていなければならないというわけではない。
私たちが、いい仕事にありつけるかどうかは、このように経済の状態が大きく関わっている。要するに、景気が良ければ、仕事も見つかりやすいし、給料も上がりやすい。逆に景気が悪ければ、仕事はなかなか見つからないし、給料も上がりにくくなる。
景気ではなく、技術が雇用悪化の原因に?
しかし、今後は景気の良し悪しに関わらず、どんどん人が切られていくという説がある。それは、「技術的失業」と呼ばれる。技術的失業というのは、人間のしていた仕事を、機械が代わりに行うことで生まれる失業のことだ。
機械が人間の仕事を奪うという現象は、実は200年以上前にもあった。19世紀前半頃、産業革命真っ最中のイギリスでの出来事だ。
それまで職人の手で織られていた織物が、水力や蒸気機関の力で動く機械によって大量生産されるようになっていったのだ。機械の力で大量に安く出来るようになった結果、従来の職人たちは仕事を失い、やがて機械を打ちこわしてまわる暴動(ラッダイト運動)まで発生するようになった。
技術的失業が豊かな社会を作っていった
しかし、暴動も長くは続かなかった。技術的失業のショックは、今までになかった新たな雇用が生まれることで、ゆるやかに吸収されていったのだ。農業や資源の採掘のような一次産業、織物のような原料を商品に加工する二次産業が機械化し生まれた大量の余剰労働力は、事務仕事や企画、接客やサービスの提供といった三次産業へと流れていった。
その結果、オフィスワークや飲食やレジャー、情報産業など様々なサービスが開発され、豊かな消費社会が生まれた。つい100年や200年前は、一次産業や二次産業に従事する労働者がほとんどだったのだ。
つまり人間がやってきた仕事を機械が代わって行うことで、人間の労働力は一次産業から二次産業へ、二次産業から、三次産業へと大きくシフトしていった。
さて、現代は、コンピュータ技術とロボットの精密化によって、三次産業の分野にまで機械が進出してきている。
データ入力、会計、法務、レジ打ち、株の取引き、音楽の演奏、記事の執筆、接客、運転、音楽プロデュース、デザイン、料理、マッサージ...etc.
こういった仕事が次々と機械にとって代わられつつある。三次産業の次は、人間はどこへ向かえばいいのだろうか?
これからも残る仕事と働き方
今後、まだまだ安泰なのは、まずは機械に指示を与える側の人間だろう。商品やサービスの企画やマーケティングをしたり、会計や法務でも特に中心的な部分を担ったり、複雑な機械やコンピュータの設計をする立場の人々だ。高度な知識とともに、創造的な能力も問われる。しかし、この人たちは全体から見れば極めて少数のエリート。一部の人しかそういった能力は持ち合わせていないし、また一部の人間しか、そもそも必要ではないのだ。
一方、同じ企画、会計、法務、プログラマーでも、上記のような人々から指示をもらって仕事をしていた人たちは、機械に仕事を奪われていくだろう。
だから、指示を待つというよりも、自らプロジェクトを作っていくような動きをする人材がこれからは求められるということだ。
また、手仕事でこだわりの製品やサービスを作る人も残っていくだろう。手間暇をかけたハンドメイドのぬくもりや、ひとつひとつ丁寧に育てた肉や野菜、まだまだ機械には追いつけない細やかで配慮の行き届いたサービスなど、少数しか供給できないが、高付加価値な仕事はこれからも残っていくだろう。
その他にも、経済的な競争から降りてしまって、自給自足のコミュニティを作るという、ハイテクに逆行する動きもあり得る。幸せに暮らすためには、世の中の流れに常に追いついていなければならないというわけではない。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
55年体制は民主主義的で、野党もブレーキ役に担っていた
55年体制と2012年体制(1)質的な違いと野党がなすべきこと
戦後の日本の自民党一党支配体制は、現在の安倍政権における自民党一党支配と比べて、何がどのように違うのか。「55年体制」と「2012年体制」の違いと、民主党をはじめ現在の野党がなすべきことについて、ジェラルド・カ...
収録日:2014/11/18
追加日:2014/12/09
5Gはなぜワールドワイドで推進されていったのか
5Gとローカル5G(1)5G推進の背景
第5世代移動通信システムである5Gが、日本でもいよいよ導入される。世界中で5Gが導入されている背景には、2020年代に訪れるというデータ容量の爆発的な増大に伴う、移動通信システムの刷新がある。5Gにより、高精細動画のような...
収録日:2019/11/20
追加日:2019/12/01
マスコミは本来、与野党機能を果たすべき
マスコミと政治の距離~マスコミの使命と課題を考える
政治学者・曽根泰教氏が、マスコミと政治の距離を中心に、マスコミの使命と課題について論じる。日本の新聞は各社それぞれの立場をとっており、その報道の基本姿勢は「客観報道」である。公的異議申し立てを前提とする中立的報...
収録日:2015/05/25
追加日:2015/06/29
BREXITのEU首脳会議での膠着
BREXITの経緯と課題(6)EU首脳会議における膠着
2018年10月に行われたEU首脳会議について解説する。北アイルランドの国境問題をめぐって、解決案をイギリスが見つけられなければ、北アイルランドのみ関税同盟に残す案が浮上するも、メイ首相や強硬離脱派はこれに反発している...
収録日:2018/12/04
追加日:2019/03/16
健康経営とは何か?取り組み方とメリット
健康経営とは何か~その取り組みと期待される役割~
近年、企業における健康経営®の重要性が高まっている。少子高齢化による労働人口の減少が見込まれる中、労働力の確保と、生産性の向上は企業にとって最重要事項である。政府主導で進められている健康経営とは何か。それが提唱さ...
収録日:2021/07/29
追加日:2021/09/21