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DATE/ 2023.06.18

トラックの「危」「毒」「高圧ガス」マークは何?

 トラックやタンクローリーなどの後ろを見ると、「危」「毒」「高圧ガス」といったマークが入っている場合があります。中にはこれらの表示が複数ついている車もあるようです。それぞれ具体的にはどのような違いがあり、それぞれ何を運んでいるのでしょうか。

「危」のマークが意味するもの

 ます「危」のマークから見てみましょう。黒字に蛍光の黄色で記載されていることから、なかなか強いアピール力があります。この表示がついている車が運んでいるものは、消防法上で第1類から第6類までに分類されている危険物です。これらは「引火性液体」や「可燃性固体」、「禁水性物質」、「酸化性液体」などなど。比較的私たちがイメージしやすいものは、弟4類に分類されるガソリンや軽油、灯油といった「引火性の液体」かもしれません。

 ほかにも第2類には、硫黄やマグネシウムなど「火炎により着火しやすい固体又は比較的低温(40℃未満)で引火しやすい固体」が分類されています。こういった物質に関しては、一度に運ぶことのできる量がそれぞれ個別に決められています。この制限量を越えて運ぶ際にはこのマークを付ける必要があります。

 またタンクローリー(消防法上の「移動タンク貯蔵所」)で危険物を運搬することを、「移送」と呼び、ドラム缶などの運搬容器に入れて危険物を運ぶことは「運搬」と分けて定義されています。タンクローリーで危険物を「移送」する際には、危険物の種類に応じて必要な範囲の資格を持った「危険物取扱者」が乗務し、「危険物取扱者免状」を携帯している必要があります。

「毒」のマークが意味するもの

 次に「毒」のマークについて。こちらは黒字に白文字で記されています。このマークがついた車が運んでいるものは、毒物及び劇物取締法において「毒物」や「劇物」に指定されている物質です。また、これらを積載量5000kg以上運んでいるときに表示する義務があります。

 ここでの「毒物」や「劇物」で比較的イメージしやすいものとしては、アンモニアや、塩素などといったものが挙げられます。こういった物質を運ぶ際には、車両には防毒マスクやゴム手袋などの保護具を2人分以上備えている必要があります。また応急措置の内容を記載した書面(イエローカード)も備えている必要があります。

「高圧ガス」のマークが意味するもの

 続いて「高圧ガス」と表示のある車について。「高圧ガス」は黒の背景に蛍光の黄色文字で記されます。この表示のある車が運んでいるものは、「高圧ガス保安法」で定められた「可燃性ガス」や「酸素」、「毒性ガス」、「液化石油ガス」、「特殊高圧ガス」などです。

 これらの高圧ガスを、その種類に応じて規定された量以上を積んだ車には、この表示が必要です。同時に「高圧ガス移動監視者(高圧ガス移動監視者講習を修了した者)」の資格を有している人が、修了証を携帯して乗車している必要があります。また車にはその毒性ガスの種類に応じた防毒マスク、保護手袋などもしもの時に備えた装備品を積んでおく必要があります。

道路にはあらゆる車がいる

 「危険物」に関しては「消防法」が定め、総務省消防庁が管轄しています。「毒物」について定めるのは「毒物及び劇物取締法」で、管轄するのは厚生労働省。「高圧ガス」に関しては「高圧ガス保安法」で管轄するのは経済産業省と、法律や管轄する機関はそれぞれに異なります。それぞれに積載物の数量や運ぶ容器なども細かく法令で定められています。

 ほかにも「火」のマークが付けられた火薬類を輸送する車両や、放射性同位元素を輸送する車両もあります。道路にはこういったさまざまな車が走っています。こういった危険性のある物質を運ぶ車にはさまざまな安全対策が施され、ここに挙げた以外にも厳密なルールが存在します。もし、こういった車が事故に巻き込まれたら、甚大な被害が起こることは想像に難くありません。道路はあらゆる人の共有物です。お互いに譲り合って運転することを、常に頭に置いておきましょう。

<参考サイト>
危険物輸送の基本│全日本トラック協会
https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/publication/kenshu_text5.pdf

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