高速道路で適度な車間距離を保つ方法
車間距離不足は追突事故につながります。警察庁が発表している累計別の交通事故発生件数での構成比を見ると、令和2年(2020年)における交通事故で最も多いのは「追突事故(30.9%)」です。ついで「出会い頭衝突(25.7%)」、「右・左折時衝突(13.4%)」となっています。資料では平成22年(2010年)から記載がありますが、いずれの年もおおよそ同じような割合となっています。車間距離不足が大きな問題であることがわかります。一方で、詰め過ぎるのは怖いからとあまりに距離をとってしまえば、割り込みにあったり、渋滞につながったりすることもあります。適切な車間距離とはどのくらいなのでしょうか。
「停止距離」は「空走距離」と「制動距離」を足した距離のことです。運転者が危険を感じてからブレーキを踏んで実際にブレーキが利き始めるまでには意外と時間が掛かっています。このときに進む距離が「空走距離」です。またここから実際に車が止まるまでの距離が「制動距離」となります。もし80km/hで走行していた場合、「空走距離」は22m程度、「制動距離」は54m程度なので、これを合わせた「停止距離」は76mとなります。
つまり、前の車から76m以上の距離をとって走行していなければ衝突します。「停止距離」はスピードが速ければ速いほどは伸びます。90km/hで走行していた場合の「空走距離」は25m、「制動距離」は68mで「停止距離」は93m。100km/hで走行していた場合は、「空走距離」は28m、「制動距離」は84mとなり「停止距離」は112mです。思っていたよりも車間距離は広いと感じる人は多いかもしれません。さらに、雨の日やタイヤがすり減っていたりした場合、約1.5倍から2倍程度長くなります。
近くに車間距離確認表示板などがないときには、「0102(ぜろいちぜろに)運動」が役に立つかもしれません。やり方としては、まず前の車がある目安となる地点を通過したタイミングで、ゆっくりとカウントを開始します。ここから「ゼロ、イチ、ゼロ、ニ」と言葉を発し、ちょうど「ニ」のときに自分の車が初めに定めた地点を通過していれば、OKとするものです。もともと埼玉県警が提唱しているものですが、もとにあるのは「車間時間」が「2秒」以内だった場合の事故は死亡事故等、重大な事故につながるリスクが高いという統計です。
またこれとは別にJAFでは高速道路では特に、「ゼロイチ、ゼロニ、ゼロサン」と「3秒」経過後にその地点にいる距離が適切とするものもあります。この根拠としては、100km/hの場合「車間時間」3秒以上の場合、走行距離は83.3m以上になっている、ということが根拠です。ともあれ、走行中に普通に数えると早くなってしまうので、どちらの場合でも「ゼロ」カウントを挟むことがコツです。雨の日やタイヤが摩耗しているときには、この約1.5倍から2倍の距離が必要である点は忘れずに。
さらに、もしあおり運転とみなされた場合、より罪の重い「妨害運転罪」となります。この場合「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。さらに違反点数は25点。つまり運転免許は取り消しとなる上、その後2年間は免許を再取得できません。車間距離を取らないことのリスクは、かなり大きいといっていいでしょう。
80km/hの停止距離は76m
道路交通法第26条第1項には「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない」との記載があります。ここでの「追突するのを避けることができるために必要な距離」とはいわゆる「停止距離」です。「停止距離」は「空走距離」と「制動距離」を足した距離のことです。運転者が危険を感じてからブレーキを踏んで実際にブレーキが利き始めるまでには意外と時間が掛かっています。このときに進む距離が「空走距離」です。またここから実際に車が止まるまでの距離が「制動距離」となります。もし80km/hで走行していた場合、「空走距離」は22m程度、「制動距離」は54m程度なので、これを合わせた「停止距離」は76mとなります。
つまり、前の車から76m以上の距離をとって走行していなければ衝突します。「停止距離」はスピードが速ければ速いほどは伸びます。90km/hで走行していた場合の「空走距離」は25m、「制動距離」は68mで「停止距離」は93m。100km/hで走行していた場合は、「空走距離」は28m、「制動距離」は84mとなり「停止距離」は112mです。思っていたよりも車間距離は広いと感じる人は多いかもしれません。さらに、雨の日やタイヤがすり減っていたりした場合、約1.5倍から2倍程度長くなります。
車間距離を掴む方法
とは言え、100m近くの距離になると、前の車を見てパッと感覚的に把握するのはなかなか難しいかもしれません。このときにはいくつか距離を測る方法があります。一つは、高速道路上に設置されている車間距離確認表示板です。高速道路の脇には「0m確認基点」「40m」「50m」「80m」「100m」などといった緑と白の標識が立っているところがあります。これをもとにもし自身が100km/hで走っていたとしたら、晴れた日であれば、自分が「0m確認基点」に来た時、おおよそ100m先に前の車がいる状況を意識すると適切な車間距離が取れていることになります。近くに車間距離確認表示板などがないときには、「0102(ぜろいちぜろに)運動」が役に立つかもしれません。やり方としては、まず前の車がある目安となる地点を通過したタイミングで、ゆっくりとカウントを開始します。ここから「ゼロ、イチ、ゼロ、ニ」と言葉を発し、ちょうど「ニ」のときに自分の車が初めに定めた地点を通過していれば、OKとするものです。もともと埼玉県警が提唱しているものですが、もとにあるのは「車間時間」が「2秒」以内だった場合の事故は死亡事故等、重大な事故につながるリスクが高いという統計です。
またこれとは別にJAFでは高速道路では特に、「ゼロイチ、ゼロニ、ゼロサン」と「3秒」経過後にその地点にいる距離が適切とするものもあります。この根拠としては、100km/hの場合「車間時間」3秒以上の場合、走行距離は83.3m以上になっている、ということが根拠です。ともあれ、走行中に普通に数えると早くなってしまうので、どちらの場合でも「ゼロ」カウントを挟むことがコツです。雨の日やタイヤが摩耗しているときには、この約1.5倍から2倍の距離が必要である点は忘れずに。
高速での車間距離不保持違反はより罪が重い
適切な車間距離をとっていなければ罰則があります。一般道の場合、車間距離不保持となった場合、大型車は7,000円、普通車・二輪車は6,000円、原付は5,000円。違反点数はどれも1点です。一方、高速道路の場合は大型車12,000円、普通車9,000円、二輪車7,000円となります。さらに違反点数はどれも2点と、一般道に比べてより罰則が重くなります。さらに、もしあおり運転とみなされた場合、より罪の重い「妨害運転罪」となります。この場合「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。さらに違反点数は25点。つまり運転免許は取り消しとなる上、その後2年間は免許を再取得できません。車間距離を取らないことのリスクは、かなり大きいといっていいでしょう。
<参考サイト>
第1編 陸上交通 第1部 道路交通 第1章 道路交通事故の動向|内閣府
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r03kou_haku/zenbun/genkyo/h1/h1b1s1.html
[Q] 走行中の適切な車間距離は?│JAF
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-drive/subcategory-technique/faq138
詰めすぎると「あおり」に!? 高速道路での車間距離はこう測る!│JAF Mate
https://jafmate.jp/safety/drivelesson_20221211.html
制動距離と空走距離とは。停止距離の計算方法|ZURICH
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-braking-distance/
雨の日は車のブレーキが効かない?雨と晴れでの制動距離の違いについて|グーネットマガジン
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/47113/
第1編 陸上交通 第1部 道路交通 第1章 道路交通事故の動向|内閣府
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r03kou_haku/zenbun/genkyo/h1/h1b1s1.html
[Q] 走行中の適切な車間距離は?│JAF
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-drive/subcategory-technique/faq138
詰めすぎると「あおり」に!? 高速道路での車間距離はこう測る!│JAF Mate
https://jafmate.jp/safety/drivelesson_20221211.html
制動距離と空走距離とは。停止距離の計算方法|ZURICH
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-braking-distance/
雨の日は車のブレーキが効かない?雨と晴れでの制動距離の違いについて|グーネットマガジン
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/carlife/47113/