社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
なぜ血液型にC型がないのか?
血液型といえばまずは「A」「B」「O」「AB」で表すABO式血液型が思い浮かびます。しかしよく考えてみると、なぜ「A」「B」と順番になっているのに次が「O型」なのでしょうか。ここにはなにか特別な理由が隠れているのかもしれません。ここでは血液型の歴史を少し振り返って調べてみましょう。
ABO式血液型に関する論文「正常なヒトの血液の凝集反応について」が発表されたのは、1901年11月14日のこと。発表したのはウィーン大学(当時オーストリア・ハンガリー帝国)の病理学研究室で主に解剖を手伝う助手として雇われていたカール・ラントシュタイナー(1868-1943)です。このとき彼はまだ32歳で、医学の学位は持っていたものの博士ではなかったとのことです。
彼は人の血液を混ぜると「凝集反応」が起きて血液が固まることに注目し、同僚たちの血液をもとに実験を行います。そうして血液が凝集する場合と凝集しない場合それぞれの組み合わせを発見し、血液をアルファベット順に「A型」「B型」「C型」の3種類に分けました。つまりこのときには「C型」があったわけです。次いで1902年には、同僚の研究者たちによってのちに「AB型」となる第4の血液型が発表されます。
1910年になって第4の血液型は「AB型」という名前になります。このとき「C型」は「O型」へと名称が変更されます。このときなぜ「O型」になったのかという点ですが、実はこれには諸説あります。「A型」と「B型」の成分を混ぜると凝集してしまいますが、「C型」では凝集がおきません(A、Bどちらの抗原も持っていない)。このことから「C型」は「0型(ゼロ型)」ともよばれたようです。
一つ目の説は、この「ゼロ型」が変化して「O(オー)」と呼ばれるようになったというものです。文書として印刷される際、0(ゼロ)がO(オー)と印刷されるミスが起き、その後「O(オー)型」が標準になったというもの。つまり見間違え説です。もう一つの有力な説は、ドイツ語で「~ない」を意味する「ohne」の頭文字を取ったというものがあります。ともあれ、こののち1927年には国際連盟の専門委員会にて血液型は正式に「A」「B」「O」「AB」を用いることが決定します。
実は血液型は完全にこの4種類だけというわけではありません、他にもよく知られているのはRh因子による区別があります。ラントシュタイナーは1930年にノーベル医学・生理学賞を受賞したのち1940年に弟子のウィーナーとともにRh抗原の有無によっても血液が分類されることを発見します。このRh抗原による分類上での「Rh陰性」という表現は、いくつかのRh抗原のうちD抗原と呼ばれるものがない状態を意味します。
一般的にRh陽性(+)が多く、Rh陰性(-)の出現頻度は、白人の場合で15%程度、日本人に至っては0.5%とたいへん低くなっています。特に日本では珍しい血液型と言えます。ほかにもまれな血液型としては、日本では20種類以上が登録されています。たとえばp(スモールピー)、-D-(バーディーバー)、Ko(ケーゼロ)といったものがあるようです。日本赤十字社によるとこれらまれな血液型に該当する献血者の血液は、10年の間マイナス80度以下で冷凍保存されるそうです。
はじめは「A型」「B型」「C型」だった
ABO式血液型に関する論文「正常なヒトの血液の凝集反応について」が発表されたのは、1901年11月14日のこと。発表したのはウィーン大学(当時オーストリア・ハンガリー帝国)の病理学研究室で主に解剖を手伝う助手として雇われていたカール・ラントシュタイナー(1868-1943)です。このとき彼はまだ32歳で、医学の学位は持っていたものの博士ではなかったとのことです。
彼は人の血液を混ぜると「凝集反応」が起きて血液が固まることに注目し、同僚たちの血液をもとに実験を行います。そうして血液が凝集する場合と凝集しない場合それぞれの組み合わせを発見し、血液をアルファベット順に「A型」「B型」「C型」の3種類に分けました。つまりこのときには「C型」があったわけです。次いで1902年には、同僚の研究者たちによってのちに「AB型」となる第4の血液型が発表されます。
「O型」はゼロから? それともドイツ語の「ohne」から?
1910年になって第4の血液型は「AB型」という名前になります。このとき「C型」は「O型」へと名称が変更されます。このときなぜ「O型」になったのかという点ですが、実はこれには諸説あります。「A型」と「B型」の成分を混ぜると凝集してしまいますが、「C型」では凝集がおきません(A、Bどちらの抗原も持っていない)。このことから「C型」は「0型(ゼロ型)」ともよばれたようです。
一つ目の説は、この「ゼロ型」が変化して「O(オー)」と呼ばれるようになったというものです。文書として印刷される際、0(ゼロ)がO(オー)と印刷されるミスが起き、その後「O(オー)型」が標準になったというもの。つまり見間違え説です。もう一つの有力な説は、ドイツ語で「~ない」を意味する「ohne」の頭文字を取ったというものがあります。ともあれ、こののち1927年には国際連盟の専門委員会にて血液型は正式に「A」「B」「O」「AB」を用いることが決定します。
Rh-、p(スモールピー)、-D-(バーディーバー)、Ko(ケーゼロ)
実は血液型は完全にこの4種類だけというわけではありません、他にもよく知られているのはRh因子による区別があります。ラントシュタイナーは1930年にノーベル医学・生理学賞を受賞したのち1940年に弟子のウィーナーとともにRh抗原の有無によっても血液が分類されることを発見します。このRh抗原による分類上での「Rh陰性」という表現は、いくつかのRh抗原のうちD抗原と呼ばれるものがない状態を意味します。
一般的にRh陽性(+)が多く、Rh陰性(-)の出現頻度は、白人の場合で15%程度、日本人に至っては0.5%とたいへん低くなっています。特に日本では珍しい血液型と言えます。ほかにもまれな血液型としては、日本では20種類以上が登録されています。たとえばp(スモールピー)、-D-(バーディーバー)、Ko(ケーゼロ)といったものがあるようです。日本赤十字社によるとこれらまれな血液型に該当する献血者の血液は、10年の間マイナス80度以下で冷凍保存されるそうです。
<参考>
山本文一郎、『血液型が分かる科学』、岩波ジュニア新書、2015年
血液型の分類にもともと「C型」があったことをご存じですか?|ブルーバックス編集部
https://gendai.media/articles/-/76819
血液型について│日本赤十字社
https://www.bs.jrc.or.jp/kk/hyogo/donation/m2_02_01_00_bloodtype.html
山本文一郎、『血液型が分かる科学』、岩波ジュニア新書、2015年
血液型の分類にもともと「C型」があったことをご存じですか?|ブルーバックス編集部
https://gendai.media/articles/-/76819
血液型について│日本赤十字社
https://www.bs.jrc.or.jp/kk/hyogo/donation/m2_02_01_00_bloodtype.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
日本は山紫水明の国なのに水不足!? お金と同じ水の価値
水から考える「持続可能」な未来(5)「水みんフラ」が水不足を防ぐ
日本は水に恵まれた国であるというイメージがあるかもしれないが、実際にはそうではない。しかし、それでも深刻な水不足に陥らないのには秘密がある。インフラによって水が「均されている」からだ。今回は、その点を啓発するた...
収録日:2024/09/14
追加日:2025/04/03
大谷翔平選手の活躍はなぜ必然なのか?~その思考の深み
編集部ラジオ2025(5)大谷翔平選手の「成功哲学」
投手と打者の二刀流への挑戦をはじめ、驚くべき活躍を続けてきて、野球界で数々の記録を樹立してきた大谷翔平選手。今回の編集部ラジオでは、その大谷選手の「名言」を紹介しながら、その成功哲学に迫っていく桑原晃弥先生の名...
収録日:2025/03/19
追加日:2025/04/03
花粉、炭素、酸素同位体…重複分析で分かる弥生時代の環境
弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(3)弥生時代の環境と気候
古代の気候を推測するために、研究者はさまざまな方法を駆使してきた。海水面の位置をもとにした「弥生の小海退」説をはじめ、花粉や炭素濃度などから行う分析法には難点もある。その難点を克服した方法によって見えてきた弥生...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/04/02
プラトンが警告!人間の「欲望の暴走」を哲学的に考える
哲学の役割と近代日本の挑戦(1)欲望暴走のメカニズム
プラトンが深く考察した対象に「欲望」がある。欲望はしばしば、日常的に手に取れることのできる健全な欲求を超えると、理念的なものへと膨らんでいく。一旦理念となった欲望は増殖してとどまるところを知らない。そのためには...
収録日:2023/07/28
追加日:2023/09/30
分断進む世界でつなげていく力――ジェトロ「3つの役割」
グローバル環境の変化と日本の課題(5)ジェトロが取り組む企業支援
グローバル経済の中で日本企業がプレゼンスを高めていくための支援を、ジェトロ(日本貿易振興機構)は積極的に行っている。「攻めの経営」の機運が出始めた今、その好循環を促進していくための取り組みの数々を紹介する。(全6...
収録日:2025/01/17
追加日:2025/04/01