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なぜアメリカで日本の軽トラが人気なのか?
軽トラは日本の農村などで大活躍しています。かなり長い間、大きな変更が加わることなく販売されてきたロングセラーといっていいでしょう。農業などでの実用的な用途のほか、ちょっとした荷物を積んで移動するときなどにも重宝する車です。実はこの日本の軽トラ、アメリカでも人気があるようです。ではなぜアメリカでは軽トラックに人気があるのでしょうか。
ただしこの点については、アメリカ合衆国運輸省(NHTSA)が決めている特別ルール(俗称「25年ルール」)があります。これは「製造から25年経過した車であればこの基準から除外される」というものです。なぜ25年経過したらOKなのかと言えば、古い車は「クラシックカー」としてコレクション目的などで所有することが想定されるからです。さらに「クラシックカー」扱いなので、関税や排ガス規制からも除外されます。これは右ハンドルの車を所有したい人に取って大きなメリットです。
こうしてアメリカでは25年以上前に製造された車のうち、まずは若者を中心に日本のスポーツカーに人気が集まっています。これは俗にJDM(Japanese domestic market)と呼ばれる車たちです。この背景には、日本車もたくさん登場する「グランツーリスモ」というレースゲームや、「日産スカイラインGTR R34」や「マツダRX7」などの日本車が登場するカーアクション映画「ワイルド・スピード」などが大きく影響しているようです。
軽トラは納屋にそのまま入ることができたり、大きさの割に荷物を積むことができたりする点も魅力です。また悪路の走行性にも優れており、問題が発生してもシンプルな作りの軽トラックは修理が容易です。さらに日本車はもともとメンテナンスがかなり行き届いています。アメリカには車検がありませんが、日本では2年おきに車検を受けなければならないからです。この点から、そもそも中古車全体の質が日本ではかなり高いといえます。加えて軽トラックは年数が経過しても走行距離が短い、という点も魅力の一つです。
つまり、たとえ25年落ちであったとしても軽トラックは十分使用に耐えうる場合が多い車と言えます。ただし、やはり外国人の体格にはちょっと小さすぎたり、高速走行には弱さがあったりする点はマイナスポイントとも捉えられているようです。またエアバッグが標準搭載ではないという点もやや気になる人はいます。こういった欠点はあっても、多くの場合日本車そのものの信頼性は北米でかなり高いことから、安心して乗ることができるという声が強いようです。このように、日本の軽トラは主にアメリカの農場で人気が高い車種となっているのです。
25年以上経過した右ハンドル車は人気がある
アメリカやカナダでは、保安基準により原則的に右ハンドルの車は登録することも走行することもできません。つまり、日本やイギリスで作られた右ハンドルの車は基本的にアメリカでは走ることができないのです。このことから日本のメーカーは、日本で販売されている車種でも現地の工場で左ハンドルの車として生産しています。ただしこの点については、アメリカ合衆国運輸省(NHTSA)が決めている特別ルール(俗称「25年ルール」)があります。これは「製造から25年経過した車であればこの基準から除外される」というものです。なぜ25年経過したらOKなのかと言えば、古い車は「クラシックカー」としてコレクション目的などで所有することが想定されるからです。さらに「クラシックカー」扱いなので、関税や排ガス規制からも除外されます。これは右ハンドルの車を所有したい人に取って大きなメリットです。
こうしてアメリカでは25年以上前に製造された車のうち、まずは若者を中心に日本のスポーツカーに人気が集まっています。これは俗にJDM(Japanese domestic market)と呼ばれる車たちです。この背景には、日本車もたくさん登場する「グランツーリスモ」というレースゲームや、「日産スカイラインGTR R34」や「マツダRX7」などの日本車が登場するカーアクション映画「ワイルド・スピード」などが大きく影響しているようです。
軽トラックは小回りと経済性で大人気
一方、スポーツカーとは真逆に位置する軽トラックも大人気です。この理由はズバリ小回りの良さと経済性です。アメリカの農場などで活躍しているのは主に「ピックアップトラック」と呼ばれる比較的大きな車ですが、3万ドル程度(日本円で400万円を越える)などそれなりに価格が高いようです。これに対して、軽トラックはものによりますが日本円で30万円程度から高くても90万円程度で買うことができるようです。軽トラは納屋にそのまま入ることができたり、大きさの割に荷物を積むことができたりする点も魅力です。また悪路の走行性にも優れており、問題が発生してもシンプルな作りの軽トラックは修理が容易です。さらに日本車はもともとメンテナンスがかなり行き届いています。アメリカには車検がありませんが、日本では2年おきに車検を受けなければならないからです。この点から、そもそも中古車全体の質が日本ではかなり高いといえます。加えて軽トラックは年数が経過しても走行距離が短い、という点も魅力の一つです。
つまり、たとえ25年落ちであったとしても軽トラックは十分使用に耐えうる場合が多い車と言えます。ただし、やはり外国人の体格にはちょっと小さすぎたり、高速走行には弱さがあったりする点はマイナスポイントとも捉えられているようです。またエアバッグが標準搭載ではないという点もやや気になる人はいます。こういった欠点はあっても、多くの場合日本車そのものの信頼性は北米でかなり高いことから、安心して乗ることができるという声が強いようです。このように、日本の軽トラは主にアメリカの農場で人気が高い車種となっているのです。
<参考>
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ|旧車王ヒストリア
https://www.qsha-oh.com/historia/article/3662/
車幅は小さく、荷台は大きく、壊れない…日本の軽トラが「世界でいちばん実用的なクルマ」と絶賛される理由│プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/73560?page=1
軽トラや右ハンドル車がアメリカで密かなブーム|東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/669505
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ|旧車王ヒストリア
https://www.qsha-oh.com/historia/article/3662/
車幅は小さく、荷台は大きく、壊れない…日本の軽トラが「世界でいちばん実用的なクルマ」と絶賛される理由│プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/73560?page=1
軽トラや右ハンドル車がアメリカで密かなブーム|東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/669505
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