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DATE/ 2025.03.24

今年度こそ始めたい!カンタンな運動習慣

 そうした方がよいと分かっていても、なかなかはじめられないことのひとつに「運動習慣」があります。高齢化する社会にとって重要な指標となるのは、健康寿命です。病院やベッドの上で延命された寿命より、ご自身の頭で判断し、自分の脚で動き続けるためには、日頃の運動習慣が欠かせません。

健康寿命と運動習慣

 健康寿命とは、心身ともに自立して健康的に生活できる期間です。平均寿命と比較すると、健康寿命は男性で約9年、女性で約12年短くなっているといわれています。健康寿命を延ばすには、日々の生活習慣を改善することが重要です。食事や歯磨き、入浴、睡眠といった生活習慣も重要ですが、日常の運動習慣は、心身を健やかに保ち生活の質の向上に貢献するという意味において、もっとも重要な習慣行動になります。

 運動習慣のメリットはいわずもがなではありますが、次のようなものがあります。

・生活習慣病の予防や改善
・骨や筋肉の強化
・肥満の予防や改善
・心肺機能の向上
・抵抗力の向上
・精神的な安定の向上
・認知能力の発達

筋力をチェック

 運動するためには基礎的な筋力の維持が必須です。前期高齢者になると、筋力は年間約2~4%低下すると報告されています。特に歩行に必要な筋肉が衰えると、ほんの小さな段差でもつまずきやすくなり、転倒や骨折のリスクが高まります。こうして移動能力が低下した状態を、ロコモといいます。立ち上がる、歩くといった基本動作は健康寿命にとって必須となります。

 まずは、ロコモ想定で、ご自身の筋力をチェックしてみましょう。

・片足立ちができない
・家の中でつまずいたり、すべったりする
・階段を上るのに手すりが必要
・家事がしんどい
・横断歩道を青信号で渡り切れない
・15分続けて歩けない

運動を習慣づけるには

 運動習慣をつけるには、無理のないところから始めて、目的を明確にすることが大切です。運動習慣をつける方法としては、ジムに通う方法もありますが、日常のなかにも次のようなものがあります。

・通勤や買い物、散歩時に積極的に歩く
・そうじや洗濯などの家事で身体を動かす
・ストレッチや筋力トレーニングを家事や仕事の合間に行う
・仲間とスポーツを楽しむ

 最後に、歩くために必要な筋肉を鍛えて、簡単で続けやすい「片足立ち」と「スクワット」を参考までに紹介しておきます。

・片足立ち
 片足ずつ1分間、朝昼晩で計3回行います。バランスが難しい時は机や壁に手を添えて。

・スクワット
 1回5~6回、一日に時間をあけて3セット。膝がつま先より前に出ないよう、腰を後ろへ引くようなイメージでゆっくりと。

では皆さん、健康の維持のため、がんばりましょう。

<参考サイト>
運動だけじゃダメ!医師が解説 65歳からの簡単な筋肉のつけ方│中山クリニック
https://www.akashi-n-clinic.com/column/item1525/

シニアでも無理なく続けられる運動21選!やり方や注意点も解説│シニアタイムズ
https://senior-job.co.jp/magazine/senior-undou

シニアこそ筋トレ!転倒予防から認知症に効果的な自宅出来る簡単トレーニングを介護施設の作業療法士が解説│老人ホームの選び方ガイド
https://media.kinjyonoyoshimi.com/pastime/4533/
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