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DATE/ 2015.11.13

仕事を頑張るあなたに贈る「寅さん」3つの名言

 印象的なオープニングの音楽に乗せた「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」という前口上でお馴染みの、「寅さん」こと車寅次郎が奮闘する『男はつらいよ』シリーズ。主演の渥美清が亡くなった後も、人情劇の名作として市井の人々の心を惹きつけてひきつけて止みません。

 おっちょこちょいでドジばかりだけど、私利私欲なく人のために汗と涙を流せる寅さん。骨折り損に終わることも多々ありますが、困っている人を見るといても立ってもいられなくなり、ついひと肌脱いでしまう。

 寅さんの言葉の力は周りの人間のこわばった心をほぐし、前向きにさせ、団結力を生みます。そればかりか、口にした人間もポジティブにさせる魔法の言葉なのです。そんな人情溢れる寅さんの名言の中から、ビジネスの現場でも多いに役立つ3つの名言をご紹介しましょう。人の波にもまれながら懸命に働くサラリーマンの皆さんに活力を与えてくれることでしょう。

◎名言1

「やっぱり、真面目にね、こつこつこつこつやっていきゃ、いつか、芽が出るんだから」(第13作『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』)

 ややもすると生真面目さが馬鹿にされ、効率ばかりが求められる昨今ですが、地道な努力はきっと地力の強化に繋がるはず。見ている人は見ていると信じて、明日の成功のために踏ん張りましょう。万里の道も一歩から、です。

◎名言2

「おう、労働者諸君!今日も一日ご苦労さまでした。さあ明日はきっと からっと晴れたいい日曜日だぞ』(第9作『男はつらいよ 柴又慕情』)

 例えば外回りの仕事を頑張って帰ってきた同僚に、こんな言葉を投げ掛けてみたらいかがでしょう。明るく「ご苦労さまでした」と言われて悪い気持ちになる人間はいませんし、ちょうどこの言葉をかけた時間が夕方以降だったら、一緒に飲みにいくのもいいでしょう。愚痴ではない、有意義な仕事の話にも華が咲くはずです

◎名言3

「そうよ、仕事ってのはね 何しても楽なものってはないんだよ、うん」(第5作『男はつらいよ 望郷篇』)

 できるだけ相手に押しつけ、できるだけ安く発注して、おいしいところは自分のものに。そんな仕事ぶりも横行する仕事現場にうんざりしている人も多いのではないでしょうか。

 しかし、楽をして手に入れたものは、案外ともろいもの。「楽なものはない、時間がかかってもいいじゃないか」。そう思えば腹立ちも和らぐし、自分が正しいと思うペースで仕事を進められるメンタルコンディションも整おうというものです。

 働く大人には言いたくても言えないこともある。泣きたくても泣けないこともある。だけど、寅さんのように涙は胸にしまって「それを言っちゃあ、おしまいよ」とカラ元気でもいいから、笑顔でも明るく振る舞ってみませんか。『男はつらいよ』あらため『ビジネスマンはつらいよ』とばかりに。

 なお、ここに挙げた名言はほんの一例です。仕事に悩み、心がしょんぼりしている人は寅さんの生き様をみて、名言をどんどん心に補充してみましょう。その痛みや悲しみは寅さんが一番わかってくれているのだから。

<参考文献>
・『人生に、寅さんを。「男はつらいよ」名言集』キネマ旬報社
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