社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.02.17

恋人の携帯を見たことがある女性は3割!盗み見の代償は?

 SNSやメールのやり取り、通話履歴にプライベート写真。スマホの小さな端末には、「見られては困る」ものがいっぱい入っています。となると、恋人や夫婦の間でちょっとした疑惑を感じたとき、こっそり盗み見る誘惑にかられるのも、無理はありません。

 でも、実際にどのぐらいの人がパートナーのスマホをチェックした経験があるのでしょうか?

男性の約1.8倍の女性が「はい」と答えた衝撃

 以前、話題になったのは、Facebookを活用した婚活アプリを運営・開発するマッチアラーム(東京都港区)社が公開した数字です。「恋人の携帯、見たことがありますか」の問いに男性は19.2%、女性は34.0%が「はい」と回答しています(2014年9月、自社会員である20代・30代の独身男女2646人が対象)。

 同じ年の8月に同じ質問を女性会員に投げかけたマイナビニュースでは、回答に4段階の区別を設けています。結果は「一切見ない 78.3%」「ロック中にTOPに出るメッセージだけはチェックしてしまう 10.3%」「本人に断って全部見る 4.4%」「本人に内緒で全部見る 4.4%」となりました(回答者276人)。

「見られた?」対策アプリ導入のイタチごっこ

 会員層の違いはあるものの、「Yes/No」2択の「はい」には、かなりの温度差があるということです。しかし、ヘッドラインで「女性の34%が見ている」と書き立てられると、つい「本人に内緒で」盗み見する姿が浮かんでしまいますね。

 思い当たる節のある男女は、「ロック」「盗み見の証拠写真を撮る」「履歴を消す」「GPS偽装」などのアプリ対策に走り、果てのないイタチごっこが始まってしまうのではないでしょうか。

見る側の心理は「おまえのものも俺のもの」?

 それにしても、マイナビ・ニュースはなぜ女性会員限定のアンケート調査を行なったのでしょうか。英紙テレグラフによれば、2013年に英国で行なった調査では、女性の34%、男性の62%が「パートナーや元パートナーの携帯電話をこっそり見たことがある」の結果が出ています(交際相手や配偶者のいる英国の成人男女2081人が対象)。

 こちらは「こっそり」とある以上、言い訳はできません。他人のスマホをのぞくのは「俺のものは俺のもの。おまえのものも俺のもの」という「ジャイアン」人格によるとも考えられますが、日本と英国ではパートナーを自分の所有物扱いする男女比は逆転しているのでしょうか。

盗み見の代償はどうなるの?

 「スマホや携帯の盗み見」は、もちろんプライバシーの侵害に当たりますが、少なくとも日本ではそれを根拠に法に訴えることはできません。夫婦間で「浮気を疑って、その証拠探しをした」場合などは正当な理由と認められ、かえって「不貞の証拠」に認定されるケースも多いといいます。

 ただしIDやパスワードを無断で使うと、「他人へのなりすまし」と見なされ、PCであれ携帯であれ「不正アクセス禁止法」の対象となります。捕まれば「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」となってしまうのです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾

逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾

逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる

「逆境とは何に逆らうことなのか」「人はそもそも逆境でしか思考しないのではないか」――哲学者鼎談のテーマは「逆境に対峙する哲学」だったが、冒頭からまさに根源的な問いが続いていく。ヨーロッパ近世、ヨーロッパ現代、日本...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/19
2

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割

豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
黒田基樹
駿河台大学法学部教授 日本史学博士
3

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会

渡部昇一氏には、若き頃に留学したドイツでの体験を記した『ドイツ留学記(上・下)』(講談社現代新書)という名著がある。1955年(昭和30年)から3年間、ドイツに留学した渡部昇一氏が、その留学で身近に接したヨーロッパ文明...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/23
渡部玄一
チェロ奏者
4

日本の外交には「インテリジェンス」が足りない

日本の外交には「インテリジェンス」が足りない

インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動

国家が的確な情報を素早く見つけ行動するためには、インテリジェンスが欠かせない。日本の外交がかくも交渉下手なのは、インテリジェンスに対する意識の低さが原因だ。日本人の苦手なインテリジェンスの重要性について、また日...
収録日:2017/11/14
追加日:2018/05/07
中西輝政
京都大学名誉教授 歴史学者 国際政治学者
5

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ

「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス

「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24
三谷宏治
KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授