テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.07.04

急増するスキミング…カード犯罪の対策と注意点

 2016年6月、全国のコンビニのATMからおよそ18億6000万円が不正に引き出される事件が起こりました。窃盗容疑などで複数の男が逮捕されましたが、一般には入手が困難な特殊なカードを使ったことから、警察当局は組織的犯行の可能性があるとみて調べを進めているとのこと。こうしたATMを狙った犯罪が年々増加しているのです。

 現在は、クレジットカードや交通系のカードなどを使って様々な場所で買物ができるため、現金を持ち歩かなくとも困りません。こうなると、カード情報はすでに私たちの財産そのものといっても過言ではないでしょう。

 ではその大切な情報を守るために、私たちはいった、何に気をつけていればいいのでしょうか。
 

暗証番号の入力時は要注意

 カードが悪用される犯罪の中でもっとも多い手口は「スキミング」です。最近では、「スキマー」と呼ばれる情報抜き取り装置をカード挿入口にはめ込み、同時に暗証番号を入力している様子を撮影する手法が主流になっています。

 つまり、暗証番号はカード情報には入っていません。ということから、単純ですが、暗証番号を入力する際に、反対の手で手元を隠して入力する方法が防御策として有効なのです。

 また「スキミング」に対しては、利用者の多いATMは比較的安全性が高く、逆に比較的利用者の少ないATM(コンビニなど)の場合、リスクは高まります。よってATMは、なるべく銀行店舗内など管理の行き届いた場所で利用することをおすすめします。

カードの使用は目の届くところで

 店舗などでの支払いでクレジットカードを使用する場合、暗証番号がなくとも利用できます。国内ではクレジットカードを店員さんに預けてしまう場面もありますが、これは海外では絶対にNG。預けた隙にカード情報を盗み取られる危険性があるからです。必ず目の届くところで使用しましょう。

盗難保険はスキミングにも有効だが…

 明細を見たとき、まったく見に覚えのない引き出し等があった場合、落ち着いてクレジットカード会社に連絡し、カードの利用停止手続きをしましょう。クレジットカードには、有料無料の区別なく、盗難保険がついています。この盗難保険はスキミングに対しても有効です。

 ただし以下の場合、カード所有者の過失とされ、補償されない場合があるので注意が必要です。

1.暗証番号が簡単に推測できるものであった場合(誕生日など)
2.カードの裏面に署名がない場合
3.一定日数が経過してしまっている場合(カード会社の規約による)

 情報がデータ化している現在、100パーセント情報を守るということは難しいのです。しかし、問題が起こった時に早期発見することは可能です。

 まずはとにかく、こまめに明細をチェックすること、また海外で使用する場合には目の届かないところにいかないようにする、という2点は最低限気をつけるようにしましょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは

アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは

日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道

機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
木下康司
元財務事務次官
2

相互依存で平和は保てるか…EUの深化・拡大の難題とは

相互依存で平和は保てるか…EUの深化・拡大の難題とは

地政学入門 ヨーロッパ編(9)EUの深化・拡大とトルコの問題

国際政治の理論として国同士の経済交流、相互依存が安全保障、つまり平和を維持できると伝統的に考えられてきたが、今般の国際政治ではそれは必ずしも当てはまらないようだ。そこでEUの問題である。国の垣根を越えて世界国家に...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/06/30
小原雅博
東京大学名誉教授
3

最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか

最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか

第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ

反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28
柿埜真吾
経済学者
4

江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事

江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事

AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か

昨今、生成AIに代表されるようにAIの進化が目覚ましく、「AIに代わられる仕事、代わられない仕事」といったテーマが巷で非常に話題となっている。では、AIに代わられない事とは何であろうか。そこで、『江藤淳と加藤典洋』(文...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/06/25
與那覇潤
評論家
5

寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由

寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由

睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション

私たちに欠かせない「睡眠」。そのメカニズムや役割についていまだ謎も多いが、それでも近年は解明が進み、私たちの健康に大きく関与することが明らかになっている。まずは最新情報を盛り込んだ睡眠が果たす5つの役割を紹介し、...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/06/05
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授