テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2016.09.22

宝くじより人気の「ナンバーズ」その面白さとは

 ナンバーズは数字を選ぶだけの簡単なもの。比較的すぐに結果がわかり、なおかつ他の宝くじより当せんしやすいので、買ったことがある人は多いのではないでしょうか。

 少しだけ解説すると、000から999までの中から好きな3ケタを選ぶ「ナンバーズ3」と、0000から9999までの中から好きな4ケタを選ぶ「ナンバーズ4」の2種類。いずれも1口200円、「ナンバーズ3」のストレートの当せん金は約10万円、「ナンバーズ4」のストレートの当せん金は約100万円となっています(実際には、当せん口数等により当せん金は変動します)。

ナンバーズは比較的当たりやすい!

 ナンバーズ3は3桁なので、10通り×10通り×10通りで、ストレートの当せん確率は1000分の1、ナンバーズ4はその×10通りですから当せん確率は10000分の1となります。他の宝くじに比べると比較的当たりやすいといえるでしょう。ちなみに、昨年の年末ジャンボ宝くじの1等(7億円)の当せん確率は2000万分の1だそうです。

 また、ボックスという買い方もできます。たとえば当せん番号が123だった場合、手持ちが231であっても、312であっても当せんとなるわけです。この場合の当せん確率は1000分の6となります。当せん金額は下がりますが、ワクワク感は一発勝負のストレートより高いかもしれません。

 さらに、このボックスとストレートを半分ずつ買う「セット」や、下2桁だけの数字と並び順で当せんする「ミニ」(当せん確率は100分の1)といったものも買うことができます。

数字を自分で選ぶことに意味はない!

 ナンバーズの面白さはなんといっても、「数字選択式」というところです。自分で好きな数字を選べるのは、いかにも「ヒキ」を試しているようでワクワク感がありますよね。しかし、よく考えて見れば、自分で数字を選ぼうが、決まった数字を渡されようが、理論上、確率は一切変わりません。しかし、売り場でただ数字を渡されるのであれば、基本的に他の宝くじと変わりませんし、ナンバーズにさほど魅力を感じないでしょう。

 つまり私たちは、ただくじを引くよりも自分で番号を選べるほうが当せん確率が高いのではという意識を持っているということかもしれません。また、自分で選んだ数字には何か特別な意味がある、というような思い込みを持つこともあるでしょう。こうして、ナンバーズは単純なくじ引きよりも魅力的で、売れる商品として成立しているのです。つまり、普段から私たちは、「確率を無視して自分に都合の良い判断をしてしまう」ということのいい例です。

 とはいえ、宝くじでは、このような勘違いや思い入れが心を踊らせてくれます。あるいは、どこかで今日のラッキーナンバーは◯番と聞いたら、やっぱりその番号のナンバーズを買いたくなりますよね。当たらなかったとしても、自分だけの秘密を持っているというようなワクワク感は、日常をちょっとだけ豊かにしてくれるはずです。

<参考サイト>
・宝くじ公式サイト:ナンバーズ
http://www.takarakuji-official.jp/know/numbers/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

陀羅尼品…あらゆるものが暗号であり、メタファーである

陀羅尼品…あらゆるものが暗号であり、メタファーである

おもしろき『法華経』の世界(6)「陀羅尼品」とエニグマ

『法華経』下巻の「陀羅尼品」を読めば、それが真言宗の真言(=マントラ)と同様の構造を持っていることが分かる。天台教学における「諸法実相」や「本覚思想」という形而上学も、華厳経の「重々帝網」という次元世界も、全て...
収録日:2025/01/27
追加日:2025/07/06
鎌田東二
京都大学名誉教授
2

なぜ思春期は大事なのか?コホート研究10年の成果に迫る

なぜ思春期は大事なのか?コホート研究10年の成果に迫る

今どきの若者たちのからだ、心、社会(1)ライフヒストリーからみた思春期

なぜ思春期に注目するのか。この十年来、10歳だった子どもたちのその後を10年追跡する「コホート研究」を行っている長谷川氏。離乳後の子どもが性成熟しておとなになるための準備期間にあたるこの時期が、ヒトという生物のライ...
収録日:2024/11/27
追加日:2025/07/05
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長
3

「言論の自由の侵害」と「移民排斥」はあまりに不合理

「言論の自由の侵害」と「移民排斥」はあまりに不合理

第2次トランプ政権の危険性と本質(7)言論の自由の侵害と移民排斥

多様性を尊重するリベラリズムとは逆行するトランプ大統領の動きは、人々の自由や司法の独立性を脅かすような横暴に向かっている。そのトランプが強く押し出す移民排斥の指針にも問題点が多い。経済、治安の観点から移民に関す...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/21
柿埜真吾
経済学者
4

シフトワークによる脱同調に要注意…時差ボケへの対策は?

シフトワークによる脱同調に要注意…時差ボケへの対策は?

睡眠と健康~その驚きの影響(5)時差ボケと脱同調

シフト勤務者にとって避けて通れない問題がある。それは、時差ボケによる睡眠のリズムである。現在、日本では労働者の何割かがシフトワークに就いているが、この働き方では睡眠のリズムが崩れ、健康を大きく害する危険がある。...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/07/03
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
5

ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係

ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係

地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ

国際政治の戦略を考える上で今やかかせない地政学の視座。今回のシリーズではヨーロッパに焦点を当て、地政学の観点から情勢分析をする。第1話目では、まず地政学の要点をおさらいし、常に揺れ動いてきた「ヨーロッパ」という領...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/05
小原雅博
東京大学名誉教授