テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.08.05

「育ちが悪い」と思われる人の特徴

 「育ちがいい・悪い」がネットを賑わせることが多くなりました。いわゆる不寛容社会というものでしょうか。それとも「他人のふり見て我がふり直せ」と、見知らぬ人が母親代わりに言ってくれるありがたい風潮なのでしょうか。いずれにせよ「この人、育ちが悪い」とは誰しも思われたくありません。ささいなふるまいで幻滅されたくない人が注意すべきポイントについて、調べてみました。

「食べ方が汚い」「クチャラー」

 会食の席は、「育ち」がもろに現れる場所のようです。とりわけ嫌われるのが「音を出して食べる」と「箸づかいがなっていない」、そして「食べ方が汚い(魚など、食べた後のお皿がぐちゃぐちゃ)」の3パターンです。

 なかでも「音を出して食べる」のは、「クチャラー」とさえ呼ばれてしまう嫌われっぷり。たしかに耳ざわりかもしれませんが、音を立てて食べてしまうのには、いくつか理由があります。鼻呼吸ができない人、噛み合わせが悪いいわゆる「出っ歯」や「受け口」の人、部分入れ歯が気になる人などは、噛むときに口を閉じておくことがむずかしく、クチャクチャ音が出てしまいやすいとか。

 ヨーロッパ随一の名門ハプスブルク家の家系は、代々「受け口」が特徴だったそうです。すると「クチャラーは育ちが悪い」というのは、「眼鏡をかけた人は頭がいい」という程度の思い込み、とも考えられるのではないでしょうか。

「歩き食べ」「歩きスマホ」

 「歩きながら食べるなんてありえない」という意見も多いですね。多くの人は小さいころに「食べ物は座って食べなさい」と親にしつけられたと思います。もちろん食事は座ってゆっくり食べたほうが消化にもよく、見た目もいいのは当然です。

 そして、最近増えてきたのは「歩きスマホ」。これは「歩き食べ」と違い、ここ十数年でのスマホの普及に伴い、問題化してきたもので、小さいころから親に注意されてきたものではありません。ですが、そういうところにこそ「育ち」が出ると言えます。いずれにしろ、これらは見ていて気持ちが良くない、周りのことを考えない(危険行為)というのが、他人に嫌われる理由なのでしょう。

 スマホのような機器の使い方は、これからいろいろな線引きができていくでしょうが、スマホを見ながらベビーカーを押す親に「育て」られた子どもはどうなっていくのでしょう。気になるところです。

電車内のマナー

 混雑していようといまいと、電車は公共交通機関の代表。「泣く子を乗せるな」という極端な説も出ましたが、最低限の思いやりは残したいですね。「電車で化粧」は他人が迷惑か否かの問題ではないですし、新幹線の中で前の座席などに足を載せてくつろぐのも快適なのはご当人だけでしょう。

 2016年9月に行われたアメリカ大統領選第1回テレビ討論後には、アメリカでは「トランプの鼻すすり」が嘲笑を買ったと言います。日本では人前で鼻をかむのが無作法とされていますが、欧米では鼻をすすってしまうほうがよほど評判が悪く、「お里が知れる」行い、だったようです。

 面と向かって「育ちが悪く見えますよ」と言われることはそうそうないと思いますが、もしかしたら何気ない行いが誰かに悪い印象を与えているかもしれません。今一度、自分の行動を省みてみるのもいいかもしれませんね。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

「見せかけの相関」か否か…コロナ禍の補助金と病院の関係

「見せかけの相関」か否か…コロナ禍の補助金と病院の関係

会計検査から見えてくる日本政治の実態(2)病床確保と補助金の現実

コロナ禍において一つの大きな課題となっていたのが、感染者のための病床確保だ。そのための補助金がコロナ患者の受け入れ病院に支給されていたが、はたしてその額や運用は適正だったのか。事後的な分析で明らかになるその実態...
収録日:2025/04/14
追加日:2025/07/18
田中弥生
東京大学客員教授
2

なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景

民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教

ロシアや中華人民共和国など、自由と民主主義を否定する権威主義国の脅威の増大。一方、日本、アメリカ、西欧など自由主義諸国における政治の劣化とポピュリズム……。いま、自由と民主主義は大きな試練の時を迎えている。このよ...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/03/26
橋爪大三郎
社会学者
3

胆のう結石、胆のうポリープ…胆のうの仕組みと治療の実際

胆のう結石、胆のうポリープ…胆のうの仕組みと治療の実際

胆のうの病気~続・がんと治療の基礎知識(1)胆のうの役割と胆石治療

消化にとって重要な臓器「胆のう」。この胆のうにはどのような仕組みがあり、どのような病気になる可能性があるのだろうか。その機能、役割についてあまり知る機会のない胆のう。「サイレントストーン」とも呼ばれる、見つけづ...
収録日:2024/07/19
追加日:2025/07/14
糸井隆夫
東京医科大学病院 消化器内科 主任教授
4

3300万票も獲得した民主党政権がなぜ失敗?…その理由

3300万票も獲得した民主党政権がなぜ失敗?…その理由

政治学講座~選挙をどう見るべきか(5)政権交代と民主党

民主党は、2009年の衆議院選挙で過半数の議席を獲得し、政権交代に成功した。しかし、その後の政権運営に失敗してしまった。その理由についてはいまだ十分な反省が行われていないという。ではなぜ民主党は失敗してしまったのか...
収録日:2019/08/23
追加日:2020/02/12
曽根泰教
慶應義塾大学名誉教授
5

印象派を世に広めたモネ《印象、日の出》、当時の評価額は

印象派を世に広めたモネ《印象、日の出》、当時の評価額は

作風と評論からみた印象派の画期性と発展(2)モネ《印象、日の出》の価値

第1回印象派展で話題となっていたセザンヌ。そのセザンヌと双璧をなすインパクトを与えた作品があった。それがモネの《印象、日の出》である。印象派の発展において重要な役割を果たした本作品をめぐる歴史的議論や当時の市況を...
収録日:2023/12/28
追加日:2025/07/17
安井裕雄
三菱一号館美術館 上席学芸員