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DATE/ 2016.11.29

飲料ラベルの「乳酸菌(殺菌)」の意味とは?

 健康を気にする人たちから常に注目され続けている乳酸菌。日々の生活で意識的にヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取しようとしている人も多いのでは。

 そんな中、少し気になったことがあります。よく紙パックの飲料やペットボトルなどに「乳製品乳酸菌飲料(殺菌)」、あるいは「乳酸菌(殺菌)」と書かれていますよね。あれっていったい何なのでしょう。しかも、「生きたまま腸まで届く」というフレーズを聞いたことがある人も少なくないと思います。ということは、そもそもそんな効果のある乳酸菌を殺菌しても大丈夫なのでしょうか。

そこで、スタッフが乳酸菌について調べてみました。

乳酸菌とは?

 乳酸菌とは、オリゴ糖などを利用して乳酸などの酸をつくる最近の総称のことです。“乳酸菌は体にいい”というイメージは、この乳酸菌に善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境を整える作用があることからきています。

 腸内環境が整うことにより、免疫効果がアップしたり、老化防止に役立つと考えられているため、健康や美容、そしてアンチエイジング効果が期待されます。逆に腸内環境が悪くなると病気や老化の原因になることもしかりです。

生きた乳酸菌と死んだ乳酸菌

 さて、そんな整腸効果のある乳酸菌ですが、乳酸菌には生きた乳酸菌と死んだ乳酸菌の二種類があるそうです。生きた乳酸菌は文字通り生きたまま腸に届く菌のことと、死んだ乳酸菌は消化の段階で胃酸や胆汁で死んでしまう菌のことです。

 そして、生きた乳酸菌は、悪玉菌の増殖を防いで、腸内細菌のバランスをとる働きをします。一方、死んだ乳酸菌は、何も役目がないように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。じつは、善玉菌のえさとなり、悪玉菌を外へ排出する役割をしてくれるというのです。つまり、乳酸菌の殺菌によって、乳酸菌そのものの効果が失われたり、なくなったりすることはなく、むしろおいしさを保ったり、お腹の環境を整えたりしてくれるというわけです。

ということで、乳酸菌は、生きた菌と死んだ菌のどちらも効果があるということなのです。

生きた乳酸菌の優等生

 ちなみに、生きた乳酸菌ですが、日本古来のみそ、しょうゆ、納豆、みりん、粕漬けや麹などの発酵食品にも含まれており、動物性に含まれる乳酸菌よりも植物性のもののほうが生きたまま腸に届きやすいともいわれています。

いずれにしても、乳酸菌は生きた菌と死んだ菌の両方に効果があるということで、これからの健康維持のためにも日々の食生活の中に乳酸菌を継続的に取り入れてみてはいかがでしょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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