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DATE/ 2020.12.09

実は2種類あるジャンボ宝くじの当せん確率は?

ジャンボ宝くじには2種類ある

 夏や年末の風物詩ともいえる「ジャンボ宝くじ」。でもみなさん、「ジャンボ宝くじ」と一口にいっても、実は2種類あるのをご存知でしょうか。「ジャンボ宝くじ」と「ジャンボミニ」です。どのくらいのお金が当せんするのか、ここでは2020年の年末ジャンボ宝くじを例にとって見てみましょう。

「年末ジャンボ宝くじ」(第862回全国自治宝くじ)
1等7億円×22本
1等前後賞1億5000万円×44本
1等組違い賞10万円×4,378本
2等1000万円×88本
3等100万円×880本
4等5万円×44,000本
5等10,000円×132万本
6等3000円×440万本
7等300円×4400万本

「年末ジャンボミニ1億円(第863回 全国自治宝くじ)」
1等3000万円×68本
1等前後賞1000万円×136本
2等50,000円×6万8000本
3等10,000円×85万本
4等3000円×170万本
5等300円×1700万本

1等の当せん確率は?

 「年末ジャンボミニ」は、1等3000万円がなんと68本。「年末ジャンボ」は1等7億円と高額ですが、当選数は22本。もちろん金額が高い分当たりにくくなっています。そう考えると、「年末ジャンボミニ」は狙い目かもしれませんね。もう少し詳しく見てみましょう。以下、各宝くじの1等の当せん確率です。

「年末ジャンボ」1等:7億円(22本)/確率2000万分の1
「年末ジャンボミニ」1等:3000万円(68本)/確率250万分の1

 ちなみに「年末ジャンボ」で2等の1000万円が当たる確率は500万分の1。「年末ジャンボミニ」の1等3000万円(250万分の1の確率)を狙う方が当たりやすいということがわかります。もちろん「年末ジャンボ」の場合、1等7億円のチャンスもあるわけなので、単純に「ミニ」の方がいいとは言えないのですが。

「期待値」から考えてみると?

 ここで2種類の宝くじそれぞれに、1枚あたりの「期待値」を見てみましょう。「期待値」とは、統計学的に言えば「1回の試行で得られる値の平均値」で、「実現する値」と「確率」の積を足すことによって求めることができます。わかりやすくいうと、賞金総額に対して1枚のくじでどのくらい損得があるかを示す指標となります。計算してみると、「期待値」は「年末ジャンボ宝くじ」が149.995円、「年末ジャンボミニ」で150円となります。くじは1枚300円です。つまり、1枚買うごとにおよそ約150円分損をするという計算になります。

 ちなみに、「数字選択式宝くじ」と呼ばれるロトの場合、1枚あたりの期待値は45%です。つまり「ロト7」は1枚300円なので期待値は約135円、「ロト6」は1枚200円なので90円。「ロト7」は1枚あたり165円の損、「ロト6」は1枚あたり110円の損となります。「ミニロト」もロト6と同じです。ただし、すべてキャリーオーバーが発生していない状況での理論値です。ロト7、ロト6に関してはキャリーオーバーによって当せん額が変動し、期待値も大きく変化します。

「一度は高額当せん!」という夢を見るには十分

 ということで、期待値から考えると「年末ジャンボ」の方が「ロト7」や「ロト6」「ミニロト」よりは若干お得ということになりそうです。ただし、「ロト7」や「ロト6」の場合、キャリーオーバーが発生することも多いです。たとえば「ロト7」ではキャリーオーバーによって、通常1等6億円が最高10億円まで上がることもあります。

 いずれにしても、宝くじはいわば夢を買うものです。「一度は高額当せん!」という夢を膨らませるには十分ではないでしょうか。また、宝くじの収益金は公共の福祉に使われています。夢を買ったお金で社会の福祉が少しでも充実するならば、決して無駄なお金ではないでしょう。

<参考サイト>
・宝くじ公式サイト
https://www.takarakuji-official.jp/
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