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DATE/ 2017.02.14

花粉症の人は抜け毛が多いってホント?

 花粉症といえば、つらいのはのどや鼻。くしゃみに咳にだるさにと悩まされ続けている方も多いのではないでしょうか。しかし実は、花粉症は抜け毛の原因にもなってしまうのです。キレイでいたい女性にとって、髪は大事なもの。こんなことで減ってしまったら悲しいですね。

 まったく関係ないように思える花粉症と抜け毛の不思議な結びつき、解き明かしていきましょう。

どうして毛が抜けるのか

 そもそも花粉症とは、花粉によって体がアレルギー反応を起こすときに出る症状のことで、国民のおよそ25%が花粉症の患者だと考えられています(厚生労働省ホームページ:的確な花粉症治療のために、平成22年度より)。体が異物だと判断したものを外へ出す働きがあり、くしゃみや咳も、外部に悪いものを出すためのものなのですね。しかし、これが強く出てしまうと、今度は体をいじめてしまいます。

 一方、抜け毛ですが、頭皮がむくんだり炎症を起こしたりして血行不良が起こることがその原因で、頭皮に血液が十分に回らなくなり、栄養不足となります。これによって、髪の毛が細くなったり、色が抜けたりして、抜け毛の症状が引き起こされてしまうのです。

 そこで、花粉症と抜け毛の関係についてですが、「川村耳鼻咽喉科クリニック公式ブログ」に次のような話がありました。「『花粉症の人が抜け毛になりやすい』というよりも、花粉症を起こしやすいタイプの人は抜け毛を起こしやすい人の特徴に当てはまるという意味です。アレルギー体質が強く出やすいタイプ、食生活や生活習慣が乱れがちなタイプの人は、抜け毛になりやすいでしょう」

 そうなると、たとえば花粉症のつらい症状の一つとして「かゆみ」がありますが、これが抜け毛にも影響を及ぼします。爪でつい頭を掻いてしまうと、頭皮が傷ついてますます炎症をひどくし、さらにフケが出ることによって常在菌がこれを餌にして増殖してしまうのです。これが抜け毛を助長させてしまうということですね。

 ということで、先述のブログにも「花粉症対策をすることは抜け毛対策にもつながる」とあるように、ちょうど今の時期、まず花粉症対策を考えることが抜け毛予防にも大事だということですね。

花粉症対策としてどんなことをすればいいの?

 花粉症対策として、厚生労働省ホームページでは「花粉症のセルフケア」と題して、以下の予防法を取り上げています。

・花粉情報に注意する
・飛散の多いときの外出は控える
・飛散の多いときは窓、戸を閉めておく
・花粉飛散の多いときは外出時にマスク、メガネを使う
・帰宅時は、衣服や髪をよく払ってから入室する。洗顔、うがいをして、鼻をかむ
・掃除を励行する
・表面がけばけばした毛織物などのコートの使用は避ける

 これらを花粉症の「季節前から行うことが効果的」とあります。また、花粉が室内に入ってしまった場合を考えると、たとえば寝る前にはお風呂に入り、肌に付着した花粉をきれいに洗い流すことも手でしょう。髪を洗うときは、頭皮をやさしくマッサージし、アレルギー反応で炎症が起き始めた頭皮を傷つけないようにすることが大切です。

 また、バランスの取れた食事も大事とのこと。なお、厚生労働省のホームページにはヨーグルトに関して、「腸内細菌を変化させると体内の環境がアレルギーを抑えるようになると考えられています」とありました。ただ、「花粉症を完全に治すことは難しいかもしれませんし、実際の効果の程度は不明です」ともあるので、あくまでアレルギーを抑える効果が期待できるという意味で摂るのがいいでしょう。

 ということで、花粉症対策をすることで抜け毛も防ぐことができたら、うれしいですよね。まずは、すぐに実践できることから始めてみませんか。

<参考サイト>
・厚生労働省ホームページ:的確な花粉症治療のために、平成22年度
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf
・厚生労働省ホームページ:花粉症Q&A集(平成22年度)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/ippan-qa.html
・川村耳鼻咽喉科クリニック公式ブログ:花粉症と抜け毛には密接な関係があった!
https://www.jibika-operation.com/hay-fever-fallen-hair
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