トランプ政権研究
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ロシアゲートが招くトランプ大統領の弾劾リスク
トランプ政権研究(9)ロシアとの不透明な関係
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏が、トランプ政権の抱えるスキャンダルについて解説する。トランプ政権の中枢メンバーには、公私混同・利益相反の傾向がある。さらに、大統領選挙中にロシアにクリントン氏の妨害を依頼したのではないかという疑惑さえあり、これがもし真実であると分かれば、弾劾は避けられない。(全11話中第9話)
時間:9分07秒
収録日:2017年5月23日
追加日:2017年7月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●トランプ大統領にはスキャンダルの芽がある


 ドナルド・トランプ大統領には、スキャンダルの危険な芽があります。1つ目は公私混同です。2つ目は利益相反、つまり公務員の服務規律違反です。ただし、アメリカの法律は少し奇妙で、大統領本人は利益相反の訴求から免責されることになっています。トランプ氏はジャレッド・クシュナー補佐官や家族を政府の中枢に据えており、彼らも非常に大きな財産を持っています。したがって、公私混同として国家公務員の規律違反になる可能性がかなりあるのです。

 トランプ氏は世界各地にホテルやゴルフ場を所有しています。トランプグループの経営権は長男に譲ったということになっていますが、世界中に存在する、莫大な財産が彼の政治決定や政治判断に影響を及ぼさないとは言えません。実際、入国禁止令の対象としたイスラム諸国7カ国には、トランプ氏のゴルフ場やホテルがありません。そして、それ以外のイスラム諸国は入国禁止例の対象外でした。こうしたところに公私混同が自然と表れてきています。


●トランプ氏とクレムリンの間に不透明な関係があった


 しかしさらに危険なのは、いわゆるロシアゲート、ロシア疑惑です。昨年(2016年)の大統領選の最中に、民主党本部の外には絶対出ないはずの情報がハッキングされ、それが脚色されてWikipediaなどに流出しました。これによって、ヒラリー・クリントン氏の大変な悪評が立ったわけですが、これはロシアの仕業ではないかというのが、もっぱらの関係者の推測です。

 実際、バラク・オバマ大統領は2016年9月に中国で行われたG20の会議の際、ウラジーミル・プーチン大統領に会って、目の前で厳重注意をしたと報道されています。現職の大統領がそうしたことをするというのは、相当な確証があるということでしょう。背後には、トランプ氏のロシアコネクション疑惑が取り沙汰されています。プーチン氏はこれを無視しましたが、オバマ氏は任期満了直前、2016年の暮れに記者会見を行い、はっきりと言いました。「トランプ陣営が、クリントン陣営にロシアを使ってサイバー攻撃をしかけた、許さない」。そして、実際にオバマ大統領の決断によって、ロシア外交官35人が年末に国外退去処分を受けています。よほどの確証がなければ、こうしたことはできません。

 トランプ氏はこの問題に関与していないと、ずっと言い続けています。とこ...

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