トランプ政権研究
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ政権の現状を見て日本は今後どう対応すべきか
トランプ政権研究(11)日本が取り組むべき3つの課題
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏が、トランプ政権について解説する連続講義の最終回。トランプ氏はこれまで主張してきたことをほとんど実現できておらず、さほど恐れる必要はない。むしろ日本は病めるアメリカを理解し、支えていくため、いっそう緊密な日米関係を構築していく必要がある。(全11話中第11話)
時間:11分43秒
収録日:2017年5月23日
追加日:2017年7月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●トランプ氏の主張は挫折ないし修正を余儀なくされている


 最後に、ドナルド・トランプ政権の現状を踏まえて、日本は今後どのように対応すべきか、ご説明します。これまで見てきたように、トランプ氏は知識・経験が不足しているだけでなく、不勉強です。性格も粗野で、情緒的で、すぐに激高します。疑心暗鬼で、被害妄想のパラノイアという、典型的な精神障害の症状が見られるということです。政権を支える側近には、スティーブ・バノン氏のようなデマゴーグの過激なナショナリスト、元軍人、実業家、そして家族しかおらず、あたかも零細企業の陣容です。大国の大統領の陣容とは、到底思えません。

 選挙公約で、メキシコに壁を造り、建築費用をメキシコに払わせると言いました。しかし、全く実現していません。イスラム排斥も、裁判所の抵抗によって挫折しました。トランプ氏自身は同盟軽視の姿勢でしたが、ジェームズ・マティス国防長官が同盟は大切だと言って回ったので、トランプ氏の無知さ加減が分かってしまいました。オバマケアを否定し、代替案を出したのですが、今後法案が可決されるかは分かりません。主要政策である大減税やインフラ投資、保護貿易は、いずれも実現していません。あるいは、実現するとしても、1~2年という相当な時間がかかるでしょう。そして、仮にその効果が出たとすれば、トランプ支持者に負担を強いるような自滅型の効果になります。政権スタッフの政治任命もひどく遅れているため、業務執行がしっかりとできていません。

 さらに、不公正貿易だとか、雇用を奪う国だなどと、中国のことを一番批判していましたが、北朝鮮問題の交渉をきっかけに、トランプ氏はそうした批判を取り下げました。今までの批判は一体何だったのかということになりますが、「見たか、これが俺のディールだ」という具合です。こうしたことでは困ります。バラク・オバマ元大統領が行った、イランに対する経済制裁の解除についても、トランプ氏は真っ向から反対していました。しかし結局、5月17日には制裁解除の期間延長にサインしています。ここでもトランプ氏の批判は宙に浮いてしまいました。このように、彼の主張していたことはほとんど全部挫折か、修正を余儀なくされている、という現状です。


●トランプ氏をさほど恐れる必要はない


 したがって、トランプ氏が当初徹底的に批判していた、世界の自由貿易協...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(1)国守・大伴家持と地方社会の日常
『万葉集』でわかる奈良時代の貴族と地方豪族の関係と日常…歌人・大伴家持の歌に秘められた国守時代の苦労話
上野誠
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
江戸とローマ~日本酒とワイン(2)ローマの酒文化とファストフード
ポンペイのファストフード店、遺跡が物語るローマの酒文化
本村凌二