トランプ政権研究
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ大統領の4つの経済政策の現状
トランプ政権研究(8)主要経済政策の分析
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏が、トランプ大統領の主要な経済政策について解説する。目玉である大幅な減税と大規模なインフラ投資には、財源の問題が浮上している。オバマケアを廃止して提出された共和党案も、上院での可決は不透明だ。今年度予算は最近になってようやく議会で承認された。(全11話中第8話)
時間:9分59秒
収録日:2017年5月23日
追加日:2017年6月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●税制改革はお金持ちが得をする政治である


 ドナルド・トランプ氏は、いわば目玉商品として、主な経済政策を提示しています。これが今どのような状況になっているか、見てみましょう。第1に、税制改革です。法人税、所得税ともに、思い切った減税をすると言っています。確かに減税をすれば、景気刺激効果があります。しかし減税は、大企業と金持ちが得をする政策です。税率を思い切って引き下げると、税収は減ります。税収が減れば、政府を運営する財源はどこから持ってくるのか、これに関して今、全く答えが出ていません。これはトランプ氏が選挙戦中から言っていたことですが、具体案がないままです。こうして政権発足100日を迎えたわけですが、ここまで何一つ公約は実現していません。

 そうした中、スティーブン・ムニューチン財務長官が4月26日、税制改革案を提示しました。それによれば、法人税は35パーセントから15パーセントに引き下げられます。これはものすごい引き下げです。日本の法人税(法人実効税率)は今30パーセント前後、イギリスは約20パーセントです。法人税が非常に低いため、資金運用家が集まっている都市としては、香港とシンガポールがあります。シンガポールは約17パーセント、香港は約16パーセントで、アメリカはこれを上回る減税をするという、驚天動地のことを言っているわけです。また、個人所得税も税区分を3つに単純化する。最高税率を思い切って引き下げる。さらに相続税も廃止する。これらは、ものすごくお金持ちが得をする政治です。

 しかし、財源のことを考えれば、結局、どこかで増税せざるを得ません。そして、増税の負担を負うのは、トランプ氏を支持した労働者層です。あるいは、長期の債券を発行するということもありますが、アメリカ経済は借金経済です。したがって、税制改革案は出ましたが、今後どうなるのかは見えません。


●インフラ投資の財源として100年債の発行が示唆されている


 第2に、トランプ氏は選挙公約で、1兆ドルのインフラ投資をすると言っていました。アメリカは世界最大の設備が整った国で、道路も通信も世界最大です。しかしそれらは、何十年も前につくられたもので、メンテナンスが間に合わず、ものすごく劣化しています。

 こうしたことを考えると、確かに1兆ドルの投資は、時代の要請に合っているように見えます。景気刺激効果も莫大でしょう。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(5)持続可能な天下泰平の制度設計
関ケ原はトップ官僚・石田三成と中央集権体制をつぶす戦い
片山杜秀
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介