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自分と違う人生を送る者は皆、学ぶべき相手

人間力をつけるために(8)自分以外は皆「師」と考えよう

浜口直太
経営コンサルタント
情報・テキスト
自分以外は皆「師」だと思うことが、人間力をつけるための八つ目のポイントである。経営コンサルタントの浜口直太氏はそう語る。自分とは異なる経験と知識を持つ他者から学び続けることで、人は成長し成功を収めることができる。そこには立場の上下などは関係なく、立場が上になっても素直な心で学び続けるべきである。(全10話中第8話)
時間:09:26
収録日:2018/03/19
追加日:2018/05/30
カテゴリー:
≪全文≫

●自分以外は皆「師」だと思うことで、学び続けて結果を出せる


 皆さん、こんにちは。8回目の今回は、「自分以外は皆『師』と考えよう」ということを、お伝えします。

 私は、頭も悪く勉強もできなかったですし、今でも、暗記力や理解力がないことを実感させられます。これは松下幸之助さんもおっしゃっていたことですが、結果を出すためには、自分よりも能力のある人と一緒に何かをやることが大事です。そしてそのためには特に、自分以外は皆「師」だと思うことが大事だと、松下さんはおっしゃっていました。

 言ってみれば、実力をアップし続ける人というのは、学び続けることのできる方であると思います。そして、学び続けることのできる人はやはり、人から学ぶことができる人だと思います。成長し続けられる人は、イコール、学び続けられる人です。成長意欲がなければ、学ぶことはできません。


●偉大な師から一生懸命学ばなければ、成長は止まってしまう


 残念ながら、学生時代に非常に優秀だった人であっても、社会に出て成長が止まってしまうこともあります。特に優秀な一流大学といわれるところの出身の方々に、そういう方が多いと思います。それは、勉強ができることを、社会においてもできることであると、勘違いしてしまっているからです。

 社会に出たら、学ばないといけないことが山ほどあります。特に、今回の一連の話のテーマである人間力をつけるという意味では、世の中で一番大事なことは人間関係だと思います。その人間関係に関わる力をつけることなくして、成長はないと思います。

 社会において成長し続けるためには、本物の師を持つことが、私は大事だと思います。誰を師にするかで、自分の人生は本当に変わってしまいます。ですから、偉大な師を持つことによって、一生懸命に学び、できるだけその方をまねていくということが、非常に大事です。それが成長のポイントになっていきます。

 ちなみに私は、本当の師弟関係というものは、師が弟子を自分以上にすることだと思います。私が特に尊敬する松下幸之助さんは、そういう思いを持って、弟子といいますか、部下を育ててきました。


●自分とは違う人生を送る他者は皆、謙虚に学ぶべき相手である


 本題に戻りますと、自分以外は皆「師」と考えることには、相手の年齢、経験、知識、性別、国、宗教、こういったものは全く関係がありません。なぜならば、自分以外は皆が違う人生を送っています。つまり、それぞれが自分とは違う経験を持ち、自分とは違う知識を持っています。したがってその意味においては、皆が師です。そこから学ばないということは、非常に残念なことですし、自分自身の成長の機会を失ってしまいます。ですから、部下であろうと年下であろうと、どんどんと意見を聞いて学んでいくべきだと思います。私もそのように実践しています。

 そう考えると、謙虚になることが非常に大事だと思っています。みんなが違う人生を送っているので、誰からでも学ぶことはできます。まさにそれが、松下幸之助さんの生き方です。松下幸之助さんのように素直な心を持たない限り、自分以外の人を皆「師」であるとは思えません。

 自分の方が年上だとか、自分の方が少し経験が上だとか、自分の方が少しいい大学を出ているとか、良い家庭に育ったとか、そういうプライドを持ってしまうと、残念ながら成長する機会を逃してしまいます。人間力をつける機会を逃してしまいます。それが私の実感するところです。


●素直な心を持っていろいろな人から学ぶことが、成功につながる


 これは決して、皆さんだけに言っているわけではなく、自分自身にも絶えず言い聞かせていることです。私は、能力もないのに、アメリカのビジネススクールでMBAを取り、博士課程まで出させていただきました。そして、アメリカの大学院で7年間、MBAの学生を対象に教えさせていただきました。この経歴を書きますと、皆さんからお褒めの言葉をいただきます。しかし、誤解を恐れずにいえば、私の場合はほとんど、裏口入学や裏口卒業のようなものでした。

 例えば、コピーや郵便といった教授のお手伝いをできることが楽しくて仕方がなかったのです。そうするとそのうちに気に入られて、大学院の助手になってほしいと言われました。助手になるための条件には大学院の修士課程を出ることが必要なのですが、先に助手にしていただいて、その結果、試験を受けることなく大学院に入学させていただき、MBAも取らせていただきました。

 さらには、自分が目指していたKPMGピートマーウィックという会社も、本来であれば外国人の場合、ビジネススクール(経営大学院)を出てからでなければ入れません。また、監査法人系の会社でしたので、公認会計士を持っていることが一つのポイントになります。私は...
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