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人間力の大前提は世のため人のために生きること

人間力をつけるために(1)世のため、人のために生きよう

浜口直太
経営コンサルタント
情報・テキスト
「人間力をつけるための大前提は、世のため人のために生きることである」―そう語る経営コンサルタントの浜口直太氏は学生時代、勉強が苦手であることに悩まされたという。しかし、松下幸之助の言葉に出会い、アメリカに行くことを決意。その後アメリカで、世のため人のために生きることが人生を好転させることを学ぶ。(全10話中第1話)
時間:11:23
収録日:2018/03/19
追加日:2018/05/23
カテゴリー:
キーワード:
≪全文≫

●人間力をつけるための挑戦


 皆さん、こんにちは。浜口直太です。これから数回に分けて、人間力をつけていくために自分がどういうことをやってきたのか、そのことについてお話ししたいと思います。

 まだまだ未熟な身であるためおこがましいのですが、自分自身の人間力のなさで失敗をしたり迷惑をかけたりする中、能力や経験がない分どうしたら人間力がつくのかを考えてきました。また、人生で成功し幸せになるためには人間力が一番大事だということを、数々の成功者や偉人から教わってきました。

 そこで、自分の失敗談を入れたエピソードを紹介しながら、人間力をつけるために何をやってきたか、そして今何をやっているのか、今後どういう挑戦をしたいか、これらを紹介できれば幸いです。


●暗記力や理解力の無さに苦悩した学生時代


 全てにおいて人間力が勝負を決めると、私は実感しています。人間力に関して、今回から10回に分けてお話ししているわけですが、1回目は、「世のため人のために生きる」ということが人間力をつけることにおいて大前提であるという話です。

 私は、小さい頃から大変勉強ができない人間でした。人よりも暗記力や理解力が悪く、現在もそれを乗り越えたわけではありません。同じ話を聞いても人より理解していなかったり、人の名前や番号などを覚えることが難しく、自分が今いろいろな授業に関わったり、人の相談に乗っていることは、奇跡のように思えます。

 このように小さい頃から勉強が苦手で能力がなかったことで、私は非常に悩み苦しみました。なぜなら当時の日本は、勉強ができる人が優遇される、極端にいえば偏差値教育に偏っていた時代だったからです。後にはゆとり世代といわれ、ゆとり教育というものが取り入れられた時期もありましたが、いい成績を取っていい学校に行っていい企業に勤めるというのが、当時の社会の主流でした。それは、私のように勉強ができず能力が低い人にとっては、非常に生きづらい世の中でした。

 私は、理解力や暗記力がなく、特に国語が苦手でした。そして中学校に入ってからは、英語が全然できませんでした。要するに文系科目が全然ダメでした。その理由は非常に簡単で、本を読んでも全く理解できなかったからです。大学を卒業するまでに学校の教科書以外で読んだ本は、『子鹿のバンビ』と『野口英世』の、2冊だけでした。しかも、両方とも読み切ってはいないので、最後がどうなったのかは分かりません。

 そういった状況で、どうしたらこの最悪の自分というものを乗り越えることができるのか、悩み苦しみました。義務教育なので小学校・中学校は行けましたが、特に理解力・暗記力が悪く勉強ができない私は、高校に行けるような状況ではありませんでした。当時考えていたのが、手に職をつけるということでした。そうした中、自分が生きる存在意義があるのかを考えるようになり、自殺願望までは行かないのですが、自分自身を社会から抹殺したいと思うこともありました。学校に通うときに毎朝本当に悲しい思いで、自分は何のために生きているのだろうと思った時期もありました。


●「素直な心」という松下幸之助の言葉との出会い


 それでもなんとか高校を卒業するまでに至ったのですが、自分の人生をもっと有意義にしたいという思いから、本は苦手だったのですがいろいろなメッセージを探す中、松下幸之助さんの言葉と出会いました。それが「人生で成功するのに大事なことは、素直な心を持つことだ」という言葉です。

 松下幸之助さんは、小学校を中退して、高等教育を受けていません。そして、経済的にも恵まれていなかったのですが、日本一の事業家になりました。高等教育も受けず裕福な家庭に育ったわけでもないのに、そして自分には「能力がない」とよくおっしゃっていたのに、なぜ成功して幸せになれたのか、とても不思議でした。そこで大事なのは、素直な心を持つことだと思いました。そう思った時、同時に自分自身は素直な心を持っていたのかと反省しました。


●松下幸之助の言葉とアメリカに渡る決意


 私は、高校受験の時に山を張ったというエピソードがあります。私は7校を受験したのですが、そのうち6校に落ちてしまいました。滑り止めにはならなくとも、もしかしたら入れるかもしれないと思った高校にさえ、落ちてしまいました。最後に残った高校に落ちたら高校進学は諦めないといけないという状況で、どうしても高校に入りたかったので、過去の問題の傾向と対策をしっかりやりました。そして、山を張ったところ、見事にその山が当たって高校に入ることができました。高校でも成績は悪かったのですが、付属高校だったので大学まで出ることができました。

 自分自身が大学に行くかどうかを判断する際、松下幸之助さんの言葉が鍵になりました。高度成...
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