●人間は人と人との間に生きる存在だから対話が重要
皆さん、こんにちは。9回目になりましたが、今回は、「すべては対話から」始まるということが、人間力をつける際の大前提だという話をします。
われわれは結局のところ人間なのですが、人間という字は人の間と書きます。人間は、人と人がいるから、その間で成り立っているということです。人間は、たった一人では何もできないし、生きていくことはできません。
動物も人間も群れをなして暮らしています。前にもお話しましたが、動物の欲求の中で特に基本的なものに、食欲と性欲に加えて、集団欲というものがあります。動物や人間は、集団から離れて一匹ないし一人でいる時間が長くなると、精神が壊れていってしまうと言われています。そういうことで、人間というものは、周りに他の人がいないと成り立たないということがいえます。
●人間社会で起きる問題は、全て人と人との間の問題である
人間社会では、さまざまなトラブルが生じてきます。それらは全て、人と人との間のトラブルです。経済の問題や、国と国との国境の問題、あるいは戦争もそうですが、これらも全て人間の間の問題です。一見するとこれらは、お金の問題であったり、国の境の問題であったりするように、思えるかもしれません。しかし実のところ、これらは全て、人間対人間の問題です。ですから、お互いに妥協をすることができれば、すなわち、落としどころさえ見つけることができれば、解決することができます。
したがって、人間力においては人間と人間との関わり合いということが大事です。そして、その関わり合いの鍵となるのが対話力です。これは、もろもろのこと全てにおいてそうです。対話とは言葉を発して話すことです。行ってみれば、それはコミュニケーションを取ることです。
●外見や表情や声がコミュニケーションの70パーセントを占める
これは法則としてよくいわれていることですが、コミュニケーションにおいては何に基づいて判断がなされるかといいますと、言葉の部分はたったの30パーセントで、残りの70パーセントの要素は、外見や表情や声です。皆さんは今、私の話を聞いてくれていますが、実は、私の言葉の中身よりも、話している声の調子であったり外見であったり、そういったところで、判断が結構なされています。
声や表情などが70パーセントというこ...